そもそも投資経営ってなに?という方に
「投資・経営」とは日本で外国人が企業に投資し、経営者となるための在留資格のことです。
しかし2015年4月1日より「投資・経営」という在留資格は「経営・管理」(経営管理)という在留資格に名称が変更されました。
それにより、申請時に提出する書類や要件が投資・経営の頃とは若干異なりますので、経営・管理のページをご参照ください。
このページでは「投資・経営」だった頃の要件等をまとめております。
▼ 「投資・経営」を取得することで日本において行うことができる活動内容
- 1. 日本において貿易その他の事業の経営を開始する。
- 2. 日本におけるこれらの事業に投資してその経営を行う。
- 3. 当該事業の管理に従事しまたは日本においてこれらの事業の経営を開始した外国人(外国法人を含む。)
- 4. 日本におけるこれらの事業に投資している外国人(外国法人を含む。)に代わってその経営を行う。もしくは当該事業の管理に従事する活動。
「投資・経営」該当例としては、外資系企業等の経営者、管理者など。
投資・経営ビザの取得要件
投資・経営ビザとは?
投資・経営ビザとは、日本において貿易その他の事業の経営を開始し、またはこれらの事業に投資してその経営を行い、または事業の管理に従事し、またはこれらの事業の経営を開始して外国人(外国法人を含む)または事業に投資している外国人に代わって経営を行い、または当該事業の管理に従事する活動のためのビザです。
すなわち、外国人の会社経営者や管理者(代表取締役、取締役、監査役、部長、工場長、支店長等)のためのビザであり、いわゆる社長ビザのことです。
▼ 投資・経営ビザ取得の為の要件
- 申請人が日本において貿易その他の事業の経営を開始しようとする場合
- ① 事業を営むための事業所として使用する施設が日本に確保されていること。
- ② 事業がその経営または管理に従事する者以外に2人以上の日本に居住する者(日本人、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)で、常勤の職員が従事して営まれる規模のものであること。
- 申請人が日本における貿易その他の事業に投資してその経営を行い、または事業の管理に従事し、または事業の経営を開始した外国人(外国法人を含む)または事業に投資している外国人に代わって経営を行いまたは事業の管理に従事しようとする場合
- ① 事業を営むための事業所が日本に存在すること。
- ② 事業がその経営または管理に従事する者以外に2人以上の日本に居住する者(日本人、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)で、常勤の職員が従事して営まれる規模のものであること。
- 申請人が日本における貿易その他の事業の管理に従事しようとする場合
- ① 事業の経営または管理について3年以上の経験(大学院において経営または管理に係る科目を専攻した期間を含む)を有すること
- ② 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
※2人以上の常勤職員の雇用がなくても、新規事業を開始する場合の投資額が年間500万以上あれば要件は満たされるとされています。
ただし、一度投資された500万円以上の投資は、その後も回収されることなく維持されることが必要です。なお、2人の常勤職員を雇用することが原則ですので、必ずしも認められるとは限りませんので注意が必要です。
▼ 投資・経営ビザ申請の注意点
投資・経営ビザが認められるためには、会社の事業が適法なものであり、継続したものでなければなりません。
また、資金も必要です。したがって、就労ビザ等を取得する場合に比べて要件は厳しく、手続きも複雑であるため、しっかりとした手続きを行わないと許可されない可能性が高いのが実情です。
日本に在留する外国人の方は、入管の各種ビザ申請に際しては、原則として本人自らが地方入国管理局(入管局、支局、出張所)などに出向き、申請等の書類を提出しなければなりません。
▼ 会社を設立して事業を営む場合に行うこと
- ・会社設立(または投資)
- ・各省庁への届出(事業開始届、許可・認可の取得)
- ・事業開始の準備(店舗準備、商品仕入れ、業務契約締結など)
- ・従業員の募集(雇用保険、社会保険等への加入)
- ・入管への投資・経営ビザ申請(事業計画書の作成など)
- ・投資・経営ビザ取得
▼ 申請に必要な書類
貿易その他の事業の経営を開始し、又はこれらの事業に投資してその経営を行おうとする場合
- 事業内容を明らかにする資料
- ① 事業計画書
- ② 商業・法人登記簿謄本(発効後3ヶ月以内のもの)
- ③ 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合には、今後一年間の事業計画書)
- 職員数や賃金の支払いを明らかにする資料
- ① 当該外国人を除く常勤の職員数を明らかにするもの
- ② 常勤の職員数が2人以上である場合には、当該2人の職員に係る次に掲げるもの
- ・雇用契約書の写し又は賃金台帳の写し
- ・住民票又は外国人登録証明書の写し
- ③ 案内書
- ④ 雇用保険料納付書控等の写し
- 事業所の概要を明らかにする資料
- 例えば、案内書、事業所の賃貸契約書の写し等、事業所の概要を明らかにするものです。
貿易その他の事業の経営を開始し、又はこれらの事業に投資している外国人に代わってその管理に従事しようとする場合
- 事業内容を明らかにする資料
- ① 事業計画書
- ② 商業・法人登記簿謄本(発効後3ヶ月以内のもの)
- ③ 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合には、今後一年間の事業計画書)
- 職員数や賃金の支払いを明らかにする資料
- ① 当該外国人を除く常勤の職員数を明らかにするもの
- ② 常勤の職員数が2人である場合には、当該2人の職員に係る次に掲げるもの
- ・雇用契約書の写し又は賃金台帳の写し
- ・住民票又は外国人登録証明書の写し
- ③ 案内書
- ④ 雇用保険料納付証明書控等の写し
- 事業所の概要を明らかにする資料
- 例えば、案内書、事業所の賃貸借契約書の写し等、事業所の概要を明らかにするものです。
- 次のいずれかの一又は複数の文書で、活動の内容、期間、地位及び報酬を証するもの
- ① 契約書の写し
- ② 派遣状の写し
- ③ 異動通知書の写し
- ④ ①ないし③に準ずる文書
本邦において開始され、若しくは投資された貿易その他の事業の管理に従事し、又は貿易その他の事業の経営を開始し、若しくはこれらの事業に投資している外国人に代わってその管理に従事しようとする場合
- 事業内容を明らかにする資料
- ① 事業計画書
- ② 商業・法人登記簿謄本(発効後3ヶ月以内のもの)
- ③ 直近の損益計算書の写し(新規事業の場合には、今後一年間の事業計画書)
- 職員数や賃金の支払いを明らかにする資料
- ① 当該外国人を除く常勤の職員数を明らかにするもの
- ② 常勤の職員数が2人である場合には、当該2人の職員に係る次に掲げるもの
- ・雇用契約書の写し又は賃金台帳の写し
- ・住民票又は外国人登録証明書の写し
- ③ 案内書
- ④ 雇用保険料納付証明書控の写し
- 事業所の概要を明らかにする資料
- 例えば、案内書、事業所の賃貸借契約書の写し等、事業所の概要を明らかにするものです。
- 次のいずれかの一又は複数の文書で、活動の内容、期間、地位及び報酬を証するもの
- ① 契約書の写し
- ② 派遣状の写し
- ③ 異動通知書の写し
- ④ ①ないし③に準ずる文書
- 次のいずれかの一又は複数の文書で、事業の経営又は管理について3年以上の経験を有することを証するもの
- ① 在職していた機関又は在職する機関での職務内容及び在職期間を証するもの
- ② 大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を証するもの
※上記の書類は「最低限必要な書類」です。上記書類だけでは不許可が出る可能性もありますのでご注意下さい。
投資・経営ビザが必要な就労資格
- 投資・経営ビザが必要な就労活動
- ① 日本において相当額の投資を行い、事業の経営を開始して、その経営に従事する活動
※ここにおける「事業」とは、貿易を目的とするものに限りませんが、適正に行われ、安定性、継続性の認められるものでなければなりません。 - ② 日本における事業に相当額の投資を行い、その経営に参加する活動
(本邦企業への資本参加や合弁企業など)
※事業の運営を動かすことが出来る程度に相当の投資を行う必要があります。 - ③ 日本において事業の経営を開始した外国人に代わって、その経営に従事する活動
(設立者の死後に経営を引き継ぐ場合など) - ④ 日本における事業に投資している外国人に代わって、その経営に従事する活動
(海外にいる設立者に代わって経営者を日本に派遣する場合など) - ⑤ 以上の事業の管理に従事する活動
(支店長や部長などの管理職を派遣する場合)
- ① 日本において相当額の投資を行い、事業の経営を開始して、その経営に従事する活動
したがって以下のような者に対して「投資経営ビザ」が与えられることになります。
- ・事業の運営に関する重要事項の決定、業務の執行、監査の業務に従事する役員 (取締役、監査役、執行役員など)
- ・部に相当する以上の内部組織の管理的業務に従事する管理職員 (部長、支店長、事務所長、工場長など)
- ・専門的知識をもって経営または管理に従事する者 (企業の雇用弁護士、公認会計士を含む)
※注意すべき点
- 1. 日本人の配偶者、永住者、永住者の配偶者、定住者等の在留資格を持っている 外国人は、このビザを取得しなくとも投資、経営や管理の活動に自由に従事することが出来ます。
- 2. 日本人あるいは日本法人が出資設立した会社に、外国人が経営者あるいは管理者として参加しても、このビザは取得できません。
投資・経営のカテゴリー表
日本の在留資格の一つである「投資・経営」を申請するためにはまずどのような書類が必要なのかを調べる必要があります。そこでまず最初に調べることが、カテゴリーです。
カテゴリーを調べることで、実際に「投資・経営」の申請に必要な書類などが分かりますので、下表をご参照ください。
カテゴリー | 該当する個人・団体 |
---|---|
カテゴリー1 | 日本の証券取引所に上場している企業 保険業を営む相互会社 日本・外国の国または地方公共団体 日本の国・地方公共団体認可の公益法人 |
カテゴリー2 | 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人 |
カテゴリー3 | 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く) |
カテゴリー4 | 左のいずれにも該当しない団体・個人 |
投資・経営についての記事
▼ 投資・経営ビザについての詳しい情報
- 出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の投資・経営の項の下欄に掲げる「投資・経営」の在留資格をもって在留する者が本邦において行うことができる活動は、「本邦において貿易その他の事業の経営を開始し若しくは本邦におけるこれらの事業に投資してその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事しまたは本邦においてこれらの事業の経営を開始した外国人(外国法人を含む。以下この項において同じ。)若しくは本邦におけるこれらの事業に投資している外国人に代わってその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないとされている事業の経営若しくは管理に従事する活動を除く。)」です。
- 「投資・経営」の在留資格は、相当額の投資をしてその投資した資金の維持・拡大を図る観点から、会社等の事業の運営に参画することを目的として入国・在留する者を対象として設けられたものですので、その外国人が実質上その会社等の経営を左右できる程度の投資をすることが前提として必要です。
- したがって、例えば日本人が起業した事業であっても、起業後外国人が当該事業に相当額の投資を行い、かつ実質的に当該事業について経営権を有していると判断できるような場合には、「投資・経営」の在留資格に該当することになりますし、逆に、一時的に株を取得したにすぎない場合や投資額が相当額に達しない場合、又は、投資した本人やその本人を代理する立場にある者以外の者が行う経営活動や管理活動は、「投資・経営」の在留資格の対象とはなりません。
- 上記の「相当額の投資」については、会社の規模により異なりますが、実質上会社の経営方針を左右できる程度の金額であることが必要であり、最低でも500万円以上の投資が必要となります。なお、「投資額」は、単に所有する株式の価額により決まるものではなく、当該事業に実質的に投下されている金額で判断されます。また、外国人が起業する際の500万円以上の投資額についてですが、これは会社を経営するのに必要なものとして外国人が投下した額の総額であって、その使用目的は事業遂行上必要なものであれば足り、例えば、土地や建物あるいはその賃借料、さらには事務機器代等も含まれます。また、一般には、会社の事業資金であっても会社の借金はただちには投資された金額とはなり得ませんが、その外国人が当該借入金について個人保証をしている等の特別の事情があれば本人の投資額と見る余地もあります。
- 500万円以上の投資額は、毎年500万円の投資を行うことが必要であるわけではなく、一度投資された500万円以上の投資がその後も回収されることなく維持されていれば差し支えありません。そして、この500万円以上の投資が行われている場合には、「投資・経営」の在留資格について出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(以下「基準省令」という。)が定めている「当該事業がその経営又は管理に従事する者以外に二人以上の本邦に居住する者(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)で常勤の職員が従事して営まれる規模のものであること。」の基準についても、実際にこのような常勤の職員を2名以上雇用していなくても、差し支えないとする取扱いを行っています。
- 企業の経営活動や管理活動は、自然科学や人文科学の知識等を要する業務に従事する活動であることもあり、このような場合には括弧書きを除いた「技術」や「人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる活動と一部重複することとなります。法別表第一の下欄の括弧書きは、このように重複する場合についての在留資格相互の適用の優先関係を定めたものです。したがって、「投資・経営」と「技術」「人文知識・国際業務」とでは「投資・経営」が優先しますが、優先される「投資・経営」の在留資格についての別表下欄の活動に該当しないとき(基準に適合するか否かは別問題)には、「技術」又は「人文知識・国際業務」の在留資格に該当し、これらの在留資格により入国・在留が認められることもあります。
- ある企業の職員として「技術」や「人文知識・国際業務」等の在留資格で在留していた外国人が、途中から同じ企業の経営者や管理者となったときは、直ちに「投資・経営」の在留資格に変更する必要はありませんが、新たに経営者又は管理者としての職に就任(再任を含む。)するときは、原則として「投資・経営」の在留資格に変更することが必要となります。
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