帰化申請と永住申請の違い

   

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帰化申請と永住申請

帰化申請永住申請はどちらも長く日本に住みたい方にとって興味のある申請だと思います。
どちらにするか迷っている方も多くいらっしゃることでしょう。
中には許可申請の通りやすさで選んでしまう方もいますが、この2つは性質がまるで違います
また、近年では帰化をすることの重要性を深く考えていないケースが多く見受けられます。
後悔することが無いように両方の特徴をしっかりと理解したうえで、どちらの申請にするか慎重に選びましょう。

帰化と永住それぞれの特徴

▼ 帰化

帰化申請をすると日本国籍(日本のパスポート)を取得し、日本国民として日本で暮らすことができます
そのため、就労制限はありませんし日本人固有の権利も得ることができます。
ただし、日本では重国籍を認めていないため、母国の国籍を失うことになります。
母国に帰る際には査証申請や在留資格申請が必要になることもあるのです。

日本はノービザで行ける国の数が世界でもトップの191か国です(2021年9月現在)。
母国がノービザで渡航できる場合は日本のパスポートさえ所持していれば帰国することができますが、ノービザで渡航できない国もあります。それは以下の国々です。

ロシア、北朝鮮、アルジェリア、アンゴラ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、チャド、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボアール、赤道ギニア、エリトリア、ガンビア、ガーナ、リビア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、シエラレオーネ、南スーダン、イラク、シリア、サウジアラビア、イエメン、キューバ、ナウル、アフガニスタン、ブータン、トルクメニスタン、パキスタン、リベリア

上記の国々に行くためには、渡航前にその国のビザを取得することが必要です(2021年9月現在)。

▼ 永住

それに対して永住の場合、永住申請が認められて永住者になっても母国の国籍のままで、期限なく日本に在留することができます。
母国へ帰る場合ももちろん母国の国籍を持ったままなのでノービザで帰ることができます。
ただし、日本人にしか認められない権利(選挙権等)は得ることができません。

帰化と永住の要件

帰化と永住は、申請する際に求められる要件も異なります

▼ 住所要件

【帰化】
ほとんどの在留資格を所持する外国人の帰化要件の場合は、引き続き5年以上日本に住んでいて且つ3年以上の就労実績があること。
【永住】
ほとんどの在留資格を所持する外国人の場合は、引き続き10年以上日本に住んでいてかつ5年以上就労資格又は居住資格にて在留していること、3年以上の在留期間を有していること。

また、住所条件には在留資格や身分に応じて緩和されるケースがあります。
それぞれの住所条件緩和は以下のようになります。

【帰化】
日本人と結婚した外国人配偶者の場合には通常の5年以上から少し緩和されて、3年以上日本に住んでいるか、結婚後3年以上が経過し1年以上日本に住んでいることで申請が可能となります。
また日本国民の子で日本に住所を有するものと日本の国籍を失った者で日本に住所を要する者は居住年数を問われず、日本国民の養子で養子縁組をした時点で未成年であった者は引続き1年以上日本に住所を有していれば帰化申請が可能です。
【永住】
定住者や難民認定を受けた者は引続き5年以上日本で住んでいることで申請が可能になります。
また、日本人や永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上あり、且つ引き続き1年以上日本に在留していることで申請が可能となります。
実体を伴った婚姻生活とは、基本的に同居していることが求められます。

▼ 素行要件

【帰化】
年金、住民税を仮に払っていなかったとしても、申請までに未納を解消しておくことにより許可になる可能性は十分にあります。
また交通事故及び交通違反を含む違反歴や犯罪歴はその内容により不許可になる可能性があります。
【永住】
最近では特に社会保険等の納付状況に対して厳しく審査されます。
納付期限をちゃんと守って払っているかチェックされ、一度でも健康保険の納付期限が過ぎてしまったらその時点で許可されない可能性もあります。

▼ 生計要件

【帰化】
帰化申請での生計要件は生計を一にする家族単位で判断されます。
そのため、必ずしも申請人に資力を求められる訳ではありません。
扶養されていても申請人が安定して生活していけるかどうかで判断されます。
また、安定して生活していけるかどうかは申請人の住む地域によっても金額が異なります(都会と地方では生活費が異なるため)。
例え金額が少なくとも、安定して生活ができるだけの収入があれば許可が出る可能性は十分あるでしょう。
【永住】
永住申請では帰化申請と違い、生計要件を特に厳しく審査されます。
具体的には過去5年間の年収がいずれも300万円以上あることが求められます。
近年ではこの金額が重要視されているので、300万円を下回ってしまっている場合には不許可を覚悟した方が良いかもしれません。

帰化と永住 許可後

【帰化】
帰化は申請から概ね1年程度で結果が出ることが多いですが、稀に2年を超えるケースもあります。
帰化は一度許可されると基本的に取り消されることはありません。
法律上では取り消すことは可能ですが、取り消されたことで生じる不利益を上回る必要性がない限り取り消されることはなく、2021年現在までも取り消された事例はありません。
したがって一度帰化を認められると、他の国に再度帰化をしない限り日本国籍を失うことはありません。
【永住】
永住は結果が出るまでの審査期間にかなりばらつきがあります。
3ヵ月程度で結果が出ることもあれば、1年近くかかることもあります。
平均すると7ヵ月程度で結果が出ることが多いです。

まとめ

ここまで読んで頂いてわかるように、帰化の方が申請のハードルが低いので、永住の要件を満たしていないけど帰化なら申請できるという方はとても多いです。
しかし何度も言うように、帰化申請とは外国人になるということです。
祖国に帰るたびに手続きする必要も出てくるでしょうし、国籍を戻すとなったら大変です。
もちろん、帰化をすることで日本人のパスポートを取得でき、日本人にしか認められない権利(選挙権等)が得られるため、生涯日本で生活したいと思っている方であれば帰化申請をするのが良いでしょう。
自分にとって帰化と永住のどちらが適しているのか、慎重に考えて選びましょう。

いずれの申請を選ぶにせよ、日本に長く住むのであればどちらも多くのメリットがあります。
行政書士法人Climb帰化を目指す外国人永住を目指す外国人を応援しております。お気軽にお問合せください。


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