特定技能の人材紹介|必要な許可と登録支援機関との違い・紹介会社の選び方

Click here to select your language

特定技能で外国人雇用

特定技能外国人を採用するとき、人材紹介会社(職業紹介事業者)を利用する企業は少なくありません。一方で、「登録支援機関なら紹介もできるのか」「監理団体に頼めばよいのか」「海外から紹介してもらう場合に何が必要か」など、制度上の役割が混同されやすい分野でもあります。

本記事では、特定技能の人材紹介に必要な許可、登録支援機関・監理団体との違い、海外から紹介する場合の注意点、そして受入れ企業が確認すべき人材紹介会社の選び方を、出入国在留管理庁・厚生労働省の公表情報をもとに解説します。

【結論】特定技能の人材紹介のポイント

  • ● 特定技能外国人を企業に紹介するには、職業安定法に基づく職業紹介事業の許可等が必要(国内での転職のあっせんも同じ)
  • ● 登録支援機関の登録や監理団体の許可だけでは、特定技能の職業紹介はできない
  • ● 海外から紹介する場合は、相手国の手続き・取次機関の要件を守る必要があり、外国人本人から保証金や違約金を取る仕組みは禁止
  • ● 受入れ企業は、紹介会社の許可番号を厚生労働省「人材サービス総合サイト」で確認しておく(在留申請でも確認画面の写しを提出)

1.特定技能の人材紹介とは

特定技能の人材紹介とは、特定技能で働きたい外国人(求職者)と、特定技能外国人を受け入れたい企業(求人者)との間で、雇用契約の成立をあっせんすることです。法律上は職業安定法の「職業紹介」にあたります。

▼ 特定技能の主な採用ルート

  • ・海外から採用する(現地の試験合格者などを呼び寄せる)
  • ・日本国内にいる特定技能外国人の転職者を採用する(同じ分野・業務区分内での転職)
  • ・技能実習(2027年4月からは育成就労)を修了した方が特定技能へ移行する
  • ・日本の専門学校・大学の卒業予定者などが試験に合格して特定技能へ変更する

▼ 仲介は必須ではない

技能実習と異なり、特定技能では監理団体や送出機関を通すことは制度上必須ではなく、受入れ企業と外国人の直接雇用が原則です(国によっては送出機関の利用が必要な場合があります。後述)。企業が自ら募集して採用することも、人材紹介会社を利用することもできます。なお、派遣での受入れが認められているのは農業と漁業の2分野のみです。

2.特定技能の人材紹介に必要な許可

▼ 職業紹介事業の許可等が必要

特定技能外国人を受入れ企業に紹介するには、ほかの人材紹介と同様に、職業安定法に基づく職業紹介事業の許可等(手数料を受け取る場合は有料職業紹介事業の許可)が必要です。厚生労働省も、特定技能の在留資格に関して職業紹介を行うには職業紹介の許可などが必要であると案内しています。

国内にいる特定技能外国人の転職先をあっせんする場合も同様です。許可を受けずに職業紹介を行うことは職業安定法違反となり、受入れ企業側の在留申請にも影響するおそれがあります。

▼ 海外から紹介する場合は取次機関の要件も守る

海外にいる外国人を紹介する「国外にわたる職業紹介」では、相手先国の法令を守ることに加え、海外の取次機関を利用する場合は、次のような要件を満たす機関に限られます。

  • ・相手先国で職業紹介等の事業を行うことについて認可等を受けていること
  • ・保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、求職者の金銭その他の財産を管理しないこと

取次機関が不適切な活動をしていると認識した場合は、その取次機関を利用した職業紹介を行ってはならないとされています。また、求職者に対して渡航費用などを貸し付けることも認められていません。

▼ 外国人本人から手数料・保証金は取れない

職業紹介の手数料は、原則として求人者(受入れ企業)から受け取るものであり、特定技能外国人本人から紹介手数料を徴収することはできません。さらに特定技能では、外国人やその親族が保証金を徴収されたり、財産を管理されたり、雇用契約の不履行に違約金を定める契約を結ばされたりしていないことが受入れの基準とされています(出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」)。

3.人材紹介会社・登録支援機関・監理団体の違い

特定技能で特に混同されやすいのが、この3者の役割です。

項目人材紹介会社
(職業紹介事業者)
登録支援機関監理団体
(2027年4月〜監理支援機関)
主な役割求人企業と外国人の雇用契約成立のあっせん1号特定技能外国人への支援計画の実施(企業からの委託)技能実習(育成就労)の監理・あっせん
根拠職業安定法入管法技能実習法(育成就労法)
必要な手続き厚生労働大臣の許可等出入国在留管理庁長官の登録(5年ごとに更新)許可
特定技能の職業紹介できる別途、職業紹介事業の許可等が必要別途、職業紹介事業の許可等が必要

▼ 登録支援機関は「支援」、紹介には別の許可

登録支援機関は、受入れ企業に代わって事前ガイダンス、出入国時の送迎、生活オリエンテーション、相談対応などの支援を行う機関です。登録支援機関として登録されていても、それだけで職業紹介を行うことはできません。紹介と支援の両方を行う場合は、職業紹介事業の許可等と登録支援機関の登録の両方が必要です。

▼ 監理団体が行えるのは技能実習のあっせん

監理団体が行えるのは技能実習に係るあっせんであり、特定技能の職業紹介を行う場合は、別途職業紹介事業の許可等が必要です。2027年4月に技能実習が育成就労へ移行し、監理団体が監理支援機関に変わった後も、特定技能の職業紹介には職業紹介の許可等が必要という点に注意しましょう。

4.海外から紹介する場合の注意点

▼ 相手国ごとの手続き(協力覚書)を確認する

日本は特定技能について、フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、マレーシア、ラオス、キルギス、タジキスタンの17か国と協力覚書を作成しています。

国によっては、ベトナムやラオスのように認定送出機関を通じた受入れが求められる国もあれば、送出機関の利用が任意の国もあります。海外から紹介・採用する場合は、相手国ごとの手続きを必ず確認しましょう。

▼ 費用の流れは在留申請でも確認される

特定技能の在留申請では、「雇用の経緯に係る説明書」(参考様式第1-16号)で、利用した職業紹介事業者の許可・届出番号や名称、支払った費用、海外の取次機関の名称・所在国・支払った費用などを記載します。職業紹介事業者の情報は、厚生労働省「人材サービス総合サイト」で確認し、その画面の写しを添付することとされています。

また、外国人が海外での準備のために送出機関などへ費用を支払う場合は、その額と内訳を外国人本人が十分に理解して合意していることが求められます。

5.受入れ企業向け:特定技能の人材紹介会社の選び方

人材紹介会社を利用する場合は、次の点を確認しておくと、トラブルや在留申請での不備を防げます。

  • ・職業紹介事業の許可番号を、厚生労働省「人材サービス総合サイト」で確認したか
  • ・海外から紹介を受ける場合、相手国の手続き・取次機関について説明を受けたか
  • ・外国人本人から紹介手数料・保証金・違約金を取っていないか
  • ・紹介手数料の内訳と返金規定(早期退職時の扱いなど)が書面で示されているか
  • ・入社後の支援(登録支援機関への委託)を誰が行うか、支援委託費が別途かかるか
  • ・在留資格の申請書類の作成を誰が行うか

在留資格の申請書類の作成を報酬を得て行えるのは、行政書士などに限られます。2026年1月施行の改正行政書士法により、名目を問わず報酬を得て書類を作成することが行政書士法違反となる点が明確化されています(詳しくは登録支援機関は書類作成できない?2026年施行の改正行政書士法で変わったこと)。人材紹介会社や登録支援機関が「申請まで無料で対応」とうたっている場合は、誰が書類を作成するのかを確認しておきましょう。

6.人材紹介会社が登録支援機関になるには

人材紹介会社が、紹介だけでなく入社後の支援まで担う場合は、登録支援機関の登録を受ける必要があります。

  • ・支援責任者と支援担当者を選任するなど、支援計画の全部を実施できる体制があること
  • ・法令違反などの欠格事由に該当しないこと
  • ・登録の有効期間は5年(更新手続きが必要)、手数料は新規28,400円・更新11,100円

また、2027年(令和9年)4月1日からは支援体制の要件が見直され、支援責任者への養成講習の受講義務化、支援責任者等1名あたりの支援人数(50人未満)や受託できる受入れ機関数(10機関未満)の上限などが設けられます。これから登録を検討する場合は、改正後の要件も踏まえて体制を整えましょう。

7.よくある質問

▼ Q. 国内の特定技能外国人の転職をあっせんする場合も許可は必要ですか?

A. 必要です。国内での転職であっても、求人企業と外国人の雇用契約の成立をあっせんする行為は職業紹介にあたるため、職業紹介事業の許可等が必要です。

▼ Q. 登録支援機関が紹介料を受け取って企業に外国人を紹介できますか?

A. 登録支援機関の登録だけではできません。紹介を行う場合は、別途職業紹介事業の許可等が必要です。

▼ Q. 特定技能外国人を派遣で受け入れることはできますか?

A. 派遣形態が認められているのは農業と漁業の2分野のみです。それ以外の分野は、受入れ企業による直接雇用が必要です。

8.まとめ

特定技能の人材紹介には職業紹介事業の許可等が必要で、登録支援機関の登録や監理団体の許可とは別の手続きです。海外から紹介する場合は、相手国の手続きや取次機関の要件、保証金・違約金の禁止といったルールも守る必要があります。

受入れ企業としては、紹介会社の許可を公式サイトで確認し、費用の内訳、入社後の支援体制、在留申請の書類作成を誰が行うかまで確認しておくことが大切です。

参考:厚生労働省「特定技能の在留資格に関して職業紹介を行うためには、職業紹介の許可などが必要です」/出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点(令和9年4月1日から施行)」


Climb・CTCのサポートについて

行政書士法人Climbおよびグループの株式会社CTCは、職業紹介事業の許可を持っていないため、人材紹介(外国人のあっせん)は行っていません。採用が決まった後の在留資格申請、登録支援機関の登録申請、入社後の支援をサポートしています。

特定技能に関するご質問はClimbへ
電話・問合せフォームからお気軽にご連絡ください!

ご相談・お問合せはこちらからどうぞ

9:00~19:00(土日祝除く)

365日24時間受付中

無料相談・お問い合わせ

quick
PAGE TOP