目次
技能実習2号とは?
外国人の技能実習生には、「技能実習1号」、「技能実習2号」という区分があります。
「技能実習1号」は、技能実習を目的とする外国人に入国初年度に付与される在留資格であり、「技能実習2号」とは、「技能実習1号」での在留期間に得たノウハウや技術をさらに習熟させるために与えられる在留資格です。
技能実習の1年目は「技能実習1号」となり、技能実習生の受け入れ方式には「企業単独型」技能実習第1号イと「団体監理型」技能実習第1号ロの2種類があります。
2年目、3年目は「技能実習2号」に移行することが可能で、企業単独型であれば「技能実習2号イ」、団体監理型は「技能実習2号ロ」となります。
「外国人技能実習2号」への意向の要件とは?
技能実習2号への移行要件は実習の成果を受けていること、移行可能な職種に該当していることなどが挙げられます。
実習の成果を受けていること
技能実習2号へ移行するためには、
① 一定の技術、技能などのレベルに達していること
② 適正な技能実習が計画されていること
③ 適切な実習が行われていること
以上の①~③が必要です。
実習成果の評価 |
一定の技術、技能などのレベルに達していること |
技能実習計画の評価 |
適正な技能実習が計画されていること |
在留状況の評価 |
適切な実習が行われていること |
同一の機関・技能において、技能実習2号の実習を行うこと
技能実習2号に移行するためには、技能実習1号と同一の機関で実習が行われている必要があります。
また、技能実習が終了した後に本国へ帰国できることが担保されている、帰国後に日本の技能実習で学んだ技能を活かせる職種に就くことが予定されている必要があります。
技能実習2号に移行可能な職種であること
農業関係(2職種6作業) |
耕種農業(施設園芸) |
耕種農業(畑作・野菜) |
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耕種農業(果樹) |
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畜産農業(養豚) |
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畜産農業(養鶏) |
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畜産農業(酪農) |
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漁業関係(2職種9作業) |
漁船漁業(かつお一本釣り漁業) |
漁船漁業(延縄漁業) |
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漁船漁業(いか釣り漁業) |
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漁船漁業(まき網漁業) |
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漁船漁業(ひき網漁業) |
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漁船漁業(刺し網漁業) |
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漁船漁業(定置網漁業) |
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漁船漁業(かに・えびかご漁業) |
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養殖業(ほたてがい・まがき養殖作業) ①ほたてがい養殖作業 ②まがき養殖作業 |
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建設関係(22職種33作業) |
さく井(パーカッション式さく井工事作業) |
さく井(ロータリー式さく井工事作業) |
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建築板金(ダクト板金作業) |
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建築板金(内外装板金作業) |
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冷凍空気調和機器施工(冷凍空気調和機器施工作業) |
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建具製作(木製建具手加工作業) |
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建築大工(大工工事作業) |
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型枠施工(型枠工事作業) |
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鉄筋施工(鉄筋組立て作業) |
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とび(とび作業) |
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石材施工(石材加工作業) |
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石材施工(石張り作業) |
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タイル張り(タイル張り作業) |
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かわらぶき(かわらぶき作業) |
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左官(左官作業) |
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配管(建築配管作業) |
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配管(プラント配管作業) |
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熱絶縁施工(保温保冷工事作業) |
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内装仕上げ施工(プラスチック系床仕上げ工事作業) |
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内装仕上げ施工(カーペット系床仕上げ工事作業) |
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内装仕上げ施工(鋼製下地工事作業) |
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内装仕上げ施工(ボード仕上げ工事作業) |
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内装仕上げ施工(カーテン工事作業) |
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サッシ施工(ビル用サッシ施工作業) |
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防水施工(シーリング防水工事作業) |
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コンクリート圧送施工(コンクリート圧送工事作業) |
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ウェルポイント施工(ウェルポイント工事作業) |
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表装(壁装作業) |
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建設機械施工(押土・整地作業) |
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建設機械施工(積込み作業) |
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建設機械施工(掘削作業) |
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建設機械施工(締固め作業) |
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築炉(築炉作業) |
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食品製造関係(11職種16作業) |
缶詰巻締(缶詰巻締) |
食鳥処理加工業(食鳥処理加工作業) |
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加熱性水産加工食品製造業(節類製造) |
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加熱性水産加工食品製造業(加熱乾製品製造) |
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加熱性水産加工食品製造業(調味加工品製造) |
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加熱性水産加工食品製造業(くん製品製造) |
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非加熱性水産加工食品製造業(塩蔵品製造) |
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非加熱性水産加工食品製造業(乾製品製造) |
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非加熱性水産加工食品製造業(発酵食品製造) |
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水産練り製品製造(かまぼこ製品製造作業) |
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牛豚食肉処理加工業(牛豚部分肉製造作業) |
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ハム・ソーセージ・ベーコン製造(ハム・ソーセージ・ベーコン製造作業) |
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パン製造(パン製造作業) |
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そう菜製造業(そう菜加工作業) |
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農産物漬物製造業(農産物漬物製造) |
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医療・福祉施設給食製造(医療・福祉施設給食製造) |
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繊維・衣服関係(13職種22作業) |
紡績運転(前紡工程作業) |
紡績運転(精紡工程作業) |
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紡績運転(巻糸工程作業) |
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紡績運転(合ねん糸工程作業) |
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織布運転(準備工程作業) |
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織布運転(製織工程作業) |
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織布運転(仕上工程作業) |
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染色(糸浸染作業) |
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染色(織物・ニット浸染作業) |
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ニット製品製造(靴下製造作業) |
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ニット製品製造(丸編みニット製造作業) |
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たて編ニット生地製造(たて編ニット生地製造作業) |
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婦人子供服製造(婦人子供既製服縫製作業) |
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紳士服製造(紳士既製服製造作業) |
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下着類製造(下着類製造作業) |
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寝具製作(寝具製作作業) |
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カーペット製造(織じゅうたん製造作業) |
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カーペット製造(タフテッドカーペット製造作業) |
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カーペット製造(ニードルパンチカーペット製造作業) |
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帆布製品製造(帆布製品製造作業) |
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布はく縫製(ワイシャツ製造作業) |
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座席シート縫製(自動車シート縫製作業) |
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機械・金属関係(15職種29作業) |
鋳造(鋳鉄鋳物鋳造作業) |
鋳造(非鉄金属鋳物鋳造作業) |
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鍛造(ハンマ型鍛造作業) |
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鍛造(プレス型鍛造作業) |
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ダイカスト(ホットチャンバダイカスト作業) |
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ダイカスト(コールドチャンバダイカスト作業) |
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機械加工(普通旋盤作業) |
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機械加工(フライス盤作業) |
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機械加工(数値制御旋盤作業) |
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機械加工(マシニングセンタ作業) |
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金属プレス加工(金属プレス作業) |
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鉄工(構造物鉄工作業) |
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工場板金(機械板金作業) |
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めっき(電気めっき作業) |
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めっき(溶融亜鉛めっき作業) |
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アルミニウム陽極酸化処理(陽極酸化処理作業) |
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仕上げ(治工具仕上げ作業) |
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仕上げ(金型仕上げ作業) |
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仕上げ(機械組立仕上げ作業) |
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機械検査(機械検査作業) |
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機械保全(機械系保全作業) |
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電子機器組立て(電子機器組立て作業) |
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電気機器組立て(回転電機組立て作業) |
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電気機器組立て(変圧器組立て作業) |
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電気機器組立て(配電盤・制御盤組立て作業) |
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電気機器組立て(開閉制御器具組立て作業) |
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電気機器組立て(回転電機巻線製作作業) |
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プリント配線板製造(プリント配線板設計作業) |
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プリント配線板製造(プリント配線板製造作業) |
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その他(16職種28作業) |
家具製作(家具手加工作業) |
印刷(オフセット印刷作業) |
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製本(製本作業) |
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プラスチック成形(圧縮成形作業) |
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プラスチック成形(射出成形作業) |
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プラスチック成形(インフレーション成形作業) |
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プラスチック成形(ブロー成形作業) |
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強化プラスチック成形(手積み積層成形作業) |
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塗装(建築塗装作業) |
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塗装(金属塗装作業) |
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塗装(鋼橋塗装作業) |
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塗装(噴霧塗装作業) |
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溶接(手溶接) |
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溶接(半自動溶接) |
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工業包装(工業包装作業) |
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紙器・段ボール箱製造(印刷箱打抜き作業) |
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紙器・段ボール箱製造(印刷箱製箱作業) |
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紙器・段ボール箱製造(貼箱製造作業) |
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紙器・段ボール箱製造(段ボール箱製造作業) |
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陶磁器工業製品製造(機械ろくろ成形作業) |
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陶磁器工業製品製造(圧力鋳込み成形作業) |
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陶磁器工業製品製造(パッド印刷作業) |
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自動車整備(自動車整備作業) |
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ビルクリーニング(ビルクリーニング作業) |
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介護(介護) |
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リネンサプライ(リネンサプライ仕上げ) |
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コンクリート製品製造(コンクリート製品製造作業) |
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宿泊(接客・衛生管理) |
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規則別表第二第八号の法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める職種及び作業(1職種3作業) |
空港グランドハンドリング(航空機地上支援作業) |
空港グランドハンドリング(航空貨物取扱作業) |
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空港グランドハンドリング(客室清掃作業) |
技能実習2号の開始までの流れの全体像を解説
ここでは団体監理型技能実習として、技能実習2号の全体像を解説します。
(厚生労働省 技能実習制度 運用要領・第4章 技能実習法による新たな技能実習制度の概要)
① 受験
■技能実習2号へ移行して、第2号技能実習を行うためには、第1号技能実習で設定した目標(基礎級の技能検定又はこれに相当する技能実習評価試験の合格)の達成が必要となります。
■技能実習2号への移行を希望する技能実習生1号は、技能実習1号期間が終了する5ヶ月前までにJITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)の地方駐在事務所に受験申請事前情報を提出する必要があります。
そして、実習期間が終了する4ヶ月前までに、JITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)の地方駐在事務所に対し、氏名、性別、出身国、修得を希望する技能等の種類、技能実習2号への移行のための資格、その他必要な事項を明らかにして修得技能等の評価を受けることを申請することになります。
② 技能実習計画の認定申請
技能実習2号への移行へ向けての認定申請は、技能実習開始予定日の6か月前から可能です。
技能実習2号の技能実習計画の認定申請は、原則として実習開始予定日の3か月前までに申請を行うことが必要です。
認定申請は、機構の地方事務所・支所の認定課で受け付けています。
技能実習計画の審査・認定の手続きとは?
申請された技能実習計画については、技能実習法に基づく基準に照らして審査が行われます。
1.技能実習の区分
受入れ形態 |
技能実習の区分 |
企業単独型 |
B(第2号企業単独型技能実習) |
団体監理型 |
E(第2号団体監理型技能実習) |
2.外国人技能実習機構への提出書類
・技能実習2号の場合も、確認対象となる書類は
・技能実習計画認定申請書
・理由書
・申請者の概要書
・法人であれば登記事項証明書
・個人事業主であれば住民票の写し
等が必要となります。
必要書類の概要は下記の通りです。
① 申請者が法人の場合:申請者の登記事項証明書、直近の二事業年度に係る、決算書(損益計算書など)、役員の住民票の写し
法人でない場合:申請者の住民票の写し及び納税申告書の写し
② 申請者の概要書
③ 技能実習生に技能実習を行わせることに係る申請者の誓約書
④ 技能実習生の旅券その他の身分を証する書類の写し及び履歴書
⑤ 技能実習責任者の履歴書並びに就任承諾書及び技能実習に係る誓約書の写し
⑥ 技能実習指導員の履歴書並びに就任承諾書及び技能実習に係る誓約書の写し
⑦ 生活指導員の履歴書並びに就任承諾書及び技能実習に係る誓約書の写し
⑧ 企業単独型技能実習の場合は、申請者と企業単独型技能実習生が本国において所属する機関の関係を明らかにする書類
及び当該機関が作成した企業単独型技能実習生の派遣に係る証明書
⑨ 外国の準備機関がある場合にあっては、当該外国の準備機関の概要書及び誓約書
⑩ 技能実習生との間で締結した雇用契約の契約書及び雇用条件書の写し
⑪ 技能実習生に対する報酬の額が、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることを説明する書類
⑫ 企業単独型技能実習の場合には申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、
宿泊施設が適正であることを確認したことを明らかにする書類
⑬ 食費、居住費その他名目のいかんを問わず技能実習生が定期に負担する費用の内訳
及び当該費用が適正であることを説明する書類
⑭ 企業単独型技能実習の場合は申請者等が、技能実習中の待遇について技能実習生に説明し、
かつ、技能実習生がこれを十分に理解したことを証明する書類
⑮ 開発途上地域等への技能等の移転による国際協力の推進という技能実習の制度の趣旨を理解したこと等を明らかにする技能実習生の作成に係る書類
⑯ 技能実習を行わせる理由を記載した書類
⑰ 認定を受けている技能実習計画に係る技能実習生の名簿
⑱ その他必要と認められる書類
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000622693.pdf
(厚生労働省 技能実習制度 運用要領・第4章 41ページ「技能実習計画の認定」)
認定通知書の交付
外国人技能実習機構が認定の決定をした場合は、通知書が交付されます。
不認定の決定がされた場合も同様に通知書が交付されます。
そして、第2号技能実習のために、技能実習生が引き続き在留するためには、在留資格を変更しなければなりません。
技能実習計画の認定通知書は在留資格変更許可申請に必要となります。
在留資格認定証明書交付申請 |
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対象者 |
現に有する在留資格の変更を受けようとする外国人(永住者の在留資格への変更を希望する場合を除く。) |
申請者 |
1 申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人) |
申請期間 |
在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前 |
必要書類 |
技能実習生1号本人の書類 ・在留資格変更許可申請書 ・旅券の写し、在留カード(外国人登録証明書の写し) ・監理団体・実習実施機関に関する書類 ・技能実習2号実施計画書の写し ・技能実習生派遣状の写し ・送り出し機関と外国人との間で締結された契約書の写し(合同書) ・雇用契約書の写し ・雇用条件書の写し(労働条件通知書の写し) ・技能実習指導員履歴書の写し ・検定合格証明書の写し ・技能実習・生活状況等報告書 ・年間の収入及び納税額に関する証明書 ・現在受けれいている技能実習生名簿(実習実施機関) ・現在受け入れている技能実習生名簿(監理団体) ・実習実施機関名簿の写し ・申請人名簿(技能実習2号及び再入国ほか) |
(法務省 在留資格認定証明書交付申請)
在留資格の変更許可
地方出入国在留管理局から在留資格変更の許可がされた後に、第2号技能実習生として引き続き日本国内に在留することができます。
なお、変更許可後の2週間以内にJITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)の地方駐在事務所に技能実習移行報告書を提出しなければなりません。
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技能実習1号から2号への移行手続きは、煩雑な手続きが必要となります。
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