この記事の結論
- ・古物商は、営業所ごとに、業務を適正に実施するための責任者として管理者1人を選任しなければなりません(古物営業法13条1項)。
- ・未成年者、法4条1号〜7号に当たる者、心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者は、管理者になれません(法13条2項)。
- ・警察庁の解釈運用基準では、管理者は営業所に常勤して業務に従事し得る状態にあることとされ、近接する複数の営業所の兼任が認められる場合も示されています。
- ・警視庁では、古物商・古物市場主を対象とした法令講習会を毎年開催しています。
管理者とは
古物営業法13条1項は、「古物商又は古物市場主は、営業所又は古物市場ごとに、当該営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人を選任しなければならない。」と定めています。
警察庁の解釈運用基準では、管理者は営業所等における業務を統括管理して下位の従業者等を指揮監督し、古物営業関係法令を遵守させて業務を適正に実施させ得る者でなくてはならず、従業者等を実質的に指揮監督する職にある者でなければならないとされています。また、古物商自らが営業所の業務を実質的に統括管理できる場合は、自らを管理者として選任することも許容されるとされています(第12の1(1))。
営業所ごとの選任と兼任
解釈運用基準では、管理者は「営業所又は古物市場ごとに」選任しなければならないことから、それぞれの営業所等に常勤して管理者の業務に従事し得る状態になければならないとされています。ただし、複数の営業所等が近接しており、双方を実質的に統括管理でき、管理者の業務を適正に行い得る場合は、同一人が複数の営業所等の管理者を兼任することも許容されるとされています(第12の1(2))。個別の事情で兼任できるかどうかは、警察署に確認してください。
管理者になれない人
| 号 | 管理者になれない人(法13条2項) |
|---|---|
| 1号 | 未成年者 |
| 2号 | 法4条1号から7号までのいずれかに該当する者(破産して復権を得ない者、拘禁刑以上の刑などの執行を終えるなどしてから5年を経過しない者、住居の定まらない者など) |
| 3号 | 心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの(施行規則13条の3:精神機能の障害により、管理者の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者) |
法4条の各号の内容は、欠格事由を扱った記事で解説しています。
管理者に得させるよう努める知識
古物商は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければなりません(法13条3項)。
施行規則14条は、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所の管理者について、不正品の疑いがある車両の車体、車台番号打刻部分等における改造等の有無などを判定するために必要とされる知識、技術又は経験で、その業務に3年以上従事した者が通常有し、一般社団法人又は一般財団法人その他の団体が行う講習の受講その他の方法により得ることができるものと定めています。
解釈運用基準では、必ずしも現実に3年間従事しなければ得られないものではないが、少なくとも客観的にそれと同程度と認められるものでなければならないとされています(第12の2)。
管理者の解任の勧告
公安委員会は、管理者がその職務に関し法令の規定に違反した場合において、その情状により管理者として不適当であると認めたときは、古物商に対し、当該管理者の解任を勧告することができます(法13条4項)。解釈運用基準では、この勧告は行政処分ではなく、従うか否かは古物商の自主的判断に委ねられるものとされています(第12の3)。
管理者が変わったとき
管理者の氏名・住所は許可申請書の記載事項です(法5条1項4号)。管理者が変わったときは、変更の日から14日以内(登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内)に変更の届出をします(法7条2項、施行規則5条6項)。必要な書類は、警視庁の書換申請・変更届出の案内で確認してください。
警視庁の法令講習会
警視庁の案内では、警視庁、東京古物商防犯連盟、各警察署の古物商防犯協力会等が、新たに古物商・古物市場主の許可を取得した方と、既に許可を持っている方を対象に、法令講習会を毎年開催しています。
- ・新たに許可を取得した方:許可証の交付時に警察署の担当者から案内があります
- ・既に許可を持っている方:開催日の概ね1か月前に、営業所等を管轄する警察署から案内状が郵送されます
- ・定員に達した場合は受講できないことがあります
受講が義務かどうか、費用、講習の内容は、確認した警視庁の案内には記載がありません。警察署に確認してください。
よくある質問
- 代表者(個人事業主本人)が管理者を兼ねられますか?
- 解釈運用基準では、古物商自らが営業所の業務を実質的に統括管理できる場合は、自らを管理者として選任することも許容されるとされています。
- 1人で2つの店舗の管理者になれますか?
- 解釈運用基準では、複数の営業所が近接しており、双方を実質的に統括管理でき、管理者の業務を適正に行い得る場合は兼任も許容されるとされています。個別の判断は警察署に確認してください。
- 法令講習会の受講は義務ですか?
- 確認した警視庁の案内には、義務かどうかの記載がありません。警察署に確認してください。
- 管理者が退職したら、どうすればよいですか?
- 新しい管理者を選任し、変更の日から14日以内(登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内)に変更の届出をします(法7条2項、施行規則5条6項)。
関連記事:古物商許可の欠格事由/申告義務と品触れ
出典
- ・古物営業法 第4条・第5条・第7条・第13条(e-Gov法令検索)
- ・古物営業法施行規則 第5条・第13条の3・第14条(e-Gov法令検索)
- ・警察庁 古物営業法等の解釈運用基準(令和8年5月14日 丙生企発第51号)
- ・警視庁 古物営業許可関係の法令講習会について
- ・警視庁 書換申請・変更届出
確認日:2026年10月10日。手続の細部は変わることがあります。最新の取扱いは申請先の警察署に確認してください。
【運営者】古物商NAVI(運営:行政書士法人Climb)
- ・所在地:〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1丁目17-16 スタープラザ高田馬場8F
- ・電話:03-5937-6960(平日9時〜19時、土日祝定休)
- ・代表社員:森山 敬(行政書士/東京都行政書士会 新宿支部所属)
- ・アクセス:高田馬場駅から、JR・西武新宿線は徒歩5分、東京メトロ東西線は徒歩1分