この記事の結論
- ・古物商は、古物を買い受け、交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、その古物に不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに警察官に申告しなければなりません(古物営業法15条3項)。
- ・警察本部長等は、盗品等の品触れを書面で発することができます。品触れを受けた古物商は、書面に到達の日付を記載して6月間保存します(法19条1項・2項)。
- ・品触れを受けた日にその古物を所持していたとき、又は保存期間内に品触れに相当する古物を受け取ったときは、直ちに警察官に届け出なければなりません(法19条3項)。
- ・盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合、警察本部長等は30日以内の期間を定めて古物の保管を命ずることができます(法21条)。
不正品の疑いがあるときの申告
古物営業法15条3項は、「古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。」と定めています。
警察庁の解釈運用基準では、「不正品」とは犯罪構成要件に該当する行為によって領得された物であり、刑法上の財産犯の被害に遭った「盗品等」よりも広い概念であるとされています。古物商にとっては、受け取った古物が何らかの犯罪によって領得された物である疑念を持っても、それが刑法上の財産犯であるか否かは必ずしも明らかではないため、「不正品」について申告義務を課しているものとされています(第14の5)。
また、解釈運用基準では、正当な理由なく数回に分けて古物を売却することを希望する相手方については、その者が持ち込んだ物品について、警察官に対する申告義務が生じる場合があるとされています(第14の4(1))。
品触れとは
警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長(警察本部長等)は、必要があると認めるときは、古物商又は古物市場主に対して、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物(盗品等)の品触れを書面により発することができます(法19条1項)。解釈運用基準では、ここでいう「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によつて領得された物」とは、刑法第2編第36章から第39章までの犯罪の構成要件に該当する行為によって領得された物を指すとされています(第16の1)。
| 場面 | 古物商・古物市場主がすること |
|---|---|
| 品触れを受けたとき | 品触れに係る書面に到達の日付を記載し、その日から6月間保存する(法19条2項) |
| 品触れを受けた日にその古物を所持していたとき、又は6月の期間内に品触れに相当する古物を受け取ったとき(古物商) | その旨を直ちに警察官に届け出る(法19条3項) |
| 6月の期間内に、品触れに相当する古物が取引のため古物市場に出たとき(古物市場主) | その旨を直ちに警察官に届け出る(法19条4項) |
情報通信技術を活用した方法で行われた品触れについては、到達の日付を記載することを要しないとされています(法19条2項ただし書)。解釈運用基準では、この場合の「品触れを受けたとき」とは、品触れを受信したことを現実に了知したときをいうとされています(第16の2)。運用の詳細は、警察署に確認してください。
差止め(保管命令)
古物商が買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けた古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は、当該古物商に対し30日以内の期間を定めて、その古物の保管を命ずることができます(法21条)。
盗品・遺失物の回復
古物商が買い受け、又は交換した古物(指図証券、記名式所持人払証券及び無記名証券を除く)のうちに盗品又は遺失物があった場合は、古物商が公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合でも、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができます。ただし、盗難又は遺失の時から1年を経過した後は、この限りでないとされています(法20条)。
解釈運用基準では、ここでいう「盗品」とは窃盗又は強盗により占有を奪われたものであり、詐欺、恐喝、横領の罪によって領得又は横領されたものは含まれないとされています(第17の2)。
義務に違反した場合
| 違反 | 罰則 |
|---|---|
| 品触れに関する届出(法19条3項・4項)に違反 | 6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(法33条1号) |
| 品触れの書面に到達の日付を記載せず、若しくは虚偽の日付を記載し、又は保存しなかった(法19条2項) | 6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(法33条4号) |
| 差止め(法21条)の命令に違反 | 6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(法33条5号) |
| 過失により法19条3項又は4項に違反 | 拘留又は科料(法37条) |
表は条文を整理したものです。正確な要件は条文で確認してください。
よくある質問
- 申告はどこにすればよいですか?
- 法15条3項・19条3項の条文では「警察官」に申告・届出をすることとされています。具体的な連絡先は、営業所を管轄する警察署に確認してください。
- 「不正品」と「盗品等」は同じですか?
- 解釈運用基準では、「不正品」は犯罪構成要件に該当する行為によって領得された物で、刑法上の財産犯の被害に遭った「盗品等」より広い概念であるとされています。
- 品触れの書面はいつまで保存しますか?
- 到達の日付を記載し、その日から6月間保存します(法19条2項)。
- 買い取った古物が盗品だった場合、どうなりますか?
- 法20条は、被害者又は遺失主が古物商に対して無償で回復を求めることができると定めています(盗難又は遺失の時から1年以内)。個別の事案の扱いは警察署に確認してください。
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出典
確認日:2026年10月10日。手続の細部は変わることがあります。最新の取扱いは申請先の警察署に確認してください。
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