【2023年12月1日〜】補完的保護対象者認定制度が創設されました
令和5年改正入管法により、難民条約上の難民には当たらないものの、難民に準じて保護すべき方を「補完的保護対象者」として認定する制度が新設され、認定されると「定住者」の在留資格が許可されます。難民認定申請をすると、難民該当性とあわせて補完的保護対象者に当たるかどうかも判断されます。
また2024年6月10日から、3回目以降の難民認定申請者等について送還停止効の例外が設けられています。詳しくは難民認定申請のページをご覧ください。
日本と難民問題
難民である旨の個人的な事情やその背景を立証するということはハードルが高く、本来の目的である「救う」ということから、かけ離れて行くという現状は拭えません。
UNHCRが2026年6月に公表した「グローバル・トレンズ・レポート 2025」によると、2025年12月末時点で紛争や迫害により故郷を追われた人は世界で1億1,780万人にのぼり、世界の70人に1人以上が避難を強いられている計算になります。
出入国在留管理庁によると、令和7年の難民認定数は187人でした。これに加えて補完的保護対象者474人、人道的配慮による在留許可525人が在留を認められています。
絶望的なこの数字に、日本の難民への寛容度の低さを知ることになります。
日本での難民申請期間は、平均3か月、長くて10年。
その間、申請者に対する政府からの特別な支援はなく、難民申請6か月後からは就労許可制度が設けられていますが、偽装難民申請者による法の抜け道を荒らす要因となり、トラブルが多発しています。
日本は難民条約に加入しているので、難民の受け入れを行っていますが、ドイツ、カナダ、アメリカなど他の先進国に比べるとその認定率は著しく低く、受け入れ国としての厳しさが露出しているのがわかります。
この認定率の低さの理由のひとつは、難民認定制度にある「難民」の定義や「迫害」の解釈が明確でないこと。
同一の条約に対して各国によっても判断が異なり、定義や解釈の違いで、同じ案件でも許可/不許可という結果をもたらしています。
また、2010年に難民申請者に対する就労許可が発令されたことにより、難民以外の出稼ぎ労働を目的とする人が急増し、そのことに対しての偽装申請防止のため、さらに審査基準が厳しくなっています。
申請手続きにおいては、難民側の主張は正しく証明することを求められ、難民受け入れによって、生じる可能性のある治安悪化や社会的リスクを見据えた判断がなされ、出入国在留管理局で法律上の管理下、本来の「救う」という目的とは外れてきているのが現状です。
難民を受け入れることで生じるリスク、難民に対する政治的受け入れ態勢、また日本国民の理解力など、様々な問題が、紛争や迫害で行き場をなくし絶望した人々を路頭に迷わせています。
政治、宗教、民族、歴史、など複雑な事情が絡み合った難民問題には、政治的判断以外に、私たちひとりひとりが、模索でもいい、結論がわからなくてもいい、何だろう?どうしてだろう?と関心を持って学んで行くことも重要な課題のひとつであると言えます。