特定技能の在留資格を使ったベトナム人の受入れに知っておきたい基礎知識

ベトナム

「特定技能でベトナムから人材を受け入れるには?」

「国内からでも、採用できる?」

2019年4月に新たに創設された在留資格「特定技能」。
ベトナムは、日本が主要受け入れ国としている国の一つです。
特定技能の創設前から技能実習生を含む多くのベトナム人が日本に滞在しており、特定技能への多くの移行が予想されておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、3年間の実習期間を終えた技能実習生が最長2年間延長できる在留資格「技能実習3号」を取得するケースも多く見られます。

在留ベトナム人の現状を紹介するとともに、特定技能を利用してベトナム人を雇用するために、知っておくべき基本情報をご紹介します

 

日本に滞在するベトナム人を取り巻く現状と取得している在留資格の種類

2020年6月時点で、日本に滞在するベトナム人の数は42万人に上ります。
その半数以上が技能実習生として滞在しています。

取得する人数が多い在留資格の種類は以下の通りです。

【ベトナム人の取得数の多い在留資格の種類】

在留資格の種類 人数 ベトナム人総数に占める割合
技能実習(1号~3号 合計) 219,501人 52.2%
留学 65,818人 15.7%
技術・人文知識・国際業務 58,471人 13.9%
家族滞在 23,528人 5.6%

<参考:e-Stat在留外国人統計 2020年6月「国籍・地域別 在留資格(在留目的)別 在留外国人」>

1番多い在留資格は、全体の半数を超える技能実習です。
2番目の留学とあわせて、総人数の7割近くを占めます。

特定技能は学歴・職歴不問の在留資格です。
日本語・技能評価試験の合格が一番のポイントで、それをパスすれば雇用契約を結んだ外国人は基本的に申請できます。

技能実習2号を修了した外国人が、日本語・技能評価試験免除で特定技能に移行できる特例もあります。
今後も、既存の就労可能な在留資格を取得していた層からの移行が予想されます

 

特定技能の在留資格(ビザ)でベトナム人を受け入れる3つのメリット

現時点で、22万人弱のベトナム人が技能実習生として滞在しています。
それ以外で、専門職に適用される技術・人文知識・国際業務の在留資格でも6万人近くが就労しています。

こうした在留資格と比較して、特定技能を利用するメリットを3つご紹介します

 

申請条件が緩和され、就労可能な在留資格をとりやすくなった

特定技能の在留資格の特徴は、申請条件が緩和されていることです。
学歴と職歴を求められないため、多くの外国人に取得のチャンスがあります。
とくに特定技能は勤務時間の上限がなく、フルタイムを対象とした在留資格です。
そのため、留学・家族滞在でアルバイトやパートタイムスタッフとして働いていた外国人にとって、特定技能は正社員への足掛かりになります

 

外食宿泊、これまでの技能実習制度にはない産業分野で雇用が可能に

特定技能では、利用できる産業分野が定められています。
外国人を受け入れる企業・団体が、以下の分野に属している業態でなければいけません。
これには、技能実習にはなかった外食業宿泊の分野も認められています。
こうした業界では、外国人を雇用しやすくなり人手不足解消に役立ちます

特定技能の対象14分野
1.介護
2.ビルクリーニング
3.素形材産業
4.産業機械製造業
5.電気・電子情報関連産業
6.建設
7.造船・船用工業
8.自動車整備
9.航空
10.宿泊
11.農業
12.漁業
13.飲食料品製造業
14.外食業

 

農業・漁業では派遣就労も可能 より柔軟な雇用形態に

特定技能は、受け入れ機関である企業と外国人の直接契約が基本です。
しかし、農業・漁業の分野では例外として派遣の就労形態も認められます。
これは、この2つの分野が繁忙期によって必要な労働需要が著しく変化するためです。
ただし、人材派遣元もこれらの業界に属している必要があります。


JITCO(国際研修協力機構)のデータ(2016年)によれば、農業分野でベトナム人の受入れ人数(技能実習2号)が多いのは下記の通りです。

・熊本県(448人)
・茨城(447人)
・北海道(323人)

都道府県別・国籍別・職種分野別技能実習2号移行申請者の状況

その後の農林水産省のデータ(2020年7月29日)によると、特定技能・農業分野で上記3都道府県のベトナム人の受入れ人数は下記の通りです。

・熊本県(8人)
・茨城(26人)
・北海道(55人)

上記以外に受入れ人数が多い県
・千葉(29人)
・栃木(21人)

全都道府県合計:257人

農林水産省「農業分野における特定技能での受入状況」

 

ベトナム人が特定技能を取得するための条件は?日本語レベルと技能試験

特定技能の在留資格を取得するには、日本語能力試験と技能評価試験の両方に合格する必要があります。
求められる日本語のレベルと、技能評価試験について解説します

vietnam

求められる日本語レベルは日常会話ができ生活に支障のない程度

特定技能で規定されている日本語能力試験は、以下の2つです。

国内:「日本語能力試験」N4以上
国外:「日本語能力試験」N4以上 または 「国際交流基金日本語基礎テスト」

外国人雇用で気になるのは、採用する本人の日本語レベルです。
上記の試験の合格目安になるのは、いずれも「日常会話レベル」と規定されています。
ベトナムでも実施される「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」は、「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」及び「JF日本語教育スタンダード(JFスタンダード)」に基づく「A2レベル」を目安としています

【A2レベルの目安】
■ ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
■ 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
■ 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる

ベトナム現地から人材を受け入れる際は、雇用後に日本語のサポートが必要なケースも想定しておきましょう。

クリアするべき技能評価試験は業界別に実施

スキルを評価する技能評価試験は、分野別に実施されます。
詳細は管轄する省庁のウェブサイトをご確認ください

厚生労働省:①介護 ②ビルクリーニング
経済産業省:③素形材産業 ④産業機械製造業 ⑤電気・電子情報関連産業
国土交通省:⑥建設 ⑦造船・船用工業 ⑧自動車整備 ⑨航空 ⑩宿泊
農林水産省:⑪農業 ⑫漁業 ⑬飲料品製造業 ⑭外食業

 

ベトナムからの直接受入れに重要な二国間協定と現地送り出し機関の関係

特定技能において、政府は外国人受け入れの実績がある国と、順次二国間協定を結んでいます。
協定では、海外現地国の窓口を明確にするとともに、現地送り出し機関とのルールを定めています。

2019年4月時点では4か国と協力覚書を結んでいましたが、2021年5月時点では以下の13か国に増えています。
特定技能に関する二国間の協力覚書 <出入国在留管理庁より>

・フィリピン
・カンボジア
・ネパール
・ミャンマー
・モンゴル
・スリランカ
・インドネシア
・ベトナム
・バングラデシュ
・ウズベキスタン
・パキスタン
・タイ
・インド
(協力覚書公表順)

 

ベトナム国籍の人材を特定技能で採用する方法(ベトナム・日本国内)

2021年2月15日より、特定技能の在留資格認定証明書交付申請の際、推薦者表(特定技能外国人表)の提出が必要になりました。
※一部の在留資格変更許可申請の際も含む

ベトナムとの間の特定技能に係る協力覚書では、ベトナム側が同国の関連法令に従い必要な手続を経た者であることが分かる書類(推薦者表)を在留諸申請において日本側が確認することが規定されています

▼ベトナムから新たに受け入れる場合

「特定技能」在留資格認定証明書交付申請
あらかじめDOLAB(ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局)から推薦者表の承認を受けた上で、他の必要書類とともに地方出入国在留管理官署に提出する

【流れ】

①受入機関と送出機関との労働者提供契約の締結 <手続き:ベトナム側>
 受入機関は認定送出機関を通してDOLABに労働者提供契約の申請を行い承認を受ける

②雇用契約の締結
 認定送出機関は、①で締結した労働者提供契約に基づいた求人情報を基に人材を募集し、
 受入機関は、同送出機関から人材の紹介を受けて特定技能に係る雇用契約を締結する

③推薦者表(特定技能外国人表)の発行申請 <手続き:ベトナム側>
 申請者は認定送出機関を通してDOLABに推薦者表の承認を受ける

様式1
http://www.moj.go.jp/isa/content/001337359.pdf

④在留資格認定証明書の交付申請 <手続き:日本側>
 受入機関は、地方出入国在留管理官署に対し、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行う

⑤査証発給申請 <手続き:日本側>
 申請者は④で交付された在留資格認定証明書を在ベトナム日本国大使館に提示の上、特定技能に係る査証発給申請を行う

⑥特定技能外国人として入国・在留 <手続き:日本側>
 上記の手続を行った申請者は、日本到着時の上陸審査の結果、上陸条件に適合していると認められれば、上陸が許可され「特定技能」の在留資格が付与される

認定送出機関(ベトナム)
http://www.moj.go.jp/isa/content/930006286.pdf

▼日本に在留する方を受け入れる場合

「特定技能」在留資格変更許可申請
あらかじめ駐日ベトナム大使館から推薦者表の承認を受けた上で、他の必要書類とともに地方出入国在留管理官署に提出する

【流れ】

①雇用契約の締結
 申請人と受入機関との間で特定技能に係る雇用契約を締結する

②推薦者表(特定技能外国人表)の発行申請 <手続き:ベトナム側>
 申請人本人または受入機関、職業紹介事業者、登録支援機関が駐日ベトナム大使館において手続を行う

下記の書類を駐日ベトナム大使館労働管理部へ送付

・推薦者表(特定技能外国人表):様式2
・特定技能外国人表交付申請書(駐日ベトナム大使館労働管理部で入手する)
・パスポートの写し
・住民票の写し(最近3ヶ月以内に発行)
・返信用封筒(簡易書留代金分の切手貼付)

(在留資格:留学の場合のみ)
・卒業証明書または修了証書の写し
・技能試験の合格証明書の写しまたは合格を証明する書類

(在留資格:技能実習生の場合のみ)
・技能実習2号または3号の修了証明書の写しまたは修了を証明する書類

様式2
http://www.moj.go.jp/isa/content/001337360.pdf

③在留資格変更許可申請 <手続き:日本側>
 申請人が地方出入国在留管理官署に対し「特定技能」への在留資格変更許可申請を行う
 在留資格変更の許可をもって手続完了

▼推薦者表(特定技能外国人表)について

2021年4月12日以降、当面の間、日本に在留しているベトナム国籍の方からの在留資格変更許可申請については以下の通りです。

◎ 在留資格「技能実習」の方

 推薦者表の提出:必要

◎ 在留資格「留学」の方

・2年以上の課程を修了または修了見込みの方
 推薦者表の提出:必要

・2年未満の課程を修了または修了見込みの方
 推薦者表の提出:不要
 ※2年未満の課程を修了または修了見込みであることを証明する書類(卒業証明書等)の提出が必要

・在学中又は中途退学された方
 推薦者表の提出:不要
 ※在学することを証明する書類(在学証明書等)
  または在籍していたことを証明する書類(退学証明書等)の提出が必要

◎ 在留資格「技能実習」または「留学」以外の方

 推薦者表の提出:不要

 

技能実習2号の修了生は、試験免除で特定技能を申請できる

技能実習2号の修了生は、日本語・技能評価試験免除で特定技能の在留資格を申請できます。
ただし、特定技能で申請する分野と技能実習を修了した分野が関連していることが条件です。
たとえば、農業の分野で特定技能を申請する外国人は、「耕種農業」もしくは「畜産農業」の職種名で技能実習を修了していなければいけません。

【技能実習と特定技能の移行対象職種と分野の例

技能実習と特定技能の移行対象職種と分野

<出典:法務省 在留資格「特定技能」について>

 

【問い合わせ先】

駐日ベトナム社会主義共和国大使館 労働管理部
〒151-0062
東京都渋谷区元代々木町10-4 WACT代々木上原ビル2F
TEL:03-3466-4324
MAIL:vnlabor@vnembassy.jp(日本語対応可)

もっと詳しく知りたい方は

特定技能・ベトナムについて

ベトナム国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ

ベトナム特定技能外国人に係る手続の流れについて

<全て出入国在留管理庁HPより>

【まとめ】ベトナム人の技能実習生・留学生で特定技能の申請がこれから増える可能性

日本に住んでいるベトナム人の大半を占めるのは技能実習生と留学生です。
現在雇用している外国人が、特定技能の在留資格への切り替えを希望するかもしれません。
その際は、受け入れ機関である企業・団体に求められる要件を理解しましょう。

また、当該外国人が日本語能力試験と技能評価試験に合格しているかが、重要なポイントです。
特定技能について、「不安がある」「サポートがほしい」という場合は、ビザ取得サポートを専門に行う当事務所までご相談ください


【ベトナムの推薦者表書類作成 及び 申請:当事務所への依頼費用】

依頼内容 合計費用(消費税込)
特定技能とセット 5,500円
単体の場合 11,000円

 

 

特定技能申請なら行政書士法人Climbへ!

 

 

9:00~19:00(土日祝除く)

365日24時間受付中

無料相談・お問い合わせ

quick
PAGE TOP