【結論】30万円は法律が定める「上限」、実際に確定した手数料は20万円です
「永住許可の手数料が30万円になる」という情報と、「20万円になる」という情報の両方を見て、どちらが正しいのか分からず混乱している方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、どちらも間違いではありません。30万円と20万円は、それぞれ意味が異なる数字です。
【結論】30万円は上限、20万円が実際に確定した金額
- ・30万円:2026年5月に成立した改正入管難民法が定める「法律上の上限」
- ・20万円:2026年8月の閣議決定で確定した「実際に納める手数料の額」
法律は「最大30万円まで手数料を設定してよい」という枠を定めているだけで、その枠の中で政府が実際にいくらにするかは、政令で決めます。今回、政令で正式に決まった金額が20万円でした。
したがって、2026年10月1日から実際に適用されるのは20万円です。
【注意】30万円という枠自体は法律に残ります
今回の政令で決まったのは20万円ですが、法律上は30万円まで引き上げられる枠が設けられたままです。将来、政令の改正によってさらに引き上げられる可能性は残されていますので、今後の改定にもご注意ください。
法定上限は永住許可だけではありません
上限が設けられたのは永住許可だけではなく、在留資格の変更・在留期間の更新も対象です。実際に決まった額は、いずれも上限の枠内に収まっています。
| 許可の種類 | 法律上の上限 | 実際に決まった額 |
|---|---|---|
| 在留資格の変更許可 | 10万円 | 10,000〜75,000円 |
| 在留期間の更新許可 | 10万円 | 10,000〜75,000円 |
| 永住許可 | 30万円 | 200,000円 |
※変更・更新の実額は、許可される在留期間に応じた段階制です(窓口申請の場合。オンライン申請はこれより安く設定されています)。
条文で整理すると、次のようになります。
- ・法律(令和8年法律第32号)=手数料の上限額を定める(変更10万円・更新10万円・永住30万円)
- ・改正入管法施行令 第25条第1項=実際に納付する手数料の額を定める(永住20万円など)
- ・改正入管法施行令 第25条第2項=経済的困難などの事情がある方に対する減額・免除を定める
なぜ2つの数字が生まれたのか(時系列)
- ・2026年3月10日:改正法案が国会に提出(法定上限を永住30万円等とする内容)
- ・2026年5月29日:改正入管難民法が成立(第221回特別国会)
- ・2026年6月5日:改正法が公布(令和8年法律第32号)
- ・2026年7月3日:出入国在留管理庁が、具体的な金額を20万円とする政令案を公表(パブリックコメントは8月2日まで)
- ・2026年8月25日:政令が閣議決定され、20万円が正式に確定(※閣議決定日は報道による)
- ・2026年10月1日:施行
法律の成立(上限30万円が決まった段階)と、政令による具体額の確定(20万円に決まった段階)の間に約3か月の時間差があったため、その時々の情報がインターネット上に残り、混在している状態です。
「見込み」「政令案の段階」という情報を見かけたら
2026年8月より前に書かれた記事では、「20万円になる見込み」「政令案の段階」といった表現が使われていることがあります。
これはその時点では正確な情報でしたが、現在はすでに正式に確定した情報として扱う必要があります。手数料に関する情報を確認する際は、いつ書かれた記事かを必ずご確認ください。
在留資格の変更・更新の手数料はどうなるのか
今回の改定は永住許可だけでなく、在留資格の変更・在留期間の更新の手数料にも及びます。現行は窓口6,000円/オンライン5,500円ですが、10月1日以降は許可される在留期間に応じた段階制(窓口で10,000円〜75,000円)に変わります。
【重要】オンライン申請は収入印紙が使えなくなります
10月1日以降、在留申請オンラインシステムで受け付けた申請の手数料は、コンビニ決済または銀行決済による納付のみとなり、収入印紙による納付はできません。また、手数料のほかに別途決済手数料が必要です。窓口申請は従来どおり収入印紙で納付します。
金額の詳細は、以下の記事で在留期間ごとの一覧にまとめています。
※出典:出入国在留管理庁「令和8年入管法等改正法について」「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
制度の変更点が複雑で分かりにくいという方も多いかと思います。
行政書士法人Climbでは、最新の確定情報に基づいたご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。
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森山 敬(もりやま たかし)
行政書士法人Climb代表。創業時から国際業務であるビザ申請・帰化申請に特化。外国人のビザ申請件数は年間約1,000件、豊富な経験とノウハウに自信があります。入管業務についての知見をもとに、顧問として企業に対する外国人雇用のアドバイザリー業務も担当。