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建設業界の現状
建設業は、日本国内でも特に人手不足と高齢化が深刻な業界です。
国土交通省の統計によると、60歳以上の就業者が全体の約18%を占め、若年層の人材確保が急務となっています。
こうした背景から、外国人材の受け入れを目的とした特定技能制度が導入されました。
特定技能「建設」とは?
特定技能「建設」は、2019年4月に創設された特定技能14分野(現在は16分野)のうちの1つです。
技能実習が「母国への技能移転」を目的とするのに対し、特定技能は即戦力としての就労を目的としています。
特定技能「建設業」は、1号・2号の両方が認められている数少ない分野で、2023年には2号の対象業務が拡大されました。
区分 | 在留期間 | 更新期限 | 技能水準 | 家族帯同 | 日本語試験 |
---|---|---|---|---|---|
特定技能1号 | 4か月・6か月・1年(最長5年) | 最大5年まで | 相当程度の知識・経験 | 不可 | 必要 |
特定技能2号 | 6か月・1年・3年(上限なし) | 制限なし | 熟練技能 | 条件付きで可 | 不要 |
特定技能「建設」の職種と業務内容
2022年8月の制度改正で、従来の19区分は土木・建築・ライフライン・設備の3区分に再編されました。
土木区分
土木施設の新設・改築・修繕・維持管理に関わる業務。
- 主な職種:
- ・ 型枠施工
- ・ コンクリート圧送
- ・ トンネル推進工
- ・ 建設機械施工
- ・ 土工
- ・ 鉄筋施工
- ・ とび
- ・ 海洋土木工
建築区分
建築物の新築・増築・修繕・改装などの業務。
- 主な職種:
- ・ 型枠施工
- ・ 左官
- ・ 屋根ふき
- ・ 鉄筋施工・鉄筋継手
- ・ 内装仕上げ・表装
- ・ 建築大工
- ・ 建築板金
- ・ 吹付ウレタン断熱
ライフライン・設備区分
電気・通信・水道・ガスなどのインフラ整備業務。
- 主な職種:
- ・ 電気通信
- ・ 配管
- ・ 建築板金
- ・ 保温保冷
特定技能「建設」の取得方法
特定技能「建設業」を取得するには、次の条件を満たす必要があります。
- 1. 建設分野特定技能1号評価試験に合格
- 2. 日本語試験に合格(国際交流基金日本語基礎テストまたはJLPT N4以上)
- 3. または技能実習2号修了者は試験免除で移行可能(移行対象職種に限る)
建設分野特定技能1号評価試験の概要
試験内容
試験は学科試験(60分)と実技試験(40分)で構成されます。
- ・ 学科試験:安全知識・職種知識(真偽法・択一式)30問
- ・ 実技試験:工具や材料を使った作業試験(20問)
- ・ 合格基準:各試験で65%以上
受験資格
- ・ 満17歳以上の外国人
- ・ 合格後、日本国内で建設業務に従事する意思がある
- ・ 国内受験の場合は在留資格を保有していること
試験日程・会場
- ・ 毎月5〜7回程度開催(東京・大阪を中心に全国で実施)
- ・ 会場や日程は建設技能人材機構公式サイトで公開
受験料
- ・ 2,000円(現金払いのみ)
申込方法
- 1. 建設技能人材機構HPでマイページ登録
- 2. 専用アプリをスマートフォンにインストール
- 3. アプリから受験申込
試験申込から合格までの流れ
- 1. 公式サイトで申込 → 受験票発行
- 2. 学習用テキスト・過去問題で勉強
- 3. 学科・実技試験を受験
- 4. 合否発表 → 合格証送付
- 5. ビザ申請手続きへ
まとめ
建設分野特定技能1号評価試験は、日本の建設業で働くための重要なステップです。
試験は学科・実技ともに65%以上の得点が必要で、しっかりとした事前準備が合格の鍵となります。
最新の日程・会場情報は必ず公式サイトで確認し、効率的に学習を進めましょう。
この試験をクリアすれば、日本の建設業で幅広い職種に就くことが可能になります。