この記事の結論
- 日本人の養子になっても、それだけで日本国籍を取得することはありません(特別養子縁組も同じです)。
- 縁組の時に本国法で未成年で、引き続き1年以上日本に住所を有している場合は、住所と能力の条件が緩和された帰化を申請できます。
- 素行や生計などほかの条件と、2026年4月からの審査の運用は、申請先の法務局で確認してください。
帰化申請の要件と養子縁組
帰化申請のご相談でよく寄せられる質問の一つに、「日本人の養子になれば帰化できるのですか?」というものがあります。 日本人の養子になることで日本との結びつきが身分的に認められて帰化が許可されやすくなり、日本国籍を取得できると考える方がいるのかもしれません。
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外国人の方が日本人親と養子縁組をした場合に関係する帰化申請の要件としては、いわゆる住居要件(引き続き5年以上日本に住所を有すること/法務省の法務大臣閣議後記者会見〈令和8年3月27日〉では、原則として10年以上在留していることとされています)があります。 養子縁組をして住居要件の緩和を受けることができる場合には、5年以上(法務省の記者会見では原則として10年以上の在留)ではなく、1年以上日本に住所を有していれば住居要件を満たすことになります。
※2026年4月の運用変更について
上記の「引き続き5年以上」は国籍法第5条第1項第1号の条文であり、この条文は改正されていません。ただし法務省の法務大臣閣議後記者会見(令和8年3月27日)では、原則として10年以上在留していることとされています(出典:法務省「法務大臣閣議後記者会見の概要」令和8年3月27日)。なお、養子縁組による緩和の「1年以上」は、国籍法第8条第2号の条文で定められています。
では、どのような場合の養子縁組であれば帰化申請の住居要件の緩和を受けることができるのか、養子縁組制度の概要と種類の説明と併せてさせていただきます。
1.国際養子縁組
外国人の子どもと養子縁組をして日本人が日本で養親となる場合の養子縁組は、日本法によって成立し、手続きがされます。 なお、養子となる外国人の国の法律で養子縁組のために本人、実父母の承諾・同意、裁判所等の機関の決定・許可等を必要とされている場合にはそれらも必要になります。
2.養子縁組の種類
養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。
▼ 普通養子縁組
普通養子縁組は、養子と実親との親子関係を存続させたまま、養子と養親との親子関係を作るものです。養子の戸籍上の記載は「養子/養女」とされます。
- 【普通養子縁組が認められるための要件】
- 養親となる者が成人であること
- 養子が養親の尊属又は年長者ではないこと
- 結婚している人が未成年者を養子にする場合には、夫婦共に養親となること
- 養親又は養子となる人が結婚している場合には、配偶者の同意があること
- 養子となる者が15歳未満の場合、親権者等の法定代理人の承諾があること
- 養子となる者が未成年の場合、家庭裁判所の許可があること(養子となる者が自分又は配偶者の実子である場合には当該許可は不要)
そして、普通養子縁組は、市区町村長に対する届出をすることにより成立します。
▼ 特別養子縁組
特別養子縁組は、生みの親との親子関係を断ち、養親となる育ての親と新たな親子関係を結ぶ養子縁組です。養子の戸籍上の記載は「長男/長女」とされます。
生みの親との親子関係を断つため、特別養子縁組が認められるための要件は普通養子縁組よりも厳しくなっています。
- 【特別養子縁組の要件】
- 実親の同意があること
- 養親となる者は25歳以上であり、かつ、結婚していること(養親となる夫婦の一方が25歳である場合、もう一方は20歳以上であればよい)
- 養子となる者が家庭裁判所に審判請求するときに原則15歳未満であること(養子となる者を15歳に達する前から養親となる者に監護されていた場合には、養子となる者が18歳に達するまでは審判の請求ができる)
- 養親となる者が養子となる者を6か月以上監護していること
- 家庭裁判所の決定を受けること
3.養子縁組をすると帰化の条件はどう変わる?
では、帰化申請の住所の要件が緩和される養子縁組とは、どのような場合でしょうか。
▼ 未成年者が養子縁組をした場合
養子縁組の際に、養子となる者が「未成年」である場合にはこの場合にあたる可能性があります。
ここでいう「未成年」とは、養子となる者の国の法律上未成年である者を指します。
養子縁組の際に養子となる者が本国の法律上未成年であり、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有していれば、住所と能力の条件が緩和された帰化(簡易帰化)の対象になります。
▼ 成人してから養子縁組をした場合
成人をしてから養子縁組をした場合には、帰化申請について有利な措置はとられません。また、在留資格(ビザ)に関しても優遇措置はとられません。
これは、養子縁組制度を利用した不法入国や不法滞在を防ぐためです。
4.養子縁組をしても帰化が認められないケースとは
養子縁組をしても帰化申請が認められない場合として、下記のようなものがあります。
- 【養子縁組をしても帰化申請が認められないケース】
- 養子が養子縁組時に未成年ではない場合
- 養子が引き続き1年以上日本に住所を有していない場合
- 他の帰化申請の要件を満たしていない場合
▼ 養子縁組だけでは日本国籍は取得できない
日本人の養子になっても、それだけで日本国籍を取得することはありません。特別養子縁組の場合も同じです。国籍法が定める日本国籍の取得は、出生(2条)、認知された子の届出(3条)、帰化(4条)です。
養子の場合は、国籍法8条2号の条件にあてはまれば、住所と能力の条件が緩和された帰化を申請できます。
出典:e-Gov法令検索「国籍法」(確認日:2026年10月24日)
5.まとめ
以上、養子縁組と帰化申請について説明させていただきました。
養子縁組によって帰化申請の住所の要件が緩和される場合としては、「養子縁組のときに養子になる者が未成年であり、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有している場合」ということになります。
帰化の必要書類と条件の確認は、無料相談(60分)でお受けしています。
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よくある質問
- 縁組の時に何歳までであれば、国籍法8条2号の対象になりますか?
- 縁組の時に、本国法によって未成年であったことが条件です(国籍法8条2号)。成年となる年齢は国によって異なります。
- 養子縁組の後、日本に何年住めば帰化を申請できますか?
- 国籍法8条2号では、引き続き1年以上日本に住所を有することが条件です。素行や生計などのほかの条件と、2026年4月からの審査の運用は、申請先の法務局で確認してください。
- 日本人の特別養子になった外国人の在留資格は何ですか?
- 日本人の特別養子は、在留資格「日本人の配偶者等」の対象です(入管法別表第二)。普通養子の場合は年齢などによって扱いが異なるため、出入国在留管理庁の案内で確認してください。
出典:e-Gov法令検索「国籍法」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(確認日:2026年10月24日)
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