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特定技能「電気・電子情報関連産業」とは?現在は工業製品製造業に統合|対象業務と試験

特定技能の旧「電気・電子情報関連産業」分野が2022年5月に「工業製品製造業」分野(電気電子機器組立て区分)へ統合されたことを示す図

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「特定技能の電気・電子情報関連産業について調べている」方へ。まず最も重要な点をお伝えします。

⚠️ この分野名は、現在は使われていません

「電気・電子情報関連産業」分野は、2022年5月に「素形材産業」「産業機械製造業」とともに統合され、現在は「工業製品製造業」分野となっています。

ただし、制度がなくなったわけではありません。従来この分野で行っていた電子機器の組立てや配線などの業務は、工業製品製造業分野の「電気電子機器組立て」区分として、引き続き特定技能での受け入れが可能です。

出入国在留管理庁の「分野別情報」では、現在この分野は「工業製品製造業」として掲載されています(2026年6月1日現在受入れ可能な分野。出典:出入国在留管理庁「分野別情報」・「工業製品製造業分野」、確認日:2026年10月25日)。

このページでは、旧「電気・電子情報関連産業」に相当する業務が現在どの区分に該当し、どの試験を受ける必要があるのかを整理して解説します。

👉 工業製品製造業分野の全体像は「特定技能「工業製品製造業」とは?受け入れ条件・試験・支援まで」で詳しく解説しています。

1. 特定技能制度の概要

特定技能1号と2号の違い、対象となる産業分野、工業製品製造業分野での受け入れの全体像は「【特定技能】工業製品製造業分野とは?受け入れ条件・試験・支援のすべて」で解説しています。このページでは、旧「電気・電子情報関連産業」に関係する点に絞って説明します。

2. 電気・電子情報関連産業の人手不足の現状

2.1 業界全体の課題

電気・電子情報関連産業は、日本の製造業の中でも特に重要な位置づけにある分野です。
スマートフォン、家電、通信機器、自動車の制御装置など、日常生活から産業インフラまで、あらゆる場面に関連しています。

にもかかわらず、この分野では慢性的な人手不足が続いています。
その背景には、いくつかの要因があります。

よくある課題は次の3つです。

1. 若手人材の確保が難しい
都市部への人口集中や、理工系離れの影響で、地方案件を中心に若年層の採用が進んでいません。
2. 3K職場のイメージ
「きつい・汚い・危険」といったマイナスイメージが根強く、求職者の応募が集まりにくくなっています。
3. 高齢化による熟練者の引退
技術継承が進まず、現場のノウハウが次世代に引き継がれにくい状況です。

たとえば、地方の電子部品組立工場では、「募集を出しても日本人がまったく集まらない」「定年退職者の補充ができない」といった声が多く聞かれます。
特に、作業ラインでの組立や検査業務などは、体力的にも一定の負荷があるため、定着率も課題になりがちです。

このような状況を打開する方法として、外国人材の雇用が現実的な選択肢として注目されているのです。

つまり、現場の即戦力として働ける人材を確保することが、業界全体の喫緊の課題になっているということです。

2.2 特定技能制度導入の背景

このような業界の人手不足に対応するため、政府が打ち出したのが「特定技能制度」です。
2019年に創設されたこの制度は、従来の「技能実習制度」ではカバーしきれなかった“即戦力”の人材を外国人から受け入れることを目的としています。

電気・電子情報関連産業が特定技能の対象になった背景には、以下のような現実があります。

特定技能制度が導入された主な理由

● 技術系職種の求人倍率が高いまま推移している
厚生労働省の統計によれば、製造分野における有効求人倍率は全国平均を大きく上回っています。
● 地方での日本人採用が限界に達している
中小企業では新卒の確保が難しく、「採りたいけど採れない」状態が続いています。
● 技能実習制度だけでは定着しない
実習終了後に帰国する人が多く、せっかく育てた人材を継続雇用できないという声が多くありました。

そのため、特定技能制度では「実務能力を持ち、すぐに現場で働ける人材」に焦点を当て、受け入れの条件やサポート体制を整備しています。
さらに、技能実習制度と異なり、労働者としての権利保護が強化されている点も大きな特徴です。

企業にとっては、単なる人手補充ではなく、「長く働いてもらえる技術系人材」として、計画的な育成や雇用戦略を立てられるのがメリットです。

このようにして、電気・電子情報関連産業でも外国人材の活用が進みつつあります。

3.  特定技能「電気・電子情報関連産業」の対象職種と業務内容

3.1 対象となる職種一覧

特定技能「電気・電子情報関連産業」で認められている職種は、製造業の中でも実際の作業現場に直結する技術系分野が中心です。
どれも、専門知識と実務スキルが求められる業務となっており、即戦力としての活躍が期待されます。

この分野で対象となっている主な職種は、以下のように分類されています。

旧「電気・電子情報関連産業」に相当する現在の業務区分

● 電気電子機器組立て(現在の区分名)
電気電子機器等の製造工程・組立工程の作業に従事する業務。旧「電気・電子情報関連産業」の中心的な業務がこの区分に該当します。
主な作業例:電気機器の組立て、電子機器組立て、プリント配線板製造、配線・はんだ付け、検査・品質管理
● 機械金属加工
鋳造、鍛造、機械加工、溶接、塗装など。旧「素形材産業」「産業機械製造業」に相当します。
● 金属表面処理
めっき、アルミニウム陽極酸化処理などの表面処理作業。

※ このほか、工業製品製造業分野には紙器・段ボール箱製造、印刷・製本、家具製造など全17の業務区分があります。

ここがポイントです。
上記の職種はすべて、技能評価試験の対象にもなっており、外国人材が適正に働ける体制が整備されています。

特に「電気機器組立て」や「プリント配線板製造」は、日本国内での需要が高く、実務経験を積む場としても非常に価値のある分野です。

3.2 具体的な業務内容

実際に「電気・電子情報関連産業」の現場で行われる業務には、手作業から機械操作までさまざまな工程があります。
特定技能として働く外国人が担当することになるのは、主に以下のような作業です。

【具体的な業務の例】
  • ● 精密部品のハンダ付けや配線取り付け
  • ● 製品内部ユニットの組立て作業
  • ● 自動機を使った製造ラインでの操作
  • ● 完成品の動作確認や耐久テスト
  • ● 不良品の選別や検品作業
  • ● 梱包・出荷前の製品ラベル貼り付け など

これらの作業は、「誰でもできる簡単な仕事」ではなく、正確性や作業スピードが求められる工程ばかりです。
製造現場では、ミスが品質トラブルにつながるため、手順やルールをしっかり守れる人材が必要とされています。

たとえば、電子部品を扱うラインでは、1日あたり数千点の製品を扱うこともあります。
そこで0.1ミリ単位のズレも許されないハンダ作業などを、丁寧かつスピーディーにこなす必要があります。

こうした現場で力を発揮できる人材が、特定技能制度を通じて必要とされているんです。

また、同じ作業の繰り返しに見えても、「より良く・より早く・より安全に」を追求する製造現場では、継続的な改善や学びの姿勢も大切になります。

特定技能で働く外国人の方にとっても、自分のスキルアップが実感できる、やりがいのある環境と言えるでしょう。

4.  在留資格取得の方法

4.1 技能評価試験の概要

特定技能「電気・電子情報関連産業」で働くには、技能評価試験に合格することが必須条件です。
この試験は、外国人労働者が業務に必要な知識と技術を持っているかを確認するためのものです。

製造分野では、以下のような内容で試験が実施されています。

評価試験の概要(工業製品製造業分野共通)

  • ● 試験名称:製造分野特定技能1号評価試験
  • ● 実施主体:JAIM(2026年度より)
  • ● 試験形式:筆記(CBT方式)および実技テスト
  • ● 対象区分:工業製品製造業分野の全17区分(旧・製造3分野を含む)
  • ● 技能実習2号を良好に修了し、修得した技能と従事する業務の技能に関連性が認められる場合は、令和9年4月1日以降も当面の間、技能試験・日本語試験の合格の証明は要しないとされています(出典:出入国在留管理庁「特定技能運用要領 工業製品製造業分野(要領別冊)」令和8年6月25日一部改正、確認日:2026年11月7日)

※「育成就労評価試験(専門級)」または「技能検定3級」の合格でも技能水準を満たします。
※ 2026年度から合格証明書は原則発行されず、試験の結果通知書を在留申請の書類として提出できるようになりました。

主な出題内容として、以下のような実務知識が含まれます。

  • ● 製品の組立手順
  • ● 機械や工具の使い方
  • ● 安全対策や品質管理に関する知識
  • ● 簡単な図面の読み取り など

試験自体は難易度が極端に高いわけではありませんが、業務に即した用語や手順の理解が求められます。

だからこそ、専門学校や技能実習での経験がしっかり役立つ試験になっています。

事前に過去問や模擬問題を活用して準備をしておきましょう。

4.2 日本語能力試験の要件

技能評価試験の合格だけでは不十分で、一定の日本語能力も求められます。
製造現場では、日本語での指示理解や報告、チーム作業が日常的に発生するためです。

必要とされるレベルは、「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上で、以下のどちらかに合格していることです(出典:出入国在留管理庁「特定技能運用要領 工業製品製造業分野(要領別冊)」令和8年6月25日一部改正、確認日:2026年11月7日)。

【日本語要件(「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上・いずれか一つ)】
  • ● 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2.2相当以上
  • ● 日本語能力試験(JLPT)N4以上

※ 技能実習2号を良好に修了し、その技能実習で修得した技能と特定技能1号で従事しようとする業務において要する技能に関連性が認められる場合には、令和9年4月1日以降も当面の間、必要な水準の技能及び日本語能力を有していることの証明は要しないとされています(出典は同上)。

N4は、「日常生活での基本的な日本語が理解できるレベル」とされており、簡単な会話や職場でのやりとりができることを想定しています。JFT-Basicも同程度の難易度で、CBT形式での受験が可能です。

たとえば、上司から「この部品を先に検査してから出荷して」と指示されたときに、正しく理解して対応できることが大事です。業務中の安全確認や報告・連絡・相談にも日本語力が欠かせません。

「会話はカタコトでも、仕事のやりとりは問題なく対応できる」レベルが目標になります。

4.3 技能実習2号からの移行条件

すでに日本で技能実習2号を修了した方は、特定技能1号へのスムーズな移行が可能です。
この制度は、すでに一定期間日本で働いた経験のある人材にとって、大きなチャンスとなっています。

技能実習からの移行における主な条件は、以下の通りです。

【移行条件のポイント】
  • ● 対象職種が「製造3分野」に該当していること(例:電気機器組立てなど)
  • ● 技能実習2号を「良好に」修了していること
  • ● 技能評価試験・日本語試験が免除になるケースがある(職種・条件により異なる)

たとえば、フィリピン出身で3年間日本の工場で電気部品の組立作業をしてきた方であれば、同じ分野での就労継続が可能です。
職場によっては、そのまま同じ会社で特定技能として働き続けることもできます。

ポイントは、「継続的に働きたい」「職場に馴染んでいる」人ほど、企業側からも歓迎されやすいという点です。

この移行パターンは、企業にとっても即戦力の確保になり、人材教育の負担も減らせるため、非常に現実的な選択肢となっています。

5.  受け入れ企業の要件と手続き・雇用形態

受け入れ企業の条件、申請書類と手続きの流れ、登録支援機関との連携、直接雇用・報酬の考え方は、工業製品製造業分野で共通です。詳しくは上の「1.」で紹介した工業製品製造業分野の記事をご覧ください。

6. 電気電子機器組立ての業務で特定技能2号に移行するには

工業製品製造業分野の特定技能2号は、「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分が対象です(2026年6月25日現在、出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」)。旧「電気・電子情報関連産業」に相当する電気電子機器組立ての業務も、2号の対象区分に含まれています。

2号の技能水準は、次のいずれかに合格することが要件です。あわせて、日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場での実務経験が求められます(同)。

  • ・製造分野特定技能2号評価試験
  • ・ビジネス・キャリア検定3級
  • ・技能検定1級

2号への移行の手続きは「特定技能2号の申請方法」、分野全体は「【特定技能】工業製品製造業分野とは?受け入れ条件・試験・支援のすべて」で解説しています。

よくある質問

「電気・電子情報関連産業」の試験は、今も受けられますか?
現在は工業製品製造業分野の試験になっています。特定技能1号の技能水準は「製造分野特定技能1号評価試験」などで確認され、対象の試験は業務区分ごとに異なります(出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」)。
工業製品製造業分野の特定技能1号は、いくつの業務区分がありますか?
2026年6月25日現在、機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、RPF製造、陶磁器製品製造、印刷・製本、紡織製品製造、縫製、電線・ケーブル製造、プレハブ住宅製品製造、家具製造、定形・不定形耐火物製造、生コンクリート製造、ゴム製品製造、かばん製造の17区分です(同)。
受入れ企業は、協議会に加入する必要がありますか?
工業製品製造業分野では、受入れ事業所が一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)に加入し、JAIMが協議会に加入する仕組みです(経済産業省、2025年12月)。

出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」/経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて(工業製品製造業分野)」(2025年12月)(確認日:2026年10月25日)

まとめ:特定技能「電気・電子情報関連産業」の活用ポイント

ここまで、特定技能「電気・電子情報関連産業」の制度概要や対象職種、在留資格取得の方法、受け入れ企業の条件などについて詳しくご紹介してきました。

最後に、特定技能制度活用のポイントを振り返ってみましょう。

【ポイント①】専門性を活かした外国人材の受け入れが可能

この分野は電気機器組立てや電子基板の製造など、専門性が高く即戦力が求められる業務が中心です。電気・電子を学んだ留学生や技能実習を修了した外国人材が、その知識と経験を活かせる環境が整っています。

【ポイント②】スキルを証明する評価制度がある

技能評価試験と日本語能力試験が導入されており、実力のある人材を公平に選べる仕組みが確立されています。試験制度があることで、企業側も一定の技能を持つ人材であることを確認したうえで採用ができます。

【ポイント③】企業と外国人双方にとって納得できる制度設計

直接雇用や適正な報酬規定、登録支援機関による生活支援など、外国人労働者が働ける環境を整えるルールが法律で定められています。
これにより、定着率の向上や企業側の受け入れリスクの軽減にもつながります。

【ポイント④】人材不足に悩む企業にとって実効性のある解決策

人手不足が深刻な製造業では、若手の採用が難しい現状があります。特定技能制度をうまく活用することで、即戦力となる外国人材を確保し、長期的な雇用体制の構築が可能になります。

たとえば、工場での組立作業を担う20代の外国人スタッフが5年以上定着することで、現場の安定化や生産性向上に直結するケースも少なくありません。

特定技能「電気・電子情報関連産業」は、これからの日本の製造業にとって、重要な人材確保の柱となる制度です。

受け入れる企業にとっても、働く外国人にとってもメリットの多い制度ですので、制度内容をしっかり理解し、適切な運用を心がけることが成功のカギになります。

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なお、本記事は制度・要件の解説を中心としています。工業製品製造業分野で実際に受け入れる際の実務(協議会への加入、対象業種の該当性確認、支援体制の整備など)については、グループ会社である株式会社CTCが分野別に詳しく解説しています(特定技能「工業製品製造業」とは?)。あわせてご確認ください。

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■この記事の監修者■
行政書士法人Climb 代表行政書士 森山敬

行政書士法人Climb 代表行政書士 森山 敬
東京都行政書士会新宿支部(登録番号 第11080978号)/出入国在留管理庁 申請取次行政書士
2011年開業。ビザ(在留資格)申請・帰化申請を専門に、年間約1,000件の相談に対応。日本語・英語・中国語・ベトナム語・ネパール語で対応しています。

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