特定技能の在留資格で外国人の方を採用する為には、在留資格申請時に『特定技能外国人支援計画』が必要となり、他の在留資格を持つ外国人の方を雇用する場合と少し異なります。
今回は『特定技能外国人支援計画』についてお話ししていきます。
特定技能外国人支援計画書とは?
特定技能外国人が会社で働く上で、職業上のサポートだけでなく、日常生活や、社会生活含めて支援を行うための計画書です。
支援計画には『義務的支援』と『任意的支援』があります。
『義務的支援』は支援計画に必ず記載し、実行しなくてはならない事項です。
この計画書は日本語だけでなく、実際に勤務する外国人の方が理解できる言語で作成をせねばならず、申請する際にも必要となる重要な書類です。
義務的支援内容
◆ 入国前情報提供
特定技能外国人が日本に来る前に、以下の様な情報提供を行う必要があります。
- ・雇用契約の内容
- ・外国人が日本で行うことが出来る活動の内容
- ・上陸・在留の為の条件
- ・その他留意事項
◆ 送迎
外国人が出入国を行う際に、港や空港まで送迎を行います。
ちなみに後述する登録支援機関がこの支援を行う場合、登録支援機関の社用車などを用いて送迎は行ってはいけません。
理由は、支援計画の実施に際し受け入れ企業から料金を頂いているので、登録支援機関の社用車などで送迎してしまうと道路運送法に抵触し、白タク行為(無許可タクシー業)として罰せられる可能性があるためです。
◆ 生活に必要な計画に係る支援
外国人が日本できちんと生活が出来るように、以下の支援を行います。
- ・外国人が家を借りる際の保証人となること
- ・適切な住居を借りるための支援
- ・金融機関の口座開設の支援
- ・携帯電話を契約するための支援
- ・その他生活上必要な契約の支援
◆ 外国人の入国後の情報提供
外国人の入国後に以下の情報提供をします。
なお、外国人が十分に理解できる言語で行う必要があります。
- ・日本での生活一般に関する知識の提供
- ・入管法19条16項その他法令の規定により、国又は地方公共団体の機関に対する届出や手続きに関する知識の提供
- ・相談、苦情の際の連絡先及び相談対応
- ・苦情の申出をすべき国又は地方公共団体の機関の連絡先の提供
- ・外国人が十分に理解できる言語で受診できる病院に関する情報の提供
- ・防災・防犯に関する知識並びに急病その他緊急時の対応に必要な知識の提供
- ・出入国又は労働に関する法令の規定に違反している事を知った時の対応方法、その他外国人の法的保護に必要な情報の提供
◆ 日本語学習支援
日本での生活に必要な日本語を学習する機会の提供をします。
◆ 苦情・相談対応
外国人から職業生活、日常生活、社会生活等に関して相談や苦情の申し出を受けた際に応じなくてはなりません。
また、助言・指導など解決する為に必要な処置をする必要があります。
この苦情・相談対応は、外国人の方が十分に理解することが出来る言語で行う必要があります。
◆ 外国人と日本人との交流促進
外国人と日本人との交流促進に係る支援を行います。
◆ 特定技能雇用支援進
外国人がその人の責任でない理由で雇用契約を解除された場合、公共職業安定所その他職業紹介事業者等を紹介し、スムーズな転職をおこなえるように支援する必要があります。
◆ 面談の実施
外国人とその監督の立場にある者と定期的な面談を行います。
労働基準法その他の労働に係る法令に違反している事や、問題の発生を知ったときは、その旨を労働基準監督署その他行政機関に通報しなくてはなりません。
◆ その他の記載事項
- ・支援責任者及び支援担当者の氏名、役職名
- ・法務大臣が定める特定の分野の場合は、当該の分野を管轄する関係行政機関の長が法務大臣と協議のうえで、特有の事情を鑑みて告示で定める事項
まとめ
以上が支援計画上、行わなければならない事項です。
「多くて大変だな」とか「外国語で対応できない」など、雇い入れる会社は頭を悩ます点があるかと思います。
そこで活用したいのが、前述した登録支援機関です。
登録支援機関は支援計画の全部又は一部を委託できる存在です。
登録支援機関をうまく活用し、効果的な特定技能外国人の雇用を進めていきましょう。
行政書士法人Climbは登録支援機関です!
行政書士法人Climbでは、申請を検討している会社様や個人様が登録支援機関としての要件を備えているかのご相談、申請書類の作成、入管への申請までお任せいただいております。
また、登録支援機関の登録はしたものの、支援はおろか特定技能制度に関しての知識が足りず、どうすればよいのかわからないといった登録支援機関向けのサービスも用意しておりますので合わせてご検討ください。
せっかく日本で活躍する道を選んでくれた外国人の方に最適な支援が出来るように、間違っても不法就労と言った状況を避けるためにも、しっかりとした知識をもって支援を行いましょう。
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