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「特定技能外国人を採用することになったが、申請に必要な書類があまりに多く、どれが本当に必要でどれが該当しないのかが整理できない」
このような悩みを抱えている、人事担当者や雇用主の方も多いのではないでしょうか。出入国在留管理庁が公開している提出書類一覧を見ても、申請の種類・国籍・業種によって必要書類が異なるため、自社のケースに当てはめて理解するのに時間がかかります。
加えて、書類の不備や漏れがあると審査に時間がかかり、外国人材の受け入れスケジュールにも影響が出かねません。
そこで本記事では、「特定技能の申請書類」を紹介します。「変更」「更新」「認定」の3パターン別に整理し、申請者・雇用主それぞれが用意すべき書類を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
特定技能ビザの申請書類は申請種別によって異なる
特定技能の在留申請には、在留資格変更・在留資格更新・在留資格認定証明書交付の3つのパターンがあり、それぞれ提出書類の範囲が異なります。まずは以下の表をご覧ください。
| 申請種別 | 対象者 | 必要書類の量 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 海外から新たに来日する外国人 | 最も多い |
| 在留資格変更許可申請 | 国内で他の在留資格から切り替える外国人 | 認定とほぼ同水準 |
| 在留資格更新許可申請 | すでに特定技能で在留中の外国人 | 大幅に少ない |
書類は大きく、「申請人(外国人本人)に関する書類」「所属機関(受入れ企業)に関する書類」「分野に関する書類」の3区分にわかれています。申請パターンによって必要な組み合わせが変わるため、まず自分がどのパターンに該当するかを確認するところから始めましょう。
では、どのような書類が必要なのか、以下にわけて詳しく紹介します。
- ● 在留資格変更許可申請の書類
- ● 在留資格更新許可申請の書類
- ● 在留資格認定証明書交付申請の書類
①在留資格変更許可申請の書類
在留資格変更許可申請は、留学・技能実習など現在の在留資格から特定技能へ切り替える際に必要な手続きです。
認定申請とほぼ同じ書類が求められますが、申請人(外国人本人)については、現在どの在留資格でいつまで在留できるかを確認できるよう、パスポートおよび在留カードの提示が必要になる点が特徴です。
なお、求められる書類は変更後の在留資格に応じて様式が異なり、特定技能へ変更する場合は「在留資格変更許可申請書(特定技能)」の様式30を使用します。
実際に、必要な書類は切替元の在留資格や申請人の状況によって追加・省略されることがあるため、最新の提出書類一覧は出入国在留管理庁の公式サイトで必ず確認するようにしましょう。
②在留資格更新許可申請の書類
在留資格更新許可申請は、すでに特定技能で在留している外国人が同じ会社で継続して働くために行う手続きです。
認定・変更に比べて必要書類は大幅に少なくなり、雇用契約の継続状況や報酬の支払い実績を証明する書類が中心になります。
更新申請は原則として在留期限の3ヶ月前から可能ですが、企業側が準備する書類も多いため、在留期限の4ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。
なお、申請が集中する時期は審査に時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで進めるようにしましょう。
③在留資格認定証明書交付申請の書類
在留資格認定証明書交付申請は、海外にいる外国人を新たに呼び寄せる際に必要な手続きです。
在留資格認定証明書交付申請書に加え、写真1葉、申請取次者を介して複数人を同時申請する場合は申請人名簿が求められます。
今回紹介した3パターンの中で最も必要書類が多く、所属機関に関する書類や分野別の追加書類も含めて準備範囲が広くなります。
なお、在留資格認定証明書上の氏名とパスポート上の氏名表記が異なる場合、手続きに時間を要することがあるため、申請時にパスポートの写しを併せて提出するようにしましょう。
申請書類①:外国人本人が用意するもの
特定技能の申請書類は、企業と外国人、それぞれで用意しなければならない書類があります。まずは外国人の方が用意するものとして、以下にわけて詳しく解説します。
- ● 共通書類
- ● 国籍・出身国別の追加書類
共通書類
特定技能の外国人本人が用意する共通書類は、申請パターンに関わらず以下のようになります。
- ● 在留資格関係の申請書(変更・更新・認定のいずれかに対応する様式)
- ● パスポートの写し
- ● 在留カードの写し(国内に在留している場合)
- ● 証明写真(指定規格・縦4cm×横3cm相当)
- ● 健康診断個人票(参考様式第1-3号)
- ● 技能水準・日本語能力水準を証明する資料(技能試験・日本語試験の合格証明書等)
注意点として、こうした書類は出入国在留管理庁の公式様式を使用しなければいけません。記載内容に不備があると審査が長引く原因になるため、ミスがないよう心がけましょう。
なお、健康診断個人票は、分野によって追加項目が定められている場合があります。受入れ予定の分野別運用要領を確認したうえで、作成するようにしてください。
国籍・出身国別の追加書類
国籍・出身国別に追加書類が求められるケースがあります。二国間協定を締結している国の出身の方にのみ求められる、特有の手続きです。
例えば、国籍別に求められる追加対応として、以下のようなものがあります。
- ● インドネシア:IPKOL(労働市場情報システム)への登録、SISKOTKLN登録(在留資格認定証明書取得後・査証申請前)
- ● ミャンマー:OWIC(海外労働身分証明カード)の取得、大使館でのパスポート更新手続きが必要な場合あり
- ● ネパール:一時帰国時の海外労働許可証の取得・出国時の提示
こうした手続きは、出入国在留管理庁への提出書類とは別に、出身国側の制度として求められるものです。最新の対応状況は出身国ごとに変わる可能性があるため、申請前に必ず確認するようにしましょう。
申請書類②:雇用主(所属機関)が用意するもの
特定技能で必要な書類は、雇用主(所属機関)が用意しなければいけないものもあります。
非常に多いため、以下にわけてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
- ● 会社関係書類
- ● 雇用契約・報酬関係書類
- ● 支援計画関連書類
会社関係書類
会社関係書類は、所属機関(受入れ企業)の事業内容や経営状況を証明するための書類です。以下の書類を用意しましょう。
- ● 登記事項証明書(法人登記簿謄本)
- ● 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- ● 直近1年分の決算文書の写し(貸借対照表・損益計算書等)
- ● 税務署発行の納税証明書(法人税・消費税及び地方消費税)
- ● 社会保険料の納付状況を証明する書類
こうした書類は、所属機関の財政基盤が安定しているかを審査するために使われます。
決算が赤字の場合でも一律で不許可になるわけではありませんが、事業の継続性を説明する追加資料が求められることがある点は留意しておきましょう。
雇用契約・報酬関係書類
雇用契約・報酬関係書類は、外国人材の労働条件が適正であることを証明するための書類です。以下の書類が該当します。
- ● 特定技能雇用契約書(参考様式第1-5号)
- ● 雇用条件書(参考様式第1-6号)
- ● 就業条件明示書(参考様式第1-13号)
- ● 雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16号)
更新申請の場合は報酬支払証明書(参考様式第5-7号)を提出し、実際に契約通りの報酬が支払われていることを証明します。
その際、日本人と同等以上の報酬であることが審査の重要なポイントになるため、賃金台帳などの根拠資料も併せて準備しておくと良いでしょう。
支援計画関連書類
支援計画関連書類は、1号特定技能外国人への支援体制が整っていることを証明するための書類です。
1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)を使用し、登録支援機関に支援を委託する場合は、併せて委託契約書が必要になります。
なお、支援計画には、生活オリエンテーションの実施・日本語学習の支援機会の提供・相談苦情への対応体制などを具体的に記載しなければいけません。
そのため、生活オリエンテーションの確認書(参考様式第5-8号)・事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)も、支援の実施状況を証明する書類として提出が求められます。
参考:出入国在留管理庁 | 特定技能関係の申請・届出様式一覧
業種別の追加必要書類
特定技能に必要な書類は、業種別で異なります。ここからは、以下にわけて個別にどのような書類を求められるのかを紹介します。
- ● 介護分野
- ● 建設分野
- ● 飲食料品製造業分野
- ● その他分野
介護分野
介護分野で必要な追加書類は、以下のとおりです。
- ● 介護技能評価試験の合格証明書
- ● 介護日本語評価試験の合格証明書
- ● 業務を行わせる事業所の概要書
- ● 協議会の構成員であることの証明書
介護技能評価試験・介護日本語評価試験の合格証明書に加え、訪問系サービスを提供している事業所は、追加で「介護分野における特定技能協議会」への入会および入会証明書が必要になります。
加えて、受入れ機関には、介護職種で技能実習を行わせた実績がある場合や、日本人と同様の人員配置基準を満たしていることを示す資料が求められるケースもあります。
介護分野は人員配置基準に関わる審査が厳格なため、配置予定の施設形態を踏まえて必要書類を確認するようにしましょう。
建設分野
建設分野で必要な追加書類は、以下のとおりです。
- ● 建設技能人材機構(JAC)への加入証明書
- ● 国土交通大臣による受入れ計画の認定証明書
- ● 建設特定技能受入れ計画の認定通知書の写し
建設分野は他の分野と比べて行政手続きが多く、出入国在留管理庁への申請とは別に国土交通省側の手続きが並行して必要になります。,/p>
飲食料品製造業分野
飲食料品製造業分野で必要な追加書類は、以下のとおりです。
- ● 業務区分に応じた技能測定試験の合格証明書
- ● 協議会の構成員であることの証明書
- ● 製造・加工・衛生管理に関する業務内容を明確にした書類
なお、外食業分野は2026年4月13日以降、受け入れ人数の上限到達に伴い新規受け入れに関する申請が一部停止されています。そのため、申請の際は、対象分野と最新の受入れ状況を必ず確認しておくようにしましょう。
参考:農林水産省 | 外食業分野における外国人材の受入れについて
その他分野
その他分野で共通して求められる主な追加書類は、以下のとおりです。
- ● 分野別の技能試験合格証明書
- ● 協議会への加入証明書(分野によって対象の協議会が異なる)
- ● 営業許可証または登録証明書(分野によって必要な場合あり)
必要な書類は分野ごとに異なるため、申請前に念のため確認しておくと良いでしょう。
なお、2026年1月の閣議決定により、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加され、省令施行後は19分野となっています。ただし、省令等の準備が整い次第、受入れが開始されるため、2026年6月現在では「2027年開始予定」以外の具体的な時期に関しては未定です。
分野については特に最新の出入国在留管理庁の公式情報を確認することをおすすめします。
申請書類の入手方法・書き方のポイント
特定技能の申請では、様々な書類が必要になります。ここからは、申請時に必要な書類の入手方法と書き方のポイントを、以下にわけて詳しく解説します。
- ● 出入国在留管理庁HPからのダウンロード方法
- ● 書類作成時の注意点(記載ミスNG項目)
出入国在留管理庁HPからのダウンロード方法
申請書類の様式は、出入国在留管理庁の公式サイトから無料でダウンロードできます。出入国在留管理庁の「在留資格『特定技能』」のページに掲載されている提出書類一覧・確認表を確認したうえで、「特定技能関係の申請・届出様式一覧」のページから該当する様式(PDF・Excel・Word形式)を入手しましょう。
なお、様式によっては、Excelで可変データの入力ができるものとできないものがあります。そのため、入力方法を事前に確認しておくとスムーズです。
また、様式は制度改正に伴い更新されることがあります。使い回しをせずに、申請の都度、最新版を出入国在留管理庁の公式サイトからダウンロードするようにしてください。
書類作成時の注意点(記載ミスNG項目)
特定技能の書類作成時によくある記載ミスとして、以下の点に注意してください。
- ● 在留資格認定証明書上の氏名とパスポート上の氏名表記の不一致
- ● 雇用契約書と雇用条件書で記載内容(給与額・業務内容)に齟齬がある
- ● 申請書の記入日と添付書類の発行日に大きな乖離がある
- ● 証明写真が指定規格(サイズ・背景色・撮影時期)を満たしていない
- ● 決算書類や納税証明書が直近のものでなく古い年度のものを提出している
特に、氏名表記の不一致は手続きに時間を要する原因になりやすいため、パスポートの記載をそのまま転記するよう徹底しましょう。
記載ミスによる不許可や審査の長期化を防ぐためにも、提出前に複数人でのダブルチェックがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
- 在留資格変更と在留資格更新はどう違いますか?
- 在留資格変更は技能実習や留学など別の在留資格から特定技能に切り替える手続きで、在留資格更新は同じ特定技能のまま在留期限を延長する手続きです。変更の方が審査項目が多く、準備書類も増える傾向があります。
- 申請書類はすべて日本語で作成する必要がありますか?
- 出入国在留管理庁に提出する申請書類は、日本語での作成が基本です。そのため、外国語の証明書類を添付する場合は、日本語の翻訳文を添付する必要があります。
- 登録支援機関に支援を委託している場合、支援計画書類はどう変わりますか?
- 登録支援機関に支援を委託する場合、1号特定技能外国人支援計画書に加えて委託契約書の提出が必要です。審査をスムーズに進めるためにも、委託する業務の範囲を契約書に明記しておくようにしましょう。
- 書類の様式が最新版かどうかはどう確認すればいいですか?
- 出入国在留管理庁の公式サイト「特定技能関係の申請・届出様式一覧」で、随時最新版が公開されています。制度改正のタイミングで様式が更新されることが多いため、申請の都度ダウンロードし直すようにしましょう。
まとめ|書類準備が不安な方は行政書士へ
特定技能の申請書類は、「在留資格変更」「更新」「認定証明書交付」など申請種別によって必要範囲が大きく異なります。加えて、外国人本人の国籍や受入れ分野によっても追加書類が変わるため、非常に複雑です。
申請の際は、共通書類だけでなく、会社関係書類や雇用契約関係書類、支援計画関連書類を漏れなく揃えるだけでなく、業種別の追加要件を見落とさないようにしましょう。
スムーズに審査を進めるためにも、自社だけでの対応に不安がある場合や、国籍・分野に応じた特殊な要件が絡む場合は、特定技能の申請に精通した行政書士へ相談も検討してみてください。