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「特定技能外国人を受け入れることになり、出入国在留管理庁のサイトから支援計画書の様式をダウンロードしたものの、各項目に何をどのように書けばいいかがわからない」
このような悩みを持っている担当者の方も多いのではないでしょうか。様式の説明だけでは記入内容のイメージが湧かず、「これで審査が通るのか」という不安がなかなか解消されず、申請の準備が進まないケースがあります。
支援計画書は、10の支援項目すべてに具体的な実施内容を記入しなければいけません。一方で、抽象的な記載では審査で指摘を受けるリスクがあるのも事実です。
そこで本記事では、「支援計画書の記入例」を10項目にわけて紹介します。それぞれの具体的な記入例と文例を、NG例とOK例の対比でわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
支援計画書の記入前に確認すること
支援計画書(参考様式第1-17号)の記入を始める前に、以下の点をまず確認しておきましょう。
- ● 2025年4月以降に提出する場合は新様式を使用すること(旧様式は受理されない)
- ● 日本語版に加えて、外国人が理解できる言語での作成も必要
- ● 記入後は外国人本人の直筆署名が必要
- ● 自社支援を行う場合は支援責任者・支援担当者の選任が必要
- ● 登録支援機関に委託する場合は当該機関の情報を記載する
記入にあたっての最重要の原則は、「誰が・いつ・どのような方法で実施するか」を具体的に書くことです。
「適切に対応する」「必要に応じて支援する」といった抽象的な表現は、審査で不備を指摘されやすく、申請が長引く原因になります。
2025年4月の改正で地域共生支援の記載も追加されているため、最新の様式と運用要領を必ず確認した上で作成してください。使い回しは厳禁です。
参考:出入国在留管理庁 | 特定技能関係の申請・届出様式一覧
10項目の記入例・文例集
支援計画書に記入する際、参考にできる記入例と文例を、以下の項目別に紹介します。OK例とNG例もありますので、支援計画書と照らし合わせながら活用してみてください。
- 1. 事前ガイダンスの記入例
- 2. 出入国する際の送迎の記入例
- 3. 住居確保・生活に必要な契約支援の記入例
- 4. 生活オリエンテーションの記入例
- 5. 日本語学習の機会の提供の記入例
- 6. 相談・苦情への対応の記入例
- 7. 日本人との交流促進の記入例
- 8. 非自発的離職時の転職支援の記入例
- 9. 定期的な面談・行政機関への通報の記入例
- 10. その他の支援の記入例
①事前ガイダンスの記入例
事前ガイダンスは、雇用契約締結後・在留資格申請前に、外国人が理解できる言語で3時間以上実施する必要があります。
対面またはテレビ電話(Zoom等)での実施が必要であり、文書の郵送やメール送信のみでは認められません。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 入国前に雇用条件等について説明する。
- OK例
- 雇用契約締結後・在留資格認定証明書交付申請前に、支援担当者○○がZoomを使用してベトナム語にて3時間以上のガイダンスを実施する。説明内容は、従事する業務の内容・報酬額・労働時間・休日・入国手続き・保証金等の徴収がない旨の確認とする。実施後は事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)に署名を得る。
NG例と比較して、OK例は実施タイミングや実施方法などが明確に書かれている点が異なります。このように記載することで、第三者がどのような形で実施されているのかが一目でわかります。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関(登録番号:第○○号)に委託して実施する。実施言語はベトナム語とし、3時間以上のガイダンスを対面またはビデオ通話で行う。」
②出入国する際の送迎の記入例
送迎は、空港・港から事業所または住居までの区間が対象です。「最寄り駅まで」では要件を満たさないため注意しましょう。
なお、出国時は保安検査場の前まで同行して入場を確認しなければいけません。在留資格変更の場合(すでに国内在留中)は「無」にチェックする点も併せて、覚えておきましょう。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 入国時は最寄り駅まで迎えに行く。出国時も同様に対応する。
- OK例
- 入国時は成田国際空港到着ロビーにて支援担当者○○が出迎え、社用車にて住居まで送迎する。出国時は住居から成田国際空港まで送迎し、保安検査場の前まで同行して入場を確認する。
NG例と比較して、OK例の方が、どのような形で送迎するのかが詳細に書かれているのがわかるかと思います。送迎区間だけでなく、出国時の対応や担当者、在留資格変更の場合も含めて明確に書くようにするのがポイントです。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関に委託して実施する。入国時は空港到着ロビーから住居まで、出国時は住居から空港の保安検査場入場確認まで同行する。」
③住居確保・生活に必要な契約支援の記入例
住居は、1人あたり7.5㎡以上の居住スペースを確保しなければいけません。さらに、銀行口座の開設・携帯電話の契約など、日常生活に必要な契約手続きへの支援も含まれます。そのため、支援計画書には、どちらも明記する必要があります。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 住居の確保を支援する。契約に係る支援も行う。
- OK例
- 1人あたり7.5㎡以上を確保した社宅(○○市○○町1丁目)を提供する。入居費用として敷金・礼金は会社が負担し、家賃は月額○○円を本人負担とする。また、入国後に銀行口座の開設(○○銀行)・携帯電話の契約・電気・ガス・水道の申し込みに支援担当者が同行し、日本語が不十分な場合は通訳として補助する。
NG例と比べて、OK例は社宅の広さや住所まで明記している点が異なります。「契約に係る支援」とぼんやりした表記にせず、負担額や電気・ガス・水道などをどのように契約するのかまで詳しく書いているため、一目でわかるようになっています。第三者が見ても同じような形で手続きを進められるほど、明確に記載するのがポイントです。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「住居は会社が提供する。銀行口座・携帯電話等の契約支援は○○登録支援機関に委託し、担当者が同行のうえ手続きを補助する。」
④生活オリエンテーションの記入例
生活オリエンテーションは、入国後・在留資格変更後に速やかに実施しなければいけません。
通常は8時間以上、同一企業での在留資格変更の場合は4時間以上が必要です。外国人が理解できる言語での実施が必要になります。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 入国後に日本での生活について説明する。
- OK例
- 入国後1週間以内に、支援担当者○○がベトナム語にて8時間以上の生活オリエンテーションを実施する。説明内容は①日本のルール・マナー②ゴミの分別方法③公共交通機関の利用方法④緊急時・災害時の対応⑤医療機関の受診方法⑥金融機関の利用方法とする。実施後は生活オリエンテーションの確認書(参考様式第5-8号)に署名を得る。
NG例と比べて、OK例ではどのような内容のオリエンテーションかが一目でわかるようになっています。ルール・マナー・公共機関・災害対応など具体的な項目を列挙し、実施言語と確認書(参考様式第5-8号)への署名取得についても忘れずに記載するのがポイントです。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関に委託して実施する。入国後1週間以内に、ベトナム語にて8時間以上のオリエンテーションを対面にて行う。」
⑤日本語学習の機会の提供の記入例
日本語学習の機会の提供は、日本語学校への通学だけでなく、学習教材の情報提供や学習アプリの案内でも要件を満たせます。
費用補助がある場合は、支援計画書にその内容も記載します。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 日本語学習の機会を提供する。
- OK例
- 在留期間中を通じて継続的に以下の支援を行う。①近隣の日本語教室(○○日本語学校)の情報を入国後1週間以内に書面で提供する②日本語学習アプリ(Duolingo等)の情報を提供する③日本語学習にかかる費用(月額上限○○円)を会社が補助する。日本語学習の進捗は定期面談時に確認する。
NG例と比べて、OK例では提供する方法を具体的に列挙し「在留期間を通じて継続的に」という実施時期を明記しています。費用補助がある場合は補助額と補助条件を記載し、学習進捗の確認方法(定期面談時等)も加えるとより説得力を持たせられます。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関が日本語教室・学習教材の情報提供を行う。費用補助は月額○○円を会社が別途支給する。」
⑥相談・苦情への対応の記入例
相談・苦情への対応は、外国人が理解できる言語で随時対応できる体制を整えられているかが大切です。
そのため、対応できる担当者の氏名と連絡先を具体的に記載する必要があります。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 相談があれば対応する。
- OK例
- 支援担当者○○(電話:xxx-xxxx-xxxx、メール:xx@xx.co.jp)が平日9時~18時にベトナム語にて相談・苦情を受け付ける。時間外は留守番電話で受付し、翌営業日以内に折り返す。業務に関する相談は担当上司へ、法的問題は法務局・労働基準監督署等の関係機関へ案内し、必要に応じて同行する。相談・苦情の内容と対応結果は記録簿に記載して保管する。
NG例と比べて、OK例では担当者名と連絡先(電話番号・メールアドレス等)を具体的に明記しています。加えて、対応時間帯と時間外の対応方法(留守番電話・翌営業日折り返し等)も記載するとわかりやすくなります。
対応言語は外国人が理解できる言語を明記し、相談内容に応じた案内先(ハローワーク・労基署等)を記載するのもポイントです。その際、相談記録の保管方法まで記載すると、より審査で評価されやすくなります。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関がベトナム語にて24時間対応の相談窓口を設置する(電話:xxx-xxxx-xxxx)。内容に応じて適切な関係機関へ案内する。」
⑦日本人との交流促進の記入例
日本人との交流促進は、地域住民との交流機会を設けたり、地域行事への参加を案内・補助したりする支援です。記入の際は、具体的な取り組み内容を書かなければいけません。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 日本人との交流の機会を設ける。
- OK例
- 以下の機会を通じて日本人との交流を促進する。①入社時の歓迎会を実施し、日本人従業員との交流機会を設ける②地域の自治会・町内会の行事(お祭り・清掃活動等)の情報を随時提供し、参加を希望する場合は同行して補助する③社内の懇親会・忘年会等への参加を案内する。参加の強制は行わず、本人の意思を尊重する。
NG例と比べて、OK例では交流機会の具体的な内容(社内行事・地域行事等)を列挙しています。その際、「情報提供のみ行う」のか「同行まで行う」のかを明記してください。
また、参加は強制ではなく、本人の意思を尊重する旨を記載しておくのも大切です。社内行事と地域行事の両方に触れておくと、より具体的な内容になります。
以下のひな型を参考に、自社用にアレンジしてみましょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「地域行事の情報提供は○○登録支援機関が担当する。社内行事への案内は会社が実施する。」
⑧非自発的離職時の転職支援の記入例
非自発的離職時の転職支援は、会社都合により雇用契約が解除された場合の支援です。
自己都合退職の場合は対象外ですが、支援計画書には実施体制を記載しておく必要があります。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 離職時には転職支援を行う。
- OK例
- 会社の都合により雇用契約を解除する場合は、以下の支援を行う。①出入国在留管理庁や公共職業安定所(ハローワーク)への相談・手続きに同行する②新たな特定技能所属機関を探すための求人情報の提供および就職活動への補助を行う③在留資格に関する相談窓口(地方出入国在留管理局)を案内する。支援は雇用契約解除後、次の受入れ先が決まるまでの間、継続して実施する。
NG例と比べて、OK例では、対象を「会社都合による離職の場合」と明確に限定して記載しています。このように記載することで、転職支援の有無がより明確になります。
さらに、支援内容としてハローワークへの同行や求人情報の提供、在留資格相談窓口の案内を具体的に記載し、「次の受入れ先が決まるまで継続する」という継続性も明記します。自己都合退職の場合は、義務的支援の対象外であることを理解した上で記載してください。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関が転職支援を担当し、ハローワークへの同行・求人情報の提供・在留資格の相談窓口案内を行う。」
⑨定期的な面談・行政機関への通報の記入例
定期面談は、3ヶ月に1回以上の実施が必要です。その際、外国人本人と上司は別々に面談し、面談記録は雇用契約終了後1年以上保管しなければいけません。
2025年4月以降、外国人本人の同意があればオンライン面談も可能です。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- 定期的に面談を実施する。
- OK例
- 3ヶ月に1回以上、支援担当者○○が特定技能外国人本人および上司と別々に面談を実施する。面談はベトナム語にて行い、本人の同意がある場合はオンライン(Zoom等)での実施も可とする。面談内容は①業務上の問題の有無②生活上の悩みの有無③賃金・労働条件の実態確認とし、面談記録票に記録して雇用契約終了後1年以上保管する。労働基準法違反等が確認された場合は速やかに関係行政機関へ通報する。
NG例と比べて、OK例では実施頻度を「3ヶ月に1回以上」と明記し、本人と上司は「別々に」面談すると記載しています。合同面談のみでは、要件を満たせないためです。
さらに、2025年4月以降は本人の同意があればオンライン面談も認められる点から、その旨も記載しています。面談記録の保管期間は「雇用契約終了後1年以上」と明記し、違反発覚時の行政機関への通報義務についても記載すれば、情報の過不足はないでしょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「○○登録支援機関が3ヶ月に1回以上の面談を担当する。上司との面談は会社が実施し、結果を登録支援機関と共有する。」
⑩その他の支援の記入例
その他の支援には、2025年4月から追加された「地域共生支援」が含まれます。外国人が居住する地方公共団体が実施する、共生施策への協力・支援です。
上記を踏まえた上で、記入の際は以下の例を参考にしてください。
- NG例
- その他必要な支援を行う。
- OK例
- 【地域共生支援】外国人が居住する○○市が実施する多文化共生施策(地域日本語教室・防災訓練・外国人相談窓口等)の情報を提供し、参加を希望する場合はその参加を補助する。○○市国際課との連絡を定期的に行い、施策の最新情報を外国人に伝える体制を整える。【その他】帰国時の手続きに関する情報提供や、在留期間更新の際の手続き補助を適宜実施する。
NG例と比べて、OK例では、外国人が居住する市区町村名と具体的な共生施策の内容(日本語教室・防災訓練等)を記載しています。加えて、地方自治体の担当窓口(国際課等)との連携体制も追記し、より具体的な内容にしています。
その際、在留更新補助・帰国時手続きなど、その他の支援も併せて記載しておくと丁寧な印象を与えられるでしょう。
- 【委託する場合のひな型例】
- 「地域共生支援に関する情報収集・提供は○○登録支援機関が担当する。○○市の多文化共生施策への協力は会社・委託先が連携して対応する。」
審査に通る記入例にするためのポイント
支援計画書の審査では、指摘しやすいポイントがあります。以下を参考に、提出時の記載で問題ないかを確認してみましょう。
| よくあるNG例 | 問題点 | 対策 |
|---|---|---|
| 適切に対応する | 誰がどのように対応するかが不明 | 担当者名・連絡先・対応方法を明記する |
| 必要に応じて支援する | 実施するかどうかが曖昧 | 具体的な実施時期・方法・内容を記載する |
| 日本語で実施する | 外国人が理解できない可能性がある | 実施言語(ベトナム語等)を明記する |
| 時間数の記載漏れ | 要件(事前ガイダンス3時間以上・生活オリエンテーション8時間以上)を満たせない | 所要時間を具体的に記載する |
| 旧様式を使用している | 2025年4月以降は受理されない | 出入国在留管理庁の公式サイトから最新様式をダウンロードする |
| 外国人本人の署名がない | 様式の要件を満たさない | 記入後に必ず本人から直筆署名を取得する |
また、委託する場合は「○○登録支援機関(登録番号:第○○号)に委託して実施する」と登録番号を含めて明記するのも重要です。委託先の登録番号は、出入国在留管理庁の登録支援機関一覧から確認できるため、忘れずに記載するようにしましょう。
まとめ|記入に迷ったら専門家に相談を
支援計画書は、「誰が・いつ・どのような方法で・何語で実施するか」を具体的に記載する必要があります。審査をスムーズに通過するためにも、第三者から見て支援内容が過不足なく理解できる状態にしましょう。
そのためにも、10項目すべてに抽象的でない具体的な文章を記入するのはもちろん、2025年4月以降の新様式を使用するようにしてください。委託する場合は、登録支援機関の登録番号を明記し、全部委託か一部委託かを明確に記載するのも大切です。
なお、記入内容に不安がある場合や、初めて特定技能外国人を受け入れる場合は、入管業務に精通した行政書士への相談をおすすめします。書類の不備による審査の長期化を防ぎ、確実な受け入れを実現するためにも、早めに専門家のサポートを活用するようにしましょう。