技術・人文知識・国際業務などの就労系ビザを更新するにあたって、必要な書類を一覧で確認したいという外国人や雇用主の方も多いのではないでしょうか。
いざ準備をしようと思っても、出入国在留管理庁のHPには会社側が用意する書類と本人が用意する書類が混在しており、どちらが何を準備すべきかの分担が整理できていないケースがあります。
書類の準備に漏れがあると審査が長引く可能性があるため、事前に正確な一覧を把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、「在留資格更新の必要書類」を一覧で紹介します。就労系ビザの必要書類を中心に、「在留資格更新の共通書類」「入手方法」「提出方法」まで具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
在留資格更新許可申請とは
在留資格更新許可申請とは、現在保有している在留資格のまま、同じ活動を継続するために在留期間を延長する手続きのことです。
まずは以下にわけて、どのような申請なのかを詳しく見ていきましょう。
- ● 更新申請が必要なケース
- ● 申請できる時期(在留期限の3ヶ月前から)
更新申請が必要なケース
前述したように、在留資格更新許可申請は、現在保有している在留資格の期間を延長する手続きです。就労ビザで働き続ける場合や留学を継続する場合、配偶者として日本に在留し続ける場合など、在留資格そのものを変更せず期間だけを延ばしたいケースが対象となります。
なお、転職なしで職務内容だけが変わる場合に関しては、変更後の職務が現在の在留資格の活動範囲内であるかどうかの確認が必要です。その場合、「更新」ではなく「在留資格変更許可申請」が必要になるため注意しましょう。
申請できる時期(在留期限の3ヶ月前から)
在留資格更新許可申請は、在留期限の3ヶ月前から申請可能です。平均審査期間は2週間~1ヶ月ほどかかるとされています。申請時に必要な書類収集に時間がかかるケースもあるため、余裕を持って在留期限の2~3ヶ月前から準備を始めると良いでしょう。
特に転職を伴う更新や、カテゴリー3・4に該当する企業の場合は、通常より多くの書類が必要になるのもあり、早めの着手が重要です。
在留資格更新の共通書類
在留資格更新で準備する書類の中には、それぞれの資格で共通して必要なものがあります。以下に関してはどの資格でも求められるため、前もって準備をしておくのがおすすめです。
- ● 申請書(在留資格更新許可申請書)
- ● パスポート・在留カード
- ● 証明写真
申請書(在留資格更新許可申請書)
在留資格更新には、在留資格更新許可申請書が必要になります。出入国在留管理庁の公式サイトから無料で最新版をダウンロードできるため、そちらを活用してください。
なお、在留資格の種類ごとに様式が異なる点には注意が必要です。使い回しをすると審査で許可が下りない可能性があるため、必ず自分が更新する在留資格に対応した様式を選んでダウンロードしましょう。
また、様式は改定されることがあります。以前に使用したものを使い回すのではなく、申請のたびに最新版を確認してください。
記入の際、手書きは消えないボールペンを使用し、パソコンでの入力はExcel版が用意されているかを確認しておくのも大切です。
パスポート・在留カード
在留資格の更新時には、パスポートと在留カードの原本を窓口で提示する必要があります。事前にコピーを提出する様式もあるため、申請書の指示に従って準備しておきましょう。
その際、パスポートの残存有効期間や在留カードの有効期限(16歳未満は誕生日まで、16歳以上は在留期間満了日と同じ)も申請前に確認しておくとスムーズです。
証明写真
在留資格更新に必要な証明写真の規格は、以下のとおりです。
| 項目 | 規格 |
|---|---|
| サイズ | 縦4cm × 横3cm |
| 撮影時期 | 申請前6ヶ月以内に撮影したもの |
| 背景 | 無背景 |
| 無背景 | 無帽・正面向き・鮮明であること |
写真は申請書の写真欄に印刷したものでも受け付けられますが、規格を満たしていることが条件です。
なお、他の証明書用に撮影した写真の使い回しは、規格が異なる場合に張り直しを求められる可能性があります。特に撮影時期は重要で、規格上は6ヶ月以内となっていますが、本人の現在の状況をより確実に反映するため、3ヶ月以内にした方が良いでしょう。
在留資格別の必要書類
在留資格を更新する際は、それぞれの在留資格別に必要な書類を準備する必要があります。ここからは、以下にわけてどのような書類が必要になるのかを解説します。
- ● 就労系(技術・人文知識・国際業務)の必要書類
- ● 特定技能の必要書類
- ● 配偶者ビザの必要書類
- ● 経営・管理ビザの必要書類
- ● 留学ビザの必要書類
- ● その他の在留資格
就労系(技術・人文知識・国際業務)の必要書類
技術・人文知識・国際業務ビザの更新では、出入国在留管理庁が就労先の企業を規模ごとに4つのカテゴリーに分類しており、カテゴリーによって必要書類の量が異なります。簡単にまとめたものが、以下の表です。
| カテゴリー | 該当する企業の例 | 必要書類の量 |
|---|---|---|
| カテゴリー1 | 上場企業・独立行政法人・公益法人など | 最も少ない |
| カテゴリー2 | 前年分の給与所得の源泉徴収額が1,000万円以上の企業など | 少ない |
| カテゴリー3 | 前年分の給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表を提出している企業 | やや多い |
| カテゴリー4 | カテゴリー1~3のいずれにも該当しない企業(新設企業など) | 最も多い |
中でも、全カテゴリー共通で必要な書類は以下のようになります。
- ● 在留期間更新許可申請書
- ● 証明写真(縦4cm × 横3cm)1枚
- ● パスポート・在留カード
- ● 各カテゴリーに該当することを証明する文書(提出できない場合はカテゴリー4扱い)
カテゴリー3・4の場合は、上記に加えて以下の書類が追加で求められます。
- ● 登記事項証明書
- ● 決算書類
- ● 企業案内
- ● 雇用契約書のコピー
- ● 派遣契約書など(派遣の場合)
企業に関する書類が複数追加で必要になる、と認識しておくと良いでしょう。
外国人の方が前回の申請時から転職している場合は、新しい勤務先のカテゴリーを立証する書類が必須となるため、実質的に新規申請と同等の審査が行われる点にも注意が必要です。
参考:出入国在留管理庁 | 在留資格「技術・人文知識・国際業務」
特定技能の必要書類
特定技能の在留資格更新では、就労系ビザとは別に「1号特定技能外国人支援計画実施状況に係る届出書」など特定技能特有の書類が求められます。主な必要書類は、以下のとおりです。
- ● 在留期間更新許可申請書
- ● 証明写真
- ● パスポート・在留カードの提示
- ● 特定技能雇用契約書の写し
- ● 報酬支払証明書(直近の給与支払い実態を証明する書類)
- ● 支援実施状況に係る届出書(登録支援機関に委託している場合はその実施報告)
- ● 税務署発行の納税証明書
特定技能は分野によって追加書類が求められる場合があるため、対象分野の運用要領も併せて確認することをおすすめします。
配偶者ビザの必要書類
日本人の配偶者等の在留資格更新では、夫婦関係の実態を証明する書類が中心になります。必要な書類は、以下のとおりです。
- ● 在留期間更新許可申請書
- ● 証明写真
- ● パスポート・在留カードの提示
- ● 質問書(夫婦の馴れ初めや同居状況等を記載)
- ● 戸籍謄本(日本人配偶者のもの)
- ● 配偶者(日本人)の身元保証書
- ● 住民票(世帯全員の記載があるもの)
- ● 日本での滞在費用を証明する資料(直近の課税証明書・納税証明書など)
- ● スナップ写真(夫婦の生活実態がわかるもの)
配偶者ビザの更新では「実態のある婚姻関係が継続しているか」が審査の重要なポイントになるため、書類だけでなく夫婦の生活実態を裏付ける資料を用意しておくようにしましょう。
参考:出入国在留管理庁 | 在留資格「日本人の配偶者等」(外国人(申請人)の方が日本人の配偶者(夫又は妻)である場合)
経営・管理ビザの必要書類
経営・管理ビザの更新では、事業の継続性と安定性を証明する書類が中心になります。前述したカテゴリー1~4にわかれており、自身が在籍している企業がどのカテゴリーに該当するかによって、必要な書類が異なります。
その中でも、共通して必要な書類は、以下のとおりです。
- ● 在留期間更新許可申請書
- ● 証明写真
- ● パスポート・在留カードの提示
- ● カテゴリー1~4のいずれかに該当することを証明する文書
カテゴリー1に該当する場合は上記だけで大丈夫ですが、カテゴリー2以下は、追加で以下の書類が必要です。
- ● 直近の決算文書(貸借対照表・損益計算書の写し)
- ● 所属機関の代表者に関する申告書
- ● 登記事項証明書
- ● 事業内容を説明する書類(会社案内・パンフレット等)
- ● 給与支払事務所等の開設届出書の写し等
- ● 常勤の職員が1人以上であるとわかる賃金支払に関する文書および住民票などの資料
- ● 日本語能力を証明する資料
- ● 住民税の課税証明書および納税証明書
- ● 所属機関における公租公課の履行状況を明らかにする資料
- ● 外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
なお、事業が赤字の場合でも一律で不許可になるわけではありませんが、事業の継続性を説明する追加資料が求められることがあります。
カテゴリーは4に近付くにつれて求められる書類が増えるため、詳しくは以下のリンクからご確認ください。
留学ビザの必要書類
留学ビザの更新では、学校が発行する書類が中心になります。必要な書類は、以下のとおりです。
- ● 在留期間更新許可申請書
- ● 証明写真
- ● パスポート・在留カードの提示
- ● 在学証明書(学校発行)
- ● 成績証明書(学校発行)
- ● 出席状況を証明する書類(学校発行)
- ● 経費支弁能力を証明する書類(本人または支弁者の預金残高証明書等)
在学証明書・成績証明書・出席状況の証明書はすべて学校側でしか発行できないため、余裕を持って学校の窓口に発行を依頼するようにしましょう。
その他の在留資格
上記以外の在留資格(家族滞在・特定活動・技能等)についても、それぞれ個別の必要書類が定められています。
基本的には「在留期間更新許可申請書・証明写真・パスポート/在留カードの提示」という共通書類に加えて、扶養者との関係を証明する書類・活動内容を証明する書類など、在留資格ごとの追加書類が求められる形です。
自分の在留資格に対応する必要書類は、出入国在留管理庁の公式サイトで個別に確認することをおすすめします。
必要書類の入手方法・注意点
在留資格の更新時に必要な書類を入手する際、知っておきたいポイントがあります。中でも以下の2つは重要なので、詳しく見ていきましょう。
- ● 役所で取得する書類(住民票・納税証明書等)
- ● 書類の有効期限に注意
役所で取得する書類(住民票・納税証明書等)
在留資格の更新で必要になる住民票・課税証明書・納税証明書といった役所発行の書類は、居住地の市区町村役場の窓口またはコンビニ交付サービス(マイナンバーカードが必要)で取得できます。以下の表を参考に、取得しておきましょう。
| 書類名 | 取得先 | 発行にかかる目安時間 |
|---|---|---|
| 住民票 | 市区町村役場・コンビニ交付 | 即日 |
| 課税証明書・納税証明書 | 市区町村役場・コンビニ交付 | 即日~数日 |
| 戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場・コンビニ | 即日~郵送の場合後日 |
| 登記事項証明書 | 法務局 | 即日 |
特に転職して間もない場合や前年に別の市区町村に住んでいた場合は、課税証明書の発行に時間がかかることがあるため、早めに取得しておくことをおすすめします。
書類の有効期限に注意
在留資格の更新で必要になる多くの証明書類には、「発行から3ヶ月以内」といった有効期限が設けられています。申請が近いからといって慌てて取得すると、他の書類の準備に時間がかかっている間に有効期限が切れてしまうリスクがあるため注意しましょう。
証明写真も「申請前6ヶ月以内に撮影したもの」という規定があるため、書類収集のスケジュールを立てる際は、有効期限が短い書類ほど後半に取得するよう順序を工夫する方法がおすすめです。
更新申請の提出方法(窓口・郵送・オンライン)
在留資格更新許可申請の提出方法は、以下の3つの方法があります。
| 提出方法 | 特徴 |
|---|---|
| 窓口提出 | 住民票がある地域を管轄する地方出入国在留管理官署。平日9時~12時、13時~16時の間に提出。取次者による提出も可能 |
| 郵送提出 | 一部の手続きで対応。簡易書留での送付が必要 |
| オンライン申請 | 出入国在留管理庁電子届出システムを利用。24時間申請可能・審査状況の確認もできる |
オンライン申請の対象者は、所属機関が出入国在留管理庁への「利用申出」を行っている場合の中長期在留者(在留カード保有者)や所属機関の職員など、利用できる人が限られます。利用できない場合は、窓口提出か郵送での提出を検討すると良いでしょう。
なお、窓口提出の場合、取次者が提出すれば申請人本人の出頭は原則不要ですが、日本国内に滞在していることが条件です。18歳以上の方は、取次者による申請を除き、原則として自身で手続きを行う必要があります。
よくある質問(FAQ)
- 家族の在留資格も一緒に更新できますか?
- 可能です。配偶者や子どもの在留資格も同時に更新申請でき、「手続きが一度で済む」「審査期間が同じになる」というメリットがあります。ただし、家族それぞれの在留資格に応じた必要書類を個別に準備する必要がある点には注意しましょう。
- 転職した場合、更新の必要書類は変わりますか?
- はい、大きく変わります。前回の申請時から転職している場合、新しい勤務先のカテゴリーを証明する書類(法定調書合計表・決算書類等)が新たに必要になります。そのため、実質的に新規申請と同等の審査が行われる形です。書類の不備には特に注意しましょう。
- 許可された後、新しい在留カードはどう受け取るのですか?
- 許可されると、はがきで通知が届きます。指定された地方出入国在留管理官署に出向き、収入印紙6,000円分(オンライン申請の場合は5,500円分)を貼付した手数料納付書を提出したうえで、新しい在留カードを受け取る形です。また、郵送での受取も可能ですが、一定の条件を満たした場合となります。
参考:出入国在留管理庁 | オンラインでの申請手続きに関するQ&A - 必要書類が1つ足りない場合はどうなりますか?
- 窓口で指摘を受け、追完(後日の追加提出)を求められる場合と、そのまま受理されず出直しを求められる場合があります。どちらも、その分時間がかかってしまうため、事前にチェックリストで漏れがないか確認したうえで申請するようにしましょう。
まとめ|書類準備が不安なら行政書士へ相談
在留資格更新許可申請の必要書類は、共通で必要な「申請書」「証明写真」「パスポート/在留カード」に加え、在留資格の種類によって大きく異なります。
特に、就労系(技術・人文知識・国際業務)ビザでは、勤務先企業のカテゴリー(1~4)によって必要書類の量が大きく変わり、転職を伴う場合はより厳格な審査が行われる点に注意が必要です。
更新の申請は在留期限の3ヶ月前から可能ですが、役所発行の証明書には有効期限があるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めるのも忘れないようにしましょう。
もし、書類の準備や在留資格ごとの要件に不安がある場合は、入管業務に精通した行政書士への相談もおすすめです。審査の長期化や不受理といったリスクを防ぎながら、更新手続きを進められます。