在留資格の変更を申請しようとして出入国在留管理庁のサイトから申請書をダウンロードしたものの、項目が多すぎてどこに何を書けばいいかがわからない。
このような状態で、書類の作成が止まってしまっている方も多いのではないでしょうか。記入例や書き方の説明を探してもわかりやすいものが見つからず、記入内容が正しいかどうかの判断もできないのは、珍しいことではありません。
ましてや、記入ミスや書類の不備があると審査に時間がかかり、在留期限が迫っている場合には深刻な問題です。
そこで本記事では、記入例を用いながら「在留資格変更許可申請書の書き方」を紹介します。全項目の具体的な記入例と注意点を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
在留資格変更許可申請書とは
在留資格変更許可申請書とは、現在持っている在留資格を別の種類の在留資格へ変更する際に、出入国在留管理庁に提出する書類です。どのような書類なのか、まずは以下にわけて詳しく解説します。
- ● どんなときに提出する書類か
- ● 申請書のダウンロード方法(出入国在留管理庁HP)
- ● 申請書の種類(様式第1号~)
どんなときに提出する書類か
在留資格変更許可申請書は、以下のような場面で使用します。
- ● 「留学」→「技術・人文知識・国際業務」(卒業後に就職する場合)
- ● 「技術・人文知識・国際業務」→「特定技能」(転職等で在留資格の変更が必要な場合)
- ● 「特定活動」→「特定技能」(在留資格の変更が必要な場合)
- ● 「家族滞在」→「技術・人文知識・国際業務」(就労を開始する場合)
見るとわかるように、すべて現在の在留資格を変更する場面です。使う場面は非常に限定されていると認識して良いでしょう。
なお、申請は原則として、現在の在留期間が満了する前にしなければなりません。そのため、在留期限が迫っている場合は早めに手続きをするようにしてください。
申請から審査結果が出るまでの標準的な期間は1ヶ月~2ヶ月程度であるため、余裕を持った行動が大切です。
申請書のダウンロード方法(出入国在留管理庁HP)
在留資格変更許可申請書は、出入国在留管理庁の公式サイトから無料でダウンロードできます。
「在留資格変更許可申請書」のページにアクセスし、変更後の在留資格に対応した様式をダウンロードしてください。様式はPDF形式とExcel形式の2種類が用意されており、Excel形式はパソコンで直接入力できるため、手書きに自信がない方はExcel版がおすすめです。
なお、様式は定期的に更新されるため、申請のたびに必ず最新版をダウンロードしましょう。古い様式を使用すると受理されない場合があります。
申請書の種類(様式第1号~)
申請書の様式は、変更後の在留資格によって異なります。主な様式の対応関係は、以下のとおりです。
| 様式番号 | 対応する在留資格 |
|---|---|
| 様式第8号 | 技術・人文知識・国際業務・研究・技能・介護など |
| 様式第13号 | 特定技能 |
| 様式第1号 | 永住者の配偶者等・定住者など |
| 様式第9号 | 特定活動 |
在留資格を変更する際は、変更後の在留資格を確認し、対応する様式を選んでダウンロードしてください。様式を間違えると窓口で受理されない場合があるため、事前に確認するようにしましょう。
もし、どの様式を使っていいのかわからない場合は、出入国在留管理庁の窓口や行政書士に確認するのもおすすめです。
在留資格変更許可申請書の記入例(全項目解説)
在留資格変更許可申請書を記入する前に、パスポートと在留カードを手元に用意してください。氏名・生年月日・国籍・在留資格などは、パスポートと在留カードの記載と完全に一致させなければいけないためです。
そのうえで、ここからは以下にわけてそれぞれの記入例を紹介いたします。
- 1. 氏名・生年月日・性別の書き方
- 2. 国籍・地域の書き方
- 3. 住居地の書き方
- 4. 在留資格・在留期間の選び方と書き方
- 5. 変更後の在留資格の選び方
- 6. 勤務先・就労内容の書き方
- 7. 最終学歴の書き方
- 8. 申請理由の書き方(重要)
- 9. 代理人・取次者欄の書き方
【1】氏名・生年月日・性別の書き方
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 氏名(ローマ字) | NGUYEN VAN A(姓:NGUYEN、名:VAN A) |
| 氏名(漢字) | 行政太郎(漢字圏の方のみ) |
| 生年月日 | 1998年(平成10年)5月15日 |
| 性別 | 男・女のどちらかに○ |
氏名は、パスポートに記載されているローマ字表記をそのまま記入します。姓(Family Name)と名(Given Name)をわけて記入する欄がある場合は、パスポートの記載順に従ってください。
生年月日は西暦と元号どちらで記入してもかまいませんが、記入欄の指定に従いましょう。なお、氏名はパスポートと完全に一致させるようにしてください。
【2】国籍・地域の書き方
| 国籍 | 記入例 |
|---|---|
| ベトナム出身の方 | ベトナム |
| 中国出身の方 | 中国 |
| フィリピン出身の方 | フィリピン |
| 韓国出身の方 | 韓国(大韓民国) |
国籍は、パスポートに記載されている国名を日本語で記入します。「地域」欄は、台湾出身の方等が記入する欄です。そのため、中国籍の方が「台湾」と記入するのは誤りとなるため注意しましょう。
国籍・地域の表記に関しても、パスポートの記載と照合して正確に記入するようにしましょう。
【3】住居地の書き方
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 都道府県 | 都道府県 |
| 市区町村 | 新宿区 |
| 番地・号 | 西新宿○丁目○番○号 |
| 建物名・部屋番号 | ○○マンション○○○号室 |
| 電話番号 | 090-xxxx-xxxx |
住居地は、住民票に登録されている住所を正確に記入します。この場合も、住民票の住所と完全に一致させる必要があります。
なお、引越し後に住所変更届を出していない場合は、先に住所変更の手続きを行ったうえで申請書を記入してください。
【4】在留資格・在留期間の選び方と書き方
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 現在の在留資格 | 留学 |
| 現在の在留期間 | 1年(在留カードの記載通り) |
| 在留期限 | 2027年3月31日(在留カードの記載通り) |
| 在留カード番号 | AB12345678CD(在留カード右上の番号) |
現在の在留資格と在留期間を記入する欄には、現在の在留カードに記載されている内容をそのまま転記します。その際、在留期限は年月日を正確に記入してください。
【5】変更後の在留資格の選び方
| 変更したい項目 | 記入する在留資格 |
|---|---|
| 日本企業に就職する(事務・IT等) | 技術・人文知識・国際業務 |
| 特定技能の職種で働く | 特定技能1号 |
| 日本人と結婚した | 日本人の配偶者等 |
| 永住者と結婚した | 永住者の配偶者等 |
変更後の在留資格の欄には、これから取得したい在留資格を記入します。在留資格の名称は正式な名称を記入するようにしてください。
なお、「就労ビザ」という表記は正式な在留資格の名称ではないため、使用してはいけません。取得したい在留資格の正式名称を確認したうえで、正確に記入しましょう。
【6】勤務先・就労内容の書き方
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 名称 | 株式会社○○ |
| 事務所名(支点・営業所等) | 本社 / ○○営業所 |
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿○丁目○番○号 |
| 電話番号 | 03-xxxx-xxxx |
| 業種 | 情報通信業 |
| 職種 | システムエンジニア |
| 年収(税込み) | 400万円 |
勤務先欄には、就職・転職先の会社情報を記入します。その際、就労内容は専攻・学歴との関連性が審査で確認されるため、具体的かつ正確に記入するようにしましょう。
また、ミスがないように会社の情報(売上高・雇用保険番号等)は会社側に確認して記入することをおすすめします。
【7】最終学歴の書き方
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 学歴の区分 | 大学(学部)・大学院(修士)等から選択 |
| 学校名 | ○○大学 |
| 専攻・専門分野 | 情報工学 |
| 卒業年月日 | 2026年3月31日 |
最終学歴には、日本または母国で最後に卒業・修了した学校の情報を記入します。在籍中の場合は、「卒業予定:2026年3月」と記入してください。
なお、専攻・専門分野は、就労内容との関連性が審査で重視されるため、具体的に記入するようにしましょう。例えば「理工学部情報工学科」のように、学部・学科名を含めて記入するとより明確でわかりやすくなります。
【8】申請理由の書き方(重要)
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 変更の理由 | 株式会社○○に内定し、システムエンジニアとして従事することになったため |
| 業務内容と専攻の関連性 | 大学では情報工学を専攻しており、習得した知識を就職先での業務に活かすことができます |
| 今後の就労予定 | 2026年4月1日より正社員として勤務予定です |
申請理由は、審査において重要な判断材料になる項目です。「就職が決まったから」という一文では不十分となるため、上の内容を参考に具体的に記入しましょう。
その際、申請理由はできるだけ具体的かつ事実に基づいて記入してください。虚偽の記入は在留資格の取り消しや再申請の禁止につながるため、絶対にしてはいけません。
【9】代理人・取次者欄の書き方
| ケース | 記入内容 |
|---|---|
| 本人が申請する場合 | 記入不要(空欄でよい) |
| 法定代理人(未成年の親等)が申請する場合 | 代理人の氏名・住所・続柄を記入 |
| 取次者(行政書士・雇用主等)が申請する場合 | 取次者の氏名・所属機関・連絡先を記入 |
代理人・取次者欄は、本人以外が申請を行う場合に記入する欄です。そのため、本人が申請する場合は記入不要です。法定代理人が申請する場合は、代理人の氏名・住所・続柄を記入するようにしてください。
一方で、行政書士が取次者として申請する場合は、行政書士の氏名・登録番号・事務所の情報を記入します。雇用主が取次申請を行う場合は、事前に出入国在留管理局への利用申出が必要になるため、注意しましょう。
記入時の注意点・よくあるミス
在留資格変更許可申請書を作成する際に、気を付けたい注意点があります。中でも以下の3点は起こりやすいミスなので、注意しましょう。
- ● 英語・ローマ字表記のルール
- ● 鉛筆書きNG・訂正の仕方
- ● 証明写真の規格
英語・ローマ字表記のルール
氏名のローマ字表記は、パスポートに記載されているとおりの記入が基本ルールです。もし、パスポートの表記と申請書の表記が異なっていた場合は、書類の不備として扱われるため注意が必要です。記入の際は、以下の点に気を付けてください。
- ● 姓(Family Name)と名(Given Name)の順番はパスポートの記載に従う
- ● 大文字・小文字の区別はパスポートに合わせる(一般的にすべて大文字)
- ● ハイフン・スペースの有無もパスポートの記載通りに転記する
- ● 漢字圏(中国・韓国等)の方は漢字氏名も記入する欄がある
これらの中で多いミスは、パスポートと異なる表記で記入してしまったケースです。思い込みで書いてしまう可能性もあるため、記入後にパスポートと照合するようにしましょう。
鉛筆書きNG・訂正の仕方
在留資格変更許可申請書では、以下のルールが設けられています。必ず守るようにしましょう。
- ● 使用できる筆記用具:黒または青のボールペン・万年筆(消えないもの)
- ● 使用できない筆記用具:鉛筆・消せるボールペン・カラーペン
- ● 修正液・修正テープの使用:不可
- ● 間違えた場合の訂正方法:二重線で消して上または横に正しい内容を記入し、訂正印を押す
読み取れない文字や消えかけた文字があると、書類の不備として扱われます。特に、氏名・住所・日付は丁寧に記入してください。
ミスがあった場合は、手間ですが最初から書き直すなど、修正液や修正テープを使わないようにするのも大切です。特に、後で修正できる鉛筆や消せるボールペンは厳禁です。
証明写真の規格
在留資格変更許可申請書に貼り付ける証明写真にも、明確な気格が定められています。以下を必ず守りましょう。
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| サイズ | 縦4cm × 横3cm |
| 撮影期間 | 申請前6ヶ月以内 |
| 背景 | 白または薄い無地の色 |
| 服装 | 普段着(スーツ等でなくてもよい) |
| 表情 | 正面向き・無帽・無表情 |
| その他 | デジタル加工なし・カラー |
証明写真機または写真スタジオで撮影したものを使ってください。スマートフォンで撮影したものは推奨されていません。また、写真の裏面には氏名を記入しておくのも大切です。
在留資格変更許可申請書のよくある質問
- 申請書は本人が書かなければなりませんか?
- 申請書の作成は、本人以外がしても問題ありません。ただし、申請書の最後にある「申請人等作成用」の署名欄には、本人が直筆で署名する必要があります。多くの場合、会社の社員や行政書士が代わりに記入したうえで、本人に署名してもらう形が一般的です。
- 記入ミスに気づいた場合、提出後に修正できますか?
- 提出後の修正は、原則としてできません。窓口への提出前に気づいた場合は、二重線で訂正して訂正印を押してください。郵送後や窓口提出後に気づいた場合は、速やかに申請を受け付けた出入国在留管理局に連絡しましょう。
- 申請書の記入はパソコンでしてもいいですか?
- 出入国在留管理庁のHPからExcel形式の様式をダウンロードすれば、パソコンでの入力が可能です。ただし、署名欄は必ず本人が直筆で署名する必要があります。なお、手書きの場合はボールペンか万年筆で書くようにしてください。鉛筆での記入は認められていません。
- 在留期限の直前に申請しても大丈夫ですか?
- 在留期限の2~3ヶ月前には申請した方が良いでしょう。審査期間は通常1~3ヶ月程度かかるため、期限ギリギリの申請では審査が終わる前に在留期限を迎えてしまう可能性があります。なお、在留期限前に申請をした場合は、許可または不許可の判断が出るまで引き続き在留できます。
まとめ|申請書の書き方に不安があれば行政書士へ
在留資格変更許可申請書は、パスポートと在留カードの記載と完全に一致させるだけでなく、変更後の在留資格に対応した最新の様式を使用し、申請理由を具体的に記入できるかが作成のポイントになります。
記入ミスや書類の不備は審査の長期化につながるため、提出前に必ずパスポートや在留カードとの照合をするようにしましょう。
もし、申請書の書き方に不安がある場合は、入管業務に精通した行政書士への相談もおすすめです。より確実に在留資格変更許可申請書を作成できます。