「家族滞在」の在留資格で日本に在留している方が日本の高等学校を卒業して就職しようとする場合、「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格では学歴・職歴の基準を満たさず、就職の機会が限られてしまうことがあります。
そこで出入国在留管理庁は、幼少期から日本で育ち、日本社会への定着性が認められる方について、一定の要件を満たす場合に「定住者」または「特定活動」への在留資格変更を認める取扱いを公表しています。
この取扱いは継続的に見直されています
令和6年7月24日に「特定活動」から「定住者」への変更許可要件が、令和6年9月30日に「5年以上在留」に算入する期間が、それぞれ追記されました。最新の内容は出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格をもって在留し、高等学校卒業後に日本での就労を希望する方へ」をご確認ください。
「定住者」と「特定活動」、2つのルートがあります
どちらに該当するかを分ける最大のポイントは、日本の義務教育(小学校・中学校)を修了しているかどうかです。
| 「定住者」への変更 | 「特定活動」への変更 | |
|---|---|---|
| 日本の義務教育の修了 | 必要 | 不要 |
| 日本の高校の卒業 (卒業見込みを含む) | 必要 | 必要 ※編入した方は日本語能力試験N2以上等も必要 |
| 扶養者が身元保証人 として在留していること | 不要 | 必要 |
| 就労 | 制限なし | 指定された活動の範囲 更新時も扶養者を保証人とする身元保証書が必要 |
いずれのルートも、資格外活動許可の範囲(1週について28時間)を超えて就労する場合が対象です。また「家族滞在」以外の在留資格(「留学」等)で在留していても、「家族滞在」の在留資格該当性がある方は対象となります。
「定住者」への変更の6要件
- (1) 我が国の義務教育を修了していること
- (2) 我が国の高等学校を卒業していること又は卒業見込みであること
- (3) 入国後、引き続き「家族滞在」の在留資格をもって日本に在留していること
- (4) 入国時に18歳未満であること
- (5) 就労先が決定(内定を含む。)していること
- (6) 住居地の届出等、公的義務を履行していること
(1)の「義務教育」は、小学校(義務教育学校の前期課程・特別支援学校の小学部を含む)および中学校(夜間中学を含み、義務教育学校の後期課程・中等教育学校の前期課程・特別支援学校の中学部を含む)を卒業していることを指します。
(2)の「高等学校」には、定時制・通信制課程のほか、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校、専修学校の高等課程(大学入学資格が認められる課程として文部科学大臣が指定したものに限る)も含まれます。
「特定活動」への変更の6要件
- (1) 我が国の高等学校を卒業していること又は卒業見込みであること
- (2) 扶養者が身元保証人として在留していること
- (3) 入国後、引き続き「家族滞在」の在留資格をもって日本に在留していること
- (4) 入国時に18歳未満であること
- (5) 就労先が決定(内定を含む。)していること
- (6) 住居地の届出等、公的義務を履行していること
高等学校に編入した方については、卒業に加えて日本語能力試験N2以上またはBJTビジネス日本語能力テスト400点以上を証明する資料の提出が必要です。
「特定活動」から「定住者」へのステップアップ
【令和6年7月24日追記】「特定活動」に変更した後も、次の要件をすべて満たせば「定住者」への変更が認められます。
- 本邦の高等学校卒業以上の学歴を有すること
- 就労を目的とする「特定活動」または就労資格により5年以上在留していること
- 就職先が決定(内定を含む。)していること
- 入管法上の届出義務、公的義務を履行していること
【令和6年9月30日追記】「5年以上在留」の期間には、本邦の大学・専門学校・高等専門学校・高等学校専攻科で教育を受けた後に就職した場合、その教育を受けた期間も算入されます。
つまり、高校卒業後に進学してから就職した方は、就労期間だけで5年を数える必要はありません。
申請の際の留意点
- 高等学校の在学中に申請する場合、卒業証書の写しまたは卒業証明書は在留資格変更許可時(在留カード受領時)に提出することになります
- 在留資格変更許可申請では、履歴書、卒業を証明する書類、雇用契約書・内定通知書等、身元保証書、世帯全員の住民票などが必要です
- 在留期間更新許可申請では、在職証明書、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書、身元保証書などが必要です
- 提出した資料は原則として返却されません。再度入手することが困難な原本等の返却を希望する場合は、申請時に申し出てください
「家族滞在」から「定住者」への変更については、家族滞在から定住者に変更できる?の記事でも詳しく解説しています。