経営管理ビザの許可率が低い要因
経営管理ビザの特徴として、他のビザよりも許可率が低いというものがあります。
言い換えれば、不許可率が高い申請なのです。
他のビザと比べても許可率が低いため、申請時には注意した方が良いでしょう。
特に以下の3つが要因と考えられます。
- ● 学歴や職歴要件がないため申請しやすい
- ● 取得までの工程が複雑
- ● 事業計画書が不十分
これらの中で最も要因として多いのが、申請しやすい点です。
経営管理ビザは他のビザと比べて、要件が緩く設定されています。
学歴や職歴を一切問われないため、フリーターからでも取得できてしまうのです。
もちろん資本金500万円を用意する必要はあります。
しかし逆に言えば、それさえあれば申請できます。
そのため申請のためのハードルが低く、外国人の方に「とりあえず会社を作ったらビザを取得できる」と勘違いさせやすい要因となっています。
また申請してから取得するまでの工程は複雑であるため、事業計画書も含めて不許可とされる可能性が高い面もあります。
結果的に、申請しやすいと考えて申請した結果、審査の厳しさでビザは取得できないのです。
許可率が低い要因は、入り口の低さにあると考えて良いでしょう。
経営管理ビザの要件にない学歴で不許可になることも
経営管理ビザの申請・取得に学歴は不要ですが、場合によっては不許可となることがあります。
特に留学ビザから経営管理ビザへ変更する際は注意しましょう。
審査の際に経営者の資質を疑問視されるからです。
通常、留学ビザで来日している留学生は、社会人経験が不足していると見られます。
そのため、ただ単に資本金500万円を用意しただけでは不許可となる可能性があるのです。
不許可にならないためには、以下のように経営者の資質があることをアピールしましょう。
- ● 綿密な事業計画書の作成
- ● 事務所の確保
- ● 資本金の形成過程の詳細
これらを意識することで、資質ありと認められる可能性が高くなります。
また同様に気をつけたいのが、卒業するまで在籍すること。
例えば以下の場合、卒業と比べると審査の際に疑問を持たれる可能性が高くなります。
- ● 大学や専門学校を中退している
- ● 大学や専門学校を除籍された
これらの場合、なぜ中退・除籍されたのかは必ず審査の際に聞かれます。
学校に行きたくないけど日本にいたいといった理由は通じません。
そのためにも学歴はできるだけ意識しましょう。
経営管理ビザの許可率を上げるために必要なこと
経営管理ビザは申請のハードルが低いものの、事業に関しての審査は厳しい特徴があります。
ですが申請をするのなら、なるべく許可率の高い方法で申請したいのは誰しも思うことです。
まず大前提として、これさえしておけば必ず許可される方法はありません。
必要書類を全て集めれば取得できる在留資格ではないのです。
ましてや事業を始める準備と並行して申請するのは、並大抵のことではありません。
せっかく申請したのにも関わらず審査が通らず、経営管理ビザを取得できないと全ての計画が狂ってしまうことも考えられます。
少しでも許可率を上げるのであれば、在留資格を専門に取り扱っている行政書士に相談するのが最も効果的です。
特に経営管理ビザを扱っているかどうかは必ずチェックしましょう。
経営管理ビザは、数ある在留資格の中でも特殊な部類に入ります。
事業に関わる全ての準備をした上でなければ申請できないことから、扱う側としても慎重にならざるを得ません。
そのため経営管理ビザを扱っていると表明している行政書士は、豊富な知識を持っている証でもあります。
許可の可能性を少しでも上げたい場合は、検討してください。
経営管理ビザの申請が不許可になる理由とは
経営管理ビザの申請が不許可になる理由は、以下の2つに大きく分けられます。
- ● 提出した資料の立証・説明が不十分である
- ● 許可要件を満たしていない
提出前に気を付けたいのが、提出した資料の立証・説明の部分です。
これらの点に関しては、その資料が正しいという書類を添付することで補足できます。
例えば以下です。
- ● 資本金500万円:出所の証明
- ● 事務所:不動産契約書と物件の写真・平面図
- ● 事業計画書:売上予測・原価・人件費・利益率
誰の目から見ても理解できるように意識して用意してください。
これを用意すれば、提出した資料で疑問を感じられることは少なくなるでしょう。
逆にいえば、第三者の目から見て先行きが不透明な計画書だと、許可されない可能性が高くなります。
しかしもう1つ気をつけたいものがあります。
それが、許可要件です。
特に以下のケースで多く不許可とされています。
- ● 事務所が自宅兼事務所となっている
- ● 事務所の不動産賃貸借契約書の使用目的が「居住用」となっている
- ● バーチャルオフィス・シェアオフィスで明確に区画されていない
- ● 事業計画書のビジネスモデルと比べて事務所スペースが狭すぎる
- ● 経営管理ビザを同一会社で2名申請している合理的理由がない
- ● 留学生が中退・除籍後に申請している
- ● 就学生がオーバーワーク(28時間を超えて労働)している
- ● 申請者が刑事事件で有罪判決を受けている
- ● 配偶者ビザで離婚してすぐに経営管理ビザの申請をしている
これらは要件を満たしていないと判断される可能性が高い傾向にあります。
申請を考えている外国人の方は、自分がどれかを満たしていないか1度確認してみましょう。
経営管理ビザの申請時に気を付けるポイント
経営管理ビザの申請時には気をつけるべきポイントがあります。
申請時に必要な書類の準備はもちろんですが、それと同等に気をつけたいポイントが審査期間です。
審査期間はどの在留資格でも申請時に関わってくる要素ですが、経営管理ビザでももちろん関係があります。
特に経営管理ビザは審査が厳しいこともあるため、他のビザの申請よりも時間を要する可能性があります。
一般的には3ヶ月程度と言われていますが、審査の内容によってはそれ以上かかる場合もあるしょう。
そうなると意識せざるを得ないのが、資金です。
例えば以下のものが挙げられます。
- ● 不動産賃料
- ● 生活費
これらは全く事業を運営していないのにも関わらず、経費として必要です。
もし不許可となった場合は、これらにかかった費用が無駄になることにも。
申請時に先行投資していた不動産費用や会社設立費用も無駄になりかねません。
不許可になった場合のリスクは非常に高い在留資格なのです。
これらのことから、経営管理ビザは1度の申請で許可が下りるように事前準備をしておく必要があるといえます。
経営管理ビザの申請で事業計画書は重要
経営管理ビザの申請において、事業計画書は最重要項目です。
これは、経営管理ビザが申請者である外国人の方の学歴・職歴の要件を設けていないことからも推測できます。
つまり細かい人材要件を問わない一方で、事業を成り立たせていくだけの客観的な根拠が必要なのです。
起業とは本来、スタートさせないとわかりません。
計画通りに行くことはまずないのが事業経営です。
その中で誰の目から見ても納得のできる事業計画書を作成するのは、容易ではありません。
そんな事業計画書を作成するには、ビジネスの内容を具体的な数字にまで細分化し、収支計画に落とし込む必要があります。
- ● ターゲット層
- ● 商品品目
- ● 価格設定
- ● 損益計画書(最低でも1年)
- ● 組織
- ● 人員計画
これら数字を使えるものに加え、経営理念など会社経営において重要なものも盛り込みます。
経営管理ビザは申請して取得すれば終わりではありません。
取得した後、どのように事業を発展させていくかも経営者の資質として問われます。
事業計画書に加え、裏付けとなる資料もセットにして信頼性も担保しましょう。
まとめ
経営管理ビザは、他の在留資格と比べても許可率が低い傾向にあります。
これは申請の要件が低い割に審査が非常に厳しいことから来ています。
学歴を問わない場合でも、中退や除籍処分であれば不許可となる可能性が高いため、簡単に取得できる在留資格ではないといえます。
申請には最低でも3ヶ月以上の時間が必要です。
しかしその間は事務所の賃料や生活費のようなランニングコストがかかります。
不許可となるとそれまでの準備が水の泡となるため、準備を怠らないようにしましょう。
不安な場合は行政書士などの専門家に相談するのもオススメです。
特に経営管理ビザを対応してくれる行政書士なら強い味方となってくれるでしょう。
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