日本では、人が死亡した場合は相続が発生し、死亡した方(被相続人)の財産がその配偶者や子等に受け継がれることになります。
では、日本に帰化した元外国人の方が死亡した場合の相続はどうなるのでしょうか。行政書士がわかりやすく解説します。
帰化申請のご相談は、行政書士法人Climbへ。
初回相談は無料です。日本語・英語・中国語・ベトナム語・ネパール語で、来所またはZoomでご相談いただけます。
相続が発生したら何をするべき?
▼ 本国と日本、どちらの法律が適用される?
まず、日本に帰化した元外国人の方が被相続人となる相続では、元々の国籍国の法律が適用されるのか、日本の法律が適用されるのかどちらでしょうか。
この場合、財産を相続する配偶者や子等(相続人)が外国籍であったとしても、被相続人が帰化して日本国籍であれば日本の法律が適用されます。
帰化の必要書類と条件の確認は、無料相談(60分)でお受けしています。
▼ 相続人の範囲は?
次に、相続が発生したらするべきことは「相続人の範囲の確定」です。
相続人の範囲の確定をするために、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得します。
日本の戸籍については、被相続人が日本に帰化した時点以降の戸籍しか取得することができません。
日本に帰化する以前の戸籍については、帰化前の母国の戸籍謄本やその代わりになる書類(死亡証明書、出生証明書、婚姻証明書等)を取り寄せて、翻訳文をつけることになります。
▼ 元韓国籍で帰化した方が被相続人となる場合
ここでは、1つのケースを取り上げてご説明します。
25歳で日本に帰化し、日本国籍となった元韓国人のAさんが死亡したとします。
被相続人となる相続の場合には、以下のような手順で必要な書類を取得します。
- ① 日本に帰化した時以降のAさんの「日本の戸籍謄本」を取得する
- ② 帰化する以前(25歳以前)の戸籍を取得するために、「外国人登録原票」を取得する
- ③ 外国人登録原票に記載されている出生地を確認し、在日韓国大使館に対し、「家族関係登録簿等証明書(戸籍謄本)」の取得申請をする
- ④「家族関係登録簿等証明書」を韓国語から日本語に翻訳する
以上のような流れで、出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、相続人の範囲の確定させます。
ただし、すべてのケースに当てはまるとは限りませんので、不安な場合には専門家へ相談することをお勧めします。
▼ 被相続人の帰化前の本国に戸籍制度がない場合
世界の国々では、日本のような戸籍制度がない国がとても多くあります。
そのため、被相続人の帰化前の本国に戸籍制度がない場合には、戸籍謄本に代わる書類(相続人の範囲を確定するに資する書類)を収集する必要があります。
この場合、帰化前の本国における「死亡証明書」、「出生証明書」、「婚姻証明書」等を取得し、これらの日本語訳を付けることになります。
また、場合によっては相続人を証明するための「宣誓供述書」を作成することもあります。
このように、被相続人の帰化前の本国に戸籍制度がない場合には、どの証明書類が必要なのかという検討から実際の取得と翻訳の作業があるために、日本人だけの相続手続きに比べて難しいものになります。
よくある質問
Q.帰化した人の相続に日本の法律が適用されるのは、何を根拠にしているのですか?
A.「法の適用に関する通則法」第36条が「相続は、被相続人の本国法による」と定めているためです。亡くなった方が帰化して日本国籍になっていれば本国法は日本法となり、相続人の範囲や法定相続分は民法に従います。反対に、帰化していない外国籍の方が亡くなった場合は、原則としてその方の本国法が適用されるため、帰化の有無によって適用される法律が変わります。(出典:e-Gov法令検索「法の適用に関する通則法」第36条、確認日:2026年11月5日)
Q.帰化前の記録である「外国人登録原票」はどこに請求しますか?
A.外国人登録制度の廃止後、外国人登録原票は出入国在留管理庁が保管しています。亡くなった方の原票の写しは、死亡当時の配偶者、直系尊属・直系卑属、兄弟姉妹、同居の親族などが、交付請求書と本人確認書類を添えて、同庁総務課の出入国情報開示係に請求します。手数料は無料ですが、交付までに長期間を要するとされているため、相続手続では早めに請求することが大切です。(出典:出入国在留管理庁「死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求」、確認日:2026年11月5日)
Q.相続人が外国に住んでいる場合、日本の相続税はかかりますか?
A.国税庁は、相続で財産を取得したときに日本に住所がない人は、原則として日本国内にある財産だけが相続税の課税対象になると説明しています。ただし、日本国籍を持ち、被相続人の死亡前10年以内に日本に住所があった場合などは、国外財産も課税対象です。日本に住所がない相続人は納税管理人を定め、納税地の所轄税務署に申告・納税します。個別の扱いは税務署や税理士に確認してください。(出典:国税庁「No.4138 相続人が外国に居住しているとき」、確認日:2026年11月5日)
帰化の要件・必要書類・申請の流れは、『帰化申請の要件・必要書類・費用・流れ』で詳しく解説しています。
関連記事
- ・帰化したら在留カードとパスポートはどうする?返納先と手続き
- ・生活保護を受けたら帰化申請はできない?親や家族の生活保護も影響する?
- ・帰化申請は、交通違反したらどのくらい影響する?駐車違反は問題になる?
帰化申請の無料相談(要件チェック付き)→ お申込みはこちら