【2027年4月開始】育成就労の3年間のゴールは「特定技能1号」です
育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の水準の人材を育成する制度です。この記事では、出入国在留管理庁の「育成就労制度Q&A」と「育成就労制度 運用要領(令和8年8月版)」をもとに、特定技能1号へ移行するための要件と、育成就労中の転籍(受入れ先の変更)の条件を整理します。
特定技能1号へ移行するための要件
育成就労制度Q&Aでは、次の2つの試験に合格することが、特定技能1号への移行の要件とされています。
- ・技能に関する試験:技能検定試験3級等、または特定技能1号評価試験
- ・日本語能力に関する試験:日本語能力A2相当以上の試験
試験に合格できなかった場合でも、最長1年の範囲内で、一定の在留継続が認められる可能性があるとされています(育成就労制度Q&A)。
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育成就労中の転籍の2つの種類
育成就労制度では、受入れ先を変える「転籍」が、次の2つの場面で認められます。
① やむを得ない事情がある場合の転籍
暴力やパワーハラスメントなどの人権侵害を受けた場合など、やむを得ない事情がある場合には、転籍が認められます(育成就労制度Q&A)。
② 本人の意向による転籍
本人の希望による転籍は、次の条件をすべて満たす場合に認められます(育成就労制度Q&A)。
- ・転籍制限期間を過ぎていること:同じ受入れ先での就労期間が、分野ごとに定められる期間(1年以上2年以下の範囲)を超えていること
- ・技能・日本語の水準:分野ごとに分野別運用方針で定める一定水準の技能と日本語能力を身につけていること
- ・転籍先の要件:転籍先が、試験の合格率や法令の遵守状況などに照らして「優良な育成就労実施者」と認められていること
転籍制限期間と、求められる技能・日本語の水準は、分野ごとに定められます。受入れ分野の運用方針を確認してください。
転籍を受け入れる企業側のルール
- ・転籍元への費用の支払い:転籍先は転籍元に対して、主務大臣が告示で定める額(取次ぎ・育成に係る費用)に、転籍元での就労期間に応じた按分率をかけた金額を支払うこととされています
- ・受入れ割合の上限:転籍先の育成就労外国人の総数のうち、本人の意向による転籍者の割合が3分の1を超えてはならないとされています(「受入れ人数枠と転籍の基準」も参照)
受入れ企業が意識しておきたいこと
育成就労では、一定の期間が過ぎれば本人の意向で転籍できるため、働きやすい職場づくりや、技能・日本語の習得を支える体制が、これまで以上に大切になります。特定技能1号への移行を見据えて、3年間の育成計画を立てておきましょう。
特定技能1号へ移行した後は、受入れ企業が支援計画を作成して実施するか、登録支援機関に支援を委託することになります。
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まとめ
育成就労から特定技能1号へ移行するには、技能と日本語(A2相当以上)の試験に合格する必要があります。また、本人の意向による転籍は、分野ごとの転籍制限期間や技能・日本語の水準を満たし、転籍先が優良な育成就労実施者であることが条件です。在留資格の変更手続きについては、行政書士法人Climbにご相談ください。
参考:出入国在留管理庁「育成就労制度」「育成就労制度Q&A」、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領(令和8年8月版)」
森山 敬(もりやま たかし)
行政書士法人Climb代表。創業時から国際業務であるビザ申請・帰化申請に特化。外国人のビザ申請件数は年間約1,000件、豊富な経験とノウハウに自信があります。入管業務についての知見をもとに、顧問として企業に対する外国人雇用のアドバイザリー業務も担当。