今回は在留資格『特定技能』を掘り下げると共に、『技能実習』との比較をお伝えいたします。
⚠️ 技能実習制度は2027年4月から「育成就労制度」に移行します
技能実習制度は、2024年6月に成立した改正法により「育成就労制度」へ移行し、令和9年(2027年)4月1日に施行されます。この記事は現行の技能実習制度を前提に書かれています。これから受入れを検討される場合は、下表の変更点を踏まえてお読みください。
| 項目 | 現行(技能実習) | 育成就労(2027年4月1日〜) |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 国際貢献・技能移転 | 人材の育成と確保(特定技能1号への移行が前提) |
| 在留期間 | 1号・2号・3号で最長5年 | 原則3年(特定技能1号の試験に不合格の場合、最長1年の在留継続を認める方向) |
| 監理を行う機関 | 監理団体 | 監理支援機関(既存の監理団体もあらためて許可を受ける必要があります) |
| 転籍(職場の変更) | 原則不可 | 一定の要件のもと、本人の意向による転籍が可能(転籍制限期間は原則1年以上2年以下の範囲) |
| 施行時に在留中の技能実習生 | — | 認定を受けた計画に基づき、技能実習を継続できます(経過措置) |
手続の受付はすでに始まっています。監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から、育成就労計画の認定申請は2026年9月1日から受け付けられています。詳細は出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」および同「育成就労制度Q&A」をご確認ください。
在留資格『特定技能』
◆ 特定技能とは?
2019年4月より新設された、人手不足が深刻な産業(19分野・うち現在受入れが可能なのは17分野)を対象に人材を確保することを目的とした在留資格です。
特徴としては、今までの『技術・人文知識・国際業務』といった就労系在留資格では認められなかった、単純労働を含む就労も可能となりました。
特定技能には以下の2種類があります。
- 特定技能1号
- 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
- 特定技能2号
- 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
◆ 特定技能1号・2号の違い
まず大きな特徴として、特定技能2号は現在介護を除く11分野で認められています。制度開始時は「建設業」と「造船・舶用工業」の2分野のみでしたが、2023年8月に対象が拡大されました。
すべての分野で認められているものではないという点がポイントです。
次に異なる点として、特定技能1号では在留上限が「5年」と定められているのに対し、特定技能2号では更新する限りその上限がありません。
要件を満たせば永住申請も可能となります。
また特定技能2号では、配偶者と子であれば要件を満たせば本国より日本に呼ぶことが可能です。
これもまた、在留期限の上限が無い事からの配慮であると考えられます。
他にも、求められる技能水準が1号よりも高くなる点が異なります。
特定技能1号であれば、上長や指導のポジションに就く方の指示に従い業務を行えばいいのですが、特定技能2号は他の人間を指導する、工程管理を行う等、ある種管理能力も求められます。
そういう点も両者の異なる点です。
在留資格『技能実習』
国際貢献のために技能移転をおこなうという趣旨の下創設された制度が技能実習制度です。
日本で技能を身に付けた外国人が、母国に技能を持ち帰り発展に寄与することが最終的な目標とされています。
特定技能と技能実習の違い
一番大きな差として挙げられるのは、特定技能は労働力としての意味を持ちますが、技能実習生は労働力ではありません。
これは制度設立の目的から明らかです。
また、人数制限に関しても差があります。
技能実習には受け入れ可能人数がありますが、特定技能には建設分野・介護分野を除き受け入れ人数の制限がありません。
これもやはり労働力としての在留資格か、技能を身に付けるための国際貢献を目的とした在留資格かという点に端を発します。
転職に関しても差があり、特定技能であれば労働者の扱いですので転職が可能です。
しかし、転職できるのは同一の分野に限られています。
一方、技能実習は、そもそも労働力ではないので転職という概念に当てはまりません。
場合によって、転籍は可能です。
技能実習から特定技能への移行
在留資格『技能実習』から『特定技能』へ移行するには2つのルートがあります。
まず一つ目は、技能実習2号を良好に修了する、技能実習3号の場合は、実習計画を満了することです。
その場合、技能実習で学んだ職種の分野で特定技能へ移行する場合には、日本語試験と技能試験が免除されます。
二つ目のルートは、各分野の技能試験及び日本語試験に合格することです。
このルートであれば、技能実習を経ることなく、例えば『留学』などの在留資格からも『特定技能』への変更を行うことが出来ます。
では、技能実習2号を良好に修了した者が、技能実習で学んできた分野とは異なる分野の特定技能資格を得ようとした場合はどうなるのでしょうか。
この場合、日本語試験は技能実習2号を修了しているので免除されますが、分野ごとの技能試験に合格する必要があります。
技能実習2号を修了すると、一定程度の日本語能力があると判断されます。
まとめ
特定技能と技能実習は似たイメージを持たれる方も多いかと思います。
実際はそれぞれの制度の設立背景が異なっており、意味合いも大きく異なります。
特定技能2号はまだまだこれから本格的にスタートしていく制度です。
2021年より試験が開始となる見通しです。
現在はまだ限られた2分野でしか、特定技能2号への道はないですが、時間と共に分野の数が増えていくことが予想されます
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