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帰化した後の戸籍について行政書士が解説

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帰化許可から戸籍に記載されるまでの流れ

帰化を申請する場合、最終的なゴールは許可を得て無事に帰化をすることです。
しかし実際は、許可が下りた後にもやるべき手続きがあります。
無事に帰化が降りたからといって慢心してはいけません。

一般的には以下の流れで進みます。

  1. 1.官報に公示される
  2. 2.帰化許可の連絡が来る
  3. 3.帰化者の身分証明書を受け取る
  4. 4.在留カードもしくは特別永住証明書の返納(帰化の日から14日以内)
  5. 5.帰化届の提出(帰化の日から1ヶ月以内)

帰化の日とは、身分証明書を受け取った日を指します
帰化の日から1ヶ月以内手続きをする必要があるのがわかりますね。
身分証明書を受け取ったら忘れずに、4.と5.を行うようにしましょう。

申請者が15歳未満の場合は、両親が代わりに届出をします。

在留カードもしくは特別永住者証明書は帰化すると不要になるため返納しなければなりません
その際、受け取った「帰化者の身分証明書の写し」を添付します。

返納は居住地を管轄する地方出入国在留管理局・支所・出張所のいずれかに直接持参してもいいですし、東京出入国在留管理局あてに郵送してもOKです。
郵送する際は封筒に「在留カード等返納」と表記してください。

同封する書式は法務省のホームページでダウンロードできます。

また、日本は原則として二重国籍を認めていないため、帰化の日から2年以内に母国か日本のどちらかの国籍を取得する手続きをする必要があります。
こちらも注意しましょう。

国籍変更をしたことが戸籍でわかる?

国籍を変更した場合、戸籍でもわかるようになっているのでしょうか?
実際に帰化をすると気になる部分ですよね。
ここからは以下に焦点を合わせて解説します。

  • ・帰化されたら戸籍が作成される
  • ・転籍時、戸籍に移記される事項
  • ・転籍時、戸籍に移記されない事項
  • ・戸籍の役割とは

それぞれ詳しく見てみましょう。

▼ 帰化されたら戸籍が作成される

帰化をすると戸籍が作成されます。

先述したように帰化の許可が下りた後にしなければならない手続きがあります。
帰化の告示を受けた日から1ヶ月以内に、帰化届を住居地を管轄する地町村役場に提出しなければなりません。

帰化届さえ提出してしまえば、後は自動的に戸籍に記載されます。
戸籍に記載された後、おおよそ10日間ほどで戸籍の取得が可能となるのです。
日本ではこの戸籍を家族集団単位で国民を登録する目的で用いられています。
そのため、日本国籍を持っている人は原則的に戸籍に記載されています。

しかし外国籍だったり特別永住者だったりすると、たとえ日本で生まれていて日本に在留していても日本国籍でない以上、戸籍には記載されません。
一方で、帰化が許可される日本国籍になるため、戸籍が新たに作られるというわけです。

▼ 転籍時、戸籍に移記される事項

日本国籍を取得した時に、戸籍に移記される事項は、戸籍法施行規則第39条で明確に定められています。
それが以下の9個の事項です。

  • ・出生に関する事項
  • ・嫡出でない子について、認知に関する事項
  • ・養子について、現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
  • ・夫婦について、現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項及び配偶者の国籍に関する事項
  • ・現に未成年者である者についての親権または未成年者の後見に関する事項
  • ・推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
  • ・日本の国籍の選択の宣言または外国の国籍の喪失に関する事項
  • ・名の変更に関する事項
  • ・性別の取扱いの変更に関する事項

何やら難しい内容ですが、簡単に要約すると以下のようになります。

  • ・氏名
  • ・性別
  • ・生年月日
  • ・戸籍に入った原因と年月日
  • ・実父母の氏名と実父母との続柄
  • ・養子であるときは、養親の氏名と養親との続柄
  • ・夫婦については、夫または妻である旨
  • ・他の戸籍から入った人については、その戸籍の表示
  • ・その他、法務省で定めている事項

戸籍に必要な情報なのが良くわかりますね。
ここで注目したいのが、帰化について書かれていないことです。

ただし、初めて帰化した場合、以下の事項は記載されます。

  • ・帰化日
  • ・帰化前の国籍
  • ・帰化前の氏名

帰化した後に戸籍の改製があった場合、いつの間にか帰化事項が消えていた、なんてこともあります。
もちろん、過去にさかのぼれば帰化事項は確認できますよ。

▼ 転籍時、戸籍に移記されない事項

転籍をして本拠地を別の市町村に移した時、戸籍に移記されない事項はあるのでしょうか。
結論から言うと、あります

転籍すると新しい本拠地で新しい戸籍が編製されます。
その際に移記されないのは、以下の事項です。

  • ・帰化に関する事項

つまり、帰化を戸籍に載せたくない場合は、転籍をすればいいのです。
そうすると一見しただけでは帰化したかどうかわからなくなります。

注意したいのが、一見しただけではという点です。
というのも、戸籍には父母の本名が記載されます。
例えばですが、父母が外国籍のまま自分だけ帰化すると、父母の名前は変わらないため本名のまま戸籍に記載されます。
そのため戸籍を良く見るとわかってしまうのです。

滅多にありませんが、相続など特定の手続きが必要な時に戸籍をさかのぼる際には、帰化当時の戸籍が見られてしまいます。
ただ、他人の戸籍を取得することは原則できないため、あまり気にする必要はないでしょう。

▼ 戸籍の役割とは

そもそも戸籍の役割とは何なのでしょうか?

戸籍は正式には「戸籍全部事項証明書」と呼ばれ、その人がどんな生涯を送ってきたかを時系列にしたがって記録している唯一の公文書です。
そのため戸籍には以下の役割があります。

  • ・家族関係を明らかにすること
  • ・身分関係を明らかにすること
  • ・日本人であることを明らかにすること

つまり、市区町村の自治体がその人の家族関係・身分関係・日本人であるという事実を公に証明してくれています。

戸籍に登録されていること=日本人であることの証明ともなっており、外国人で住民票を持っていても戸籍がないのはそういう理由からです。
日本の場合、住民票と戸籍が存在しているため非常にややこしくなっているので注意しましょう。

なお、戸籍の方が歴史が古く、6世紀頃には「名籍」とう名前で既に存在していたという記録があります。

帰化後に戸籍が必要となる場面とは?

帰化後に戸籍が必要となる場面はどのような時なのでしょうか。

戸籍を求められるケースは様々ありますが、中でも代表的なのは以下の6つでしょう。

  • ・公正証明遺言を書くとき
  • ・相続手続を行うとき
  • ・保険金の請求をするとき
  • ・パスポートの申請をするとき
  • ・婚姻届を出すとき
  • ・年金の請求をするとき

上3つの項目は主に死亡時に関係するものです。

遺言書を作成するときの方式は「自筆証書遺言」と「公的証書遺言」の2つがありますが、この中で公的証書遺言公証役場で作成してもらわなければいけません。
この際に戸籍を使って遺言者の家族関係を確認し、相続人を確定するわけです。

相続手続に関しても同様で、例えば不動産名義預金名義の変更がその代表的なものでしょう。
提出先は違っても、故人との家族関係を明確に示すために提出を求められます。
これは保険金でも同じ理由です。

他にも日本人であることを証明する必要があるパスポートの申請時や、婚姻届の提出にも戸籍が必要となります。
結婚すると新たに2人の戸籍が編製されますが、その戸籍に2人の家族関係や身分関係を記載するため、以前の戸籍の提出が必要なのです。

他にも年金を請求する際にも、お金に関することなので請求者の身分関係を明らかにする目的で戸籍の提出が必要となります。

父母の氏名はそのまま記載される

帰化をして戸籍を得ても父母の氏名はそのまま記載されます。
そのため父母が帰化せずに自分だけ帰化した場合は、父母は通称名ではなく本名そのままです。

特別永住者の韓国人の方の中には、父母の名前を日本の名前に訂正したいと考える人も多いでしょう。
その場合、一定の要件を満たすことで一応は可能です。
もし申請する場合には、裁判所の許可が必要となります。

ただ、その要件を満たすのが非常に難しく、先例により特別に認められた手続きとなるため定型の書式もありません。
そのため、父母の名前を日本の名前に訂正するのは現実的にかなり厳しいと考えてください。
他人の戸籍をわざわざ見るようなことはないため、基本的には気にしなくても大丈夫です。

まとめ

帰化の許可が下りた後、戸籍が作られるまでにもいくつか申請事項があります。
期日も設けられているため、帰化の許可が下りたらすぐに動くくらいの気持ちでいると良いでしょう。

戸籍は日本人であるという証明です。
取得することで様々な手続きが可能となります。
家族構成などを公に証明するものですので、父母が外国籍の場合はそのまま記載されてしまいます。

ただ、他人の戸籍をわざわざ見るような人はいないため、戸籍に対してそこまで気にする必要はないでしょう。


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