1.登録支援機関は協議会への加入義務がある?ない?
2019年4月からはじまった新たな在留資格「特定技能」に関し、「登録支援機関」や「協議会」という団体が存在します。企業が特定技能ビザを持つ外国人を適切に受け入れるためには、これらの登録支援機関、協議会という団体を無視できない場合があります。
本稿では、特定技能制度にかかわる登録支援機関は協議会に加入する義務があるか否かという点を説明したいと思います。
▼ 登録支援機関とは
特定技能1号ビザを持つ外国人に対して、在留中に安定的・円滑な活動を行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を、受入れ機関(=特定技能外国人を雇用する企業等)から委託を受けて、受入れ機関に代わって実施する者が「登録支援機関」です。
▼ 協議会とは
協議会とは、特定技能制度の適切な運用を図るため、特定技能14業種毎に所轄省庁が設置する機関を言います。協議会の構成員は、所轄省庁・特定技能外国人を受入れる企業、業界団体等です。
つまり、特定技能外国人を受入れる企業は業種毎の協議会に加入し、特定技能外国人に対する支援を登録支援機関に委託することがあります。
そして、業種によっては支援の委託先である登録支援機関も協議会に加入する必要があるのです。
2.登録支援機関にも協議会の加入義務がある業種
登録支援機関にも協議会への加入が義務付けられている業種は、下記の業種です。
- ・外食業分野
- ・飲食料品製造業分野
- ・宿泊分野
- ・自動車整備業分野
- ・航空分野
- ・造船・船用工業分野
3.登録支援機関に協議会への加入が不要の業種
一方、登録支援機関が協議会に加入する必要が無い業種は、下記の業種です。
- ・介護分野
- ・建設分野
- ・素形材産業分野
- ・産業機械製造業分野
- ・電気・電子情報関連産業分野
- ・ビルクリーニング分野
- ・農業分野
- ・漁業分野
4.協議会への加入のタイミングや費用は?
では、登録支援機関が協議会へ加入する必要がある場合、加入のタイミングはいつになるでしょうか?
協議会への加入の時期は、初めて1号特定技能外国人を受入れる場合であれば、特定技能外国人の入国後4か月以内にする加入する必要があります。
委託先となる登録支援機関が該当の協議会に加入していない場合には、加入することの確約を得た上で申請の手続きを進める必要があります。
協議会への加入費用は、現状、下記のようになっています。
業種 | 加入費用 |
---|---|
外食業分野 | なし |
ビルクリーニング分野 | なし |
飲食料品製造業分野 | なし |
宿泊業分野 | なし |
介護分野 | なし |
素形材産業分野 | なし |
産業機械製造業分野 | なし |
電気・電子情報関連産業分野 | なし |
農業分野 | なし |
航空分野 | なし |
建設業分野 | あり |
5.協議会に加入しなかったらどうなる?
特定技能外国人を受入れる企業は協議会への加入が義務となっており、委託先の登録支援機関も業種によっては加入義務があります。
この義務を怠った場合には、特定技能ビザの認定・変更・更新の申請が不交付又は不許可になることが考えられます。
なお、協議会へは1人目の受け入れの際に加入すればよく、2人目以降の受け入れの際には不要です。
6.まとめ
登録支援機関の協議会への加入義務等について説明させていただきました。
これから特定技能外国人を受入れる企業様等には、支援を登録支援機関に委託することを考えているところが多いかと思います。
支援の委託先となる登録支援機関が、業種毎の協議会に加入する義務があるのか、あるのであれば加入しているのかという点については、支援の委託契約を締結する際に重要なポイントとなります。くれぐれもご注意下さい。
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