1.送出機関とは
技能実習制度で活用されていた送り出し機関について、特定技能制度の下でも必要なのか否か、特定技能制度において活用する場合の送り出し機関の役割はどのようなものなのかについて疑問を抱かれている企業は多いと思います。
まず、必要か否かについてですが、特定技能制度の下では原則として送り出し機関を通さなくても外国人を雇用することが可能になっています(国によって異なるため、注意が必要)。
では、それぞれの制度における役割はどのようなものになるでしょうか。
▼ 技能実習制度と送り出し機関の役割
技能実習制度における送り出し機関の役割は、大きく分けて下記の3つになります。
- ・本国における人材の募集をすること
- ・技能実習1号の内容の講習をすること
- ・日本に人材を送り出すこと
▼ 特定技能制度と送り出し機関の役割
これに対し、特定技能制度における送り出し機関の役割は、大きく分けて下記の3つになります。
- ・本国における人材の募集をすること
- ・特定技能ビザを取得するために必要となる日本語試験と技能試験の合否の確認
- ・日本の企業への人材の紹介
このように、送り出し機関の果たす役割は技能実習制度と特定技能制度で異なり、特定技能制度の下では原則として送り出し機関を介さなくてもよいとされています。
しかし、特定技能ビザであっても、国によっては送り出し機関と連携することが必要な国もあることには注意が必要です。
例えば、ベトナム、カンボジアについては送り出し機関を介しての人材受け入れが必要とされています。
ベトナム人やカンボジア人を特定技能外国人として雇用したい場合には注意が必要です。
2.受け入れ企業は特定技能外国人の支援が義務
特定技能制度の特徴の一つとして、特定技能ビザを受け入れる企業には、特定技能外国人への支援をする義務があることが挙げられます。
▼ 支援にかかる費用は受け入れ機関(企業)が負担
特定技能外国人への支援の費用については、直接的であっても間接的な形であっても特定技能外国人から徴収することは認められていません。
支援を企業の中で内製化する際の費用、下記の登録支援機関に委託する場合の費用については、特定技能外国人が所属する企業が負担することになります。
また、特定技能ビザのビザ申請費用についても、外国人から徴収することはできないと解されています。
例えばベトナムから特定技能外国人を雇い入れる場合には、かかる費用は所属する企業が負担するということです。
▼ 実際の支援業務は登録支援機関に委託可能
特定技能外国人を受入れる場合にすることになる支援業務は、登録支援機関という第三者機関に全部委託又は一部委託することが可能です。
支援を受入れ企業内で内製化することが困難であったり、支援の部分は外注したいという場合には、活用されることになると思います。
支援委託の費用や支援の言語等については登録支援機関によってまちまちなことから、どの登録支援機関に委託するかは慎重に検討されることをおすすめいたします。
ベトナム人を特定技能外国人として雇用し支援する場合には、その登録支援機関がベトナム語に対応できるかどうかも確認する必要があります。
ベトナム人をサポートするのにベトナム語がわからないのでは業務の遂行に支障がでます。
登録支援機関がどの言語に対応しているのか、ベトナム語に対応できる登録支援機関をどう探すかについては、こちらの登録支援機関の一覧やリストの探し方、選び方の5つのコツの記事をご覧ください。
3.まとめ
技能実習制度と特定技能制度における送り出し機関の役割、特定技能外国人を受入れる際の支援義務、費用負担について説明させていただきました。
2019年4月からはじまった新たな在留資格特定技能制度ですが、開始から約2年半で特定技能ビザをもって日本で働く外国人は約3万5千人となっており、今後も増加していくことが見込まれています。
また、2021年11月現在、政府は2022年3月の正式決定に向けて、在留期間の定めが無くなる特定技能2号の対応業種をこれまでの2業種から13業種に拡大するように調整しています。
人材不足の業種に即戦力として期待できる特定技能外国人は、今後もより労働市場で重要な役割を果たすことになると考えられます。
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