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登録支援機関を自社で内製化した場合の定期報告等の届出義務の実務について

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  特定技能ビザを有して働く外国人の受け入れ先となる企業には、様々な手続き義務があります(定期・随時報告など)。必要な手続きを委託できるのが登録支援機関なのですが、委託には手数料がかかります。

 しかし、登録支援機関に業務を委託せず、自社で内製化すると、その分の手数料コストはカットすることができます。その場合、自社ではどのような手続きをするべきなのでしょうか?登録支援機関でもある行政書士法人climbが解説します。

 

1.登録支援機関が行う3カ月に一度の定期報告とは
 

 2019年4月から創設された特定技能ビザを有して働く外国人(特定技能外国人)につき、原則として、彼らを受け入れる企業は彼らに対して各支援業務をし、入管への定期報告もしなければなりません。
ただし、受入れ企業が特定技能外国人への支援を登録支援機関に業務委託している場合には、支援及び入管への定期の報告書作成・届出の部分を登録支援機関に委託することができます。
 2021年8月時点において、特定技能外国人への支援業務や入管への定期報告・届出を登録支援機関に委託している企業は多いですが、登録支援機関に委託しない場合、すなわち登録支援機関が行う業務を自社で内製化した場合には、実務上どのような内容の届出をすることになるのかを説明します。

1-1定期報告で行うべき内容

 登録支援機関に委託せず、自社で内製化する場合に必要な業務を、以下にご紹介していきます。
①特定技能所属機関による受入れ状況に係る届出
(様式)http://www.moj.go.jp/isa/content/001340571.pdf
 この届出で報告する内容としては、
(1) 届出の対象となる期間内に受け入れていた特定技能外国人の総数  
(2) 届出に係る特定技能外国人の氏名,生年月日,性別,国籍・地域,住居地及び在留カードの番号
(3) 届出に係る特定技能外国人が特定技能の活動を行った日数,活動の場所及び従事した業務の内容
(4) 届出に係る特定技能外国人が派遣労働者等である場合,派遣先の氏名又は名称及び住所
 となっています。

②特定技能所属機関による活動状況に係る届出
自社で登録支援機関の業務を行う場合には、下記の「活動状況に係る届出」が必要です。
(様式)http://www.moj.go.jp/isa/content/001340575.pdf
(別紙)http://www.moj.go.jp/isa/content/001340576.pdf
(1) 特定技能外国人及び当該特定技能外国人の報酬を決定するに当たって比較対象者とした従業員に対する報酬の支払状況  
(2) 所属する従業員の数,特定技能外国人と同一の業務に従事する者の新規雇用者数,離職者数,行方不明者数及びそれらの日本人及び外国人の別
(3) 健康保険,厚生年金保険及び雇用保険に係る適用の状況並びに労働者災害補償保険の適用の手続に係る状況
(4) 特定技能外国人の安全衛生に関する状況 
(5) 特定技能外国人の受入れに要した費用の額及びその内訳

③相談記録書(登録支援機関に委託できる部分)
登録支援機関の業務には、こちらの相談記録書の作成もあげられます。自社で内製化する場合、こちらの作成も必要となります。
(様式)http://www.moj.go.jp/isa/content/001340585.pdf

④定期面談報告書(登録支援機関に委託できる部分)
さらに、こちらの「定期面談報告書」についても、自社で内製化する場合には必要となってきます。
(様式・1号特定技能外国人用)http://www.moj.go.jp/isa/content/001340586.pdf
(様式・監督者用)http://www.moj.go.jp/isa/content/001340587.pdf

1-2報告に必要なその他の書類 

 上記の①~④の報告を定期的に入管に届け出る必要がありますが、上記の各様式だけではなく、下記にみられる他の書類の提出を求められることが多いです。

・賃金台帳

・タイムカード

・振込明細書

・身分証明書

・不足事項の理由書 

 特に、届出中の②「特定技能所属機関による活動状況に係る届出」に関する、特定技能外国人に対する報酬の支払い状況については、賃金台帳や振込明細等を参照し、実際に支払われた金額の確認をする必要があります。

1-3義務付けられている定期報告の頻度

 上記の届出を定期的に入管にすることになりますが、この届出は「四半期に1度」になります。

 具体的には、下記をご参照ください。

1.第一四半期:毎年1月1日~3月31日

2.第二四半期:毎年4月1日~6月30日

3.第三四半期:毎年7月1日~9月30日

4.第四四半期:毎年10月1日~12月31日

 届出の期日は、翌四半期の初日から14日以内です。よって、第一四半期に係る届出の期日は、4月15日となります。

 もし、期日を過ぎて届出がされてしまう場合には、報告遅延の理由書を提出する必要があります。

 登録支援機関に業務を委託せず、自社で内製化したい場合は、業務内容・業務量の把握だけでなく、この頻度で必要な定期報告ができる人的リソースを確保できるかどうか、きちんと検討しておく必要があるでしょう。

1-4 随時報告を義務付けられている内容に注意

 登録支援機関の仕事は、上記に述べたことだけではありません。自社で内製化する場合は、下記の場合には、上記の定期の届出・報告とは別に、事由発生日から2週間以内に届出をする必要があります。これが「随時報告」です。
①特定技能雇用契約に係る届出書
・特定技能雇用契約を「変更」したとき
・特定技能雇用契約を「終了」したとき
・新たな契約を「締結」したとき

②支援計画変更に係る届出書
・特定技能外国人への支援計画の内容を変更した場合、変更後14日以内に届出る必要があります。

③支援委託契約に係る届出書
 登録支援機関との
・支援委託契約を「締結」したとき
・支援委託契約を「変更」したとき
・支援委託契約を「終了」したとき

 には、これらの事由発生後14日以内に届出る必要があります。
 支援委託契約に実質的に影響を与えない変更の場合には届出は不要です。

④受入れ困難に係る届出書
 受入機関である会社の経営状況や、特定技能外国人の病気等の事情によって、今後の特定技能外国人の受け入れが困難になった場合には、その事由発生後14日以内に届出る必要があります。

⑤出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為に係る届出
 特定技能外国人への暴行や脅迫、労働関係法令への違反等があった場合には、その事由発生後14日以内に届出が必要なります。

 不正な行為としては、
  ・パスポートや在留カードを取り上げる
  ・報酬や手当の一部、又は全部を支払わない
  ・私生活を不当に制限する
  ・暴行、脅迫、監禁
  ・人権を著しく侵害する
 という行為が挙げられます。

2.新型コロナウイルス感染症の影響による、定期面談時のテレビ電話等の使用許可

 定期届出・報告の内容にある、特定技能外国人及びその監督的立場にある者との面談は、直接対面して行う方法をとる必要がありますが、現在の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、現在この面談はテレビ電話、電話等の方法でも差し支えありません。こちらも、自社で内製化する場合には、テレビ電話・オンラインでの実施システムを社内で整える必要があるでしょう。

 

行政書士法人Climbは登録支援機関です。

「自社での内製化を検討したものの、やはり委託する方向で考えたい」という場合、ぜひお問い合わせください。

ご相談は下記の「法人様専用お問合せフォーム」からどうぞ!

 TEL  ☎ 03-5937-6960

 

■この記事を書いた人■

森山 敬(もりやま たかし)

行政書士法人Climb代表。創業時から国際業務であるビザ申請・帰化申請に特化。外国人のビザ申請件数は年間約1,000件、豊富な経験とノウハウに自信があります。入管業務についての知見をもとに、顧問として企業に対する外国人雇用のアドバイザリー業務も担当。

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