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登録支援機関の設立の条件と設立の仕方

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1.登録支援機関とは

登録支援機関とは、2019年4月から創設された新たな在留資格「特定技能」のビザを持つ外国人を雇用する会社等から委託を受け、1号特定技能外国人支援計画に基づいて特定技能外国人への支援の全部の実施を行う機関です。
特定技能外国人が雇用されて所属する会社等の機関が「所属機関」「受入れ機関」と呼ばれ、登録支援機関は、これら所属機関(受入れ機関)に所属する特定技能外国人への支援業務を所属機関(受入れ機関)から委託されるという立ち位置になります。
所属機関(受入れ機関)は雇用する特定技能外国人を適正に管理・支援する必要がありますが、日本での生活や労働状況に関する外国語によるサポート等の部分を会社等の所属機関(受入れ機関)内部で内製化できない場合等に、支援業務を第三者機関である登録支援機関に委託するという構図になります。
そして、登録支援機関として認められるには、中立的かつ適正な支援ができる体制が整っていることが必要になります。

2.登録支援機関を設立するには

では、登録支援機関を設立して活動をはじめるにはどのようなステップを踏めばよいのかを説明していきます。

▼ 登録支援機関の登録が認められるための要件に合うかどうかの検討

登録支援機関として認められるには、特定技能1号外国人への支援が中立的かつ適正になされる体制が整っていることが必要であり、具体的には下記の要件が求められます。

  1. ① 支援責任者及び支援担当者を選任していること
  2. ② 下記のどれかに該当すること
    • ・登録支援機関になろうとする個人または団体が、2年以内に中長期在留者の受入れ実績がある
    • ・登録支援機関になろうとする個人または団体が、2年以内に報酬を得る目的で、事業として、外国人に関する各種相談業務に従事した経験を有する
    • ・選任された支援担当者が、過去5年間に2年以上中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を有する

    上記のほか、登録支援機関になろうとする個人または団体が、これらと同程度に支援業務を適正に実施できると認められている

  3. ③ 1年以内に、登録申請者の責めに帰すべき事由により、特定技能外国人又は技能実習生の行方不明者を発生させていないこと
  4. ④ 支援の費用を直接又は間接的に外国人本人に負担させないこと
  5. ⑤ 5年以内に、刑罰法令違反(出入国又は労働に関する法令違反など)による罰則を受けていないこと
  6. ⑥ 5年以内に、出入国又は労働に関する法令に関し著しく不正または不当な行為を行っていないこと

▼ 登録支援機関登録の手続き

① 登録支援機関の登録申請をする
上記の要件に適合することを確認したら、申請者の住所を管轄する地方出入国在留管理局又は地方出入国在留管理局支局(空港支局を除く)に登録申請します。
申請の方法は、窓口に直接持参でもよいですし、郵送の方法でも受け付けられます。
② 審査の結果を待つ
申請が受理された後、通常2か月程度の審査期間を経て登録許否の通知が届きます。
この審査期間中には、個別具体的な審査をされる過程で、場合によっては追加資料の提出を求められる場合もあります。
③ 許可の通知が届いたら
申請が許可された場合には、登録支援機関登録簿に登録され、機関の名称等が出入国在留管理庁のホームページに掲載されます。
この登録日以降に、委託される支援業務を開始することになります。
なお、登録機関は5年間であり、5年毎に登録支援機関の登録の更新手続きが必要になります。

▼ 登録申請時に必要な書類

登録支援機関を設立するための登録申請をする段階(上記①)で最低限必要な書類は下記の内容になります。

① 登録支援機関登録(更新)申請書
登録支援機関のはじめの登録のための申請書及び更新のための申請書は、下記のページからダウンロードできます。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00183.html
② 立証資料
登録支援機関の登録(更新)申請に係る提出書類一覧・確認表
登録支援機関設立のための申請に必要な提出書類の一覧・確認表は、下記のページになります。
https://www.moj.go.jp/isa/content/930003949.pdf
この表は「提出確認欄中の有無」のいずれかに〇をつけた上で、申請書・添付書類と共に提出することになります。
添付資料中の、登記事項証明書や住民票の写し等は、発行後3か月以内のものに限りますので、書類の収集時期には注意が必要です。
③ 手数料納付書
登録(更新)申請の際に添付する手数料納付書は、下記のページになります。
https://www.moj.go.jp/isa/content/930003879.pdf
この様式に、新規登録の場合には28,400円分の収入印紙を貼付して提出します。なお、登録更新の場合には11,100円の収入印紙を貼付して提出します。
④ 返信用封筒
申請の際には、審査結果の通知が郵送によりなされるために、宛先を明記した定型封筒に404円分の切手(簡易書留用)を貼付したものを一緒に提出します。

3.登録支援機関となる会社の定款に記載されるべき目的の内容

企業が登録支援機関となる場合には、自社の定款に書かれている目的に注意する必要があります。上記の立証資料の中に、法人の場合には定款の写しがあるためです。
会社等の法人は、定款に定められた目的の範囲内において権利能力を有するため、会社が登録支援機関としての活動をするには定款の目的にその旨が記載されている必要があるからです。
会社の目的はその性質上、法律上も広く捉えられますが、登録支援機関としての活動をする場合の直截的な目的の記載としては、「登録支援機関として行う特定技能外国人支援事業」という内容になるでしょう。

まとめ

今後、日本国内ではさらに外国人労働者の増加が見込まれており、2019年4月からは人材不足の状況にある14業種の分野において新たな在留資格「特定技能」が創設されました。登録支援機関は、この特定技能ビザを持つ外国人への支援を行う機関であり、今後の日本における外国人労働市場において重要な役割を担うことを期待されています。
このような登録支援機関を設立するための登録時に、条件に合うかどうか、申請をするのであればどのような準備が必要なのか、登録を受けた後に実際にすることになる業務はどのようなものかについては、未だ複雑な内容になっています。
そのため、登録支援機関の登録申請を検討されている企業様等は、不明点があれば一度専門家に相談していただくと、より明確な見通しが得られるかと思います。

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