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技能実習生の監理団体を変更する流れ

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技能実習生を監理する監理団体とは?

監理団体は、技能実習生を監理する非営利団体です。
技能実習生に紐付いている「技能実習制度」で定められた監理事業を行っています。

主な活動内容としては、以下の2つが該当します。

  • ● 海外から来日する技能実習生を受け入れる際のサポート
  • ● 技能実習生を受け入れ後に企業で適正な実習が遂行されているかの監理業務

中でも海外から来日する技能実習生を受け入れるサポートは多岐に渡ります。
現地での技能実習生の募集手配から面接、入国手続き等の具体的な受け入れに至るまで、企業の技能実習生受け入れに関する一連の手順を全てサポートしてくれます。
海外に支店を持っていない企業でも技能実習生を受け入れやすい状態を作ってくれているのです。

また技能実習生を受け入れたからといってそれで終わりではありません。
技能実習生を受け入れ後にも監理業務として企業に関わります。
在留資格の範囲内で職務をこなせているかは非常に重要なので、企業が守っているかを確認するわけですね。

これらに合わせて覚えておきたいのが、受け入れのタイプです。
技能実習生の受け入れのタイプは以下の2つに分類されます。

企業単独型
日本の企業が現地法人や合弁企業、取引先企業の常勤職員を直接受け入れる
団体監理型
監理団体が研修生・実習生を受け入れ、傘下の受け入れ企業で技能実習を実施する

企業単独型は現地での募集など全てのことを自社で行う必要があるため、一部の大手企業のみが実施しています。そのため、ほとんどの企業は団体監理型となります。
自社がどちらの受け入れタイプなのか把握しておきましょう。

また、監理団体は以下の2つに分類されます。

● 一般監理団体
技能実習1号~3号まで受け入れ可能:最大5年間
● 特定監理団体
技能実習1号・2号の受け入れが可能:最大3年間

技能実習生3号を受け入れる場合、受け入れ企業・監理団体ともに優良条件を満たす必要があるので注意しましょう。

監理団体を変更する手続きの流れ

監理団体は一度契約すればずっとそのままというわけではなく、変更することが可能です。
しかし、変更するにはおおよそ3~4ヶ月ほどかかることを覚えておきましょう。
そのことを踏まえた上で、以下の流れで変更が可能です。

  1. 1.監理団体変更を検討する
  2. 2.新規監理団体と商談する
  3. 3.現監理団体に監理団体を変更する意向を伝える
  4. 4.現監理団体から必要書類を受け取る
  5. 5.送り出し機関と新規監理団体が契約を結ぶ
  6. 6.監理団体の変更が完了する

流れを見れば、3~4ヶ月ほどかかるのも納得だと思います。
注意したいのが、場合によってはさらに長引く可能性があるという点でしょう。
特に以下の場合は要注意です。

  • ● 現監理団体が変更に応じてくれない
  • ● 送り出し機関と新規監理団体の契約に時間がかかっている
  • ● 企業側が技能実習制度に基づいた受け入れ準備をできていない

これらに加え、新型コロナウイルスによる入国制限も関わってきます。
そのため、監理団体変更にはイレギュラーな事態が起こりえるものだと考えておく方が良いでしょう。

また、監理団体の変更を申請するには必要な書類を監理団体から回収しなければなりません。

▼ 必要書類

  • ・雇用契約明示書
  • ・タイムカードまたは出勤簿(直近3ヶ月の技能実習生分)
  • ・賃金台帳(直近3ヶ月の技能実習生分)
  • ・就労規則
  • ・変形労働時間制に関する協定届の写し(変形労働を採用している場合)
  • ・会社カレンダー
  • ・36協定届の写し(残業がある場合)
  • ・建設業法第3条の許可証
  • ・建設キャリアアップシステム(CCUS)登録申請を値する書類
  • ・寄宿舎がある場合の図面・名簿等の情報(会社名義、従業員数10名以上もしくは危険有害業務を行う場合)
  • ・技能実習責任者講習受講証
  • ・委任状
  • ・活動機関に関する届出(届出参考様式1の6)
  • ・技能実習計画変更認定申請書(省令様式第4号)
  • ・技能実習生の監理団体変更に伴う合意書の捺印

必要書類の回収が遅れたり内容に不備があったりすると、変更そのものが遅れてしまいます。
提出漏れがないように注意しましょう。

監理団体を変更できないケース

監理団体は誰でも自由に変更できるのかというとそうでもありません。
変更の申請をしても受理されず変更が行われないといったケースはもちろんあります。

監理団体を変更する際に覚えておきたいのが、技能実習は技能実習法に基づいて適正に行われなければならないという点です。
そのため監理団体を変更する際は、単なる手続きではなく、送り出し機関や受け入れ企業、監理団体の三者すべてに違法性がないかを再度審査されます。

どれか1つの機関で技能実習法や出入国監理法に違反していると、「当事者が知らないうちに違反していた」なんてことにもなりかねません。
意図的な違法行為はもちろん、意図せず違法行為をしていた場合はすぐに改善し、適切な対応をしましょう。
もし審査で少しでも違法性があると判断されると、監理団体変更の際に必須の書類である「技能実習生の監理団体変更に伴う合意書」を得られません。

特に送り出し機関の場合、海外にあることもあって以下のような事実があるケースが考えられます。

  • ● 送り出し機関が現地ブローカーと関わりがある
  • ● 送り出し機関が認定送り出し機関ではない

原則、送出国政府が認定した機関を除いて当該送出国からの送り出しが認められていないため、認定機関を選ぶようにしましょう。
認定機関かどうかは、政府HPの「OTIT外交陣技能実習機構」に掲載されていますので参考にしてください。

新しい監理団体はどう探す?

監理団体を変更する際に困るのが、新しい監理団体をどうやって探すかです。
技能実習生を受け入れている企業によって様々ですが、自社の要望に合った監理団体を探しましょう。

監理団体を探す方法は大きく分けて3つあります。

  1. 1.外国人技能実習機構の「監理団体の検索」で探す
  2. 2.外国人技能実習生の支援の専門家に紹介してもらう
  3. 3.技能実習生の受け入れ経験がある企業・知人に紹介してもらう

この中でも2.は外国人技能実習生の問題を専門に扱っている弁護士事務所や行政書士事務所に相談したうえで紹介してもらえるので、一番オススメです。

もし、ご自身で監理団体を探す場合、何を基準にしていいのか分からない方が多いと思います。
その場合、以下のポイントを抑えてみてください。

  • ・面接の人員を豊富に集められる
  • ・専門の通訳がいる
  • ・過去の派遣実績が豊富でノウハウを持っている
  • ・キックバックや過剰接待などで出発前の技能実習生に負担をかけていない
  • ・教育サービスが充実している

いずれも何かあった時のサポート体制の充実を基本としています。
しかし中には長く付き合わないと分からないものもあるでしょう。
そういった場合は、商談と同じような観点で見ることをオススメします。

例えば、以下のような点です。

  • ・メールに対してビジネスパートナーとしてコミュニケーションが取れているか
  • ・実際に訪問して話を聞いての印象はどうか
  • ・ネガティブな情報も開示してくれているか

特にポジティブなことしか言わない監理団体は要注意と思ってください。
自力で探すのが難しいと感じた場合は、プロに相談しましょう。

まとめ

監理団体は、外国人技能実習生の受け入れサポートと適正な実習が行われているかを監理する非営利団体です。
既に監理団体を利用している場合、任意で違う監理団体へ変更することもできます。
その際は必要な書類を用意することに加え、現地の送り出し機関・受け入れ企業・監理団体の3者の審査が再度行われ、適性だと判断されなければなりません。

新しい監理団体は知人などから紹介を受けたり、行政のホームページから検索することで見つけられます。
その際は自社にあった監理団体なのかどうか、慎重に見極めてください。

新しい監理団体に変更したいけどどこがいいのか分からないといった場合は、行政書士法人Climbへお気軽にご相談ください。


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