特定技能外国人は、採用後にも届出が必要です。
受け入れた機関の義務となっているため、必ず報告しなければいけません。
しかし、定期的に報告するといっても、何を報告すればいいのかわからないという方も多いでしょう。
定期報告は、それほど難しいものではありません。
フォーマットにのっとって記入すれば、すぐに作成できるでしょう。
今回は、特定技能外国人を受け入れた機関や企業が提出しなければならない、「定期報告・届出」について解説します。
ぜひ参考にしてください。
特定技能の定期報告・届出とは
特定技能外国人を受け入れている全ての特定技能所属機関・受入企業は、入管法に基づいて、四半期に1度、定期報告をしなければなりません。
四半期とは、以下の区分を指します。
- ● 1~3月(第1四半期)
● 4~6月(第二四半期)
● 7~9月(第三四半期)
● 10~12月(第四四半期)
3ヶ月ごとに区分された期間ごとに提出しましょう。
提出先は、特定技能所属機関の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局です。
どこかわからない場合は、雇用する特定技能外国人の指定書を確認してください。
提出も簡単で、郵送かオンライン、直接窓口に提出するかのどちらかです。
ただし、郵送は提出先に到着した日が届け日となるため、提出期限を過ぎないように考慮する必要があります。
安全に提出するなら、直接提出する方法かオンラインが無難です。
そんな定期報告・届出ですが、以下のパターンによって必要書類が異なります。
- ● 登録支援機関に委託している場合の必要書類
● 自社支援を実施している場合の必要書類
まずはどのような書類が必要になるのか、具体的に見ていきましょう。
▼ 登録支援機関に委託している場合の必要書類
登録支援機関に委託している場合、定期報告に必要な書類は以下の4つです。
- ● 受入れ・活動状況に係る届出書
● 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
● 賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの+比較対象の日本人のもの)
● 報酬支払証明書
どのような書類なのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
受入れ・活動状況に係る届出書
受入れ・活動状況に係る届出書には、基本様式に以下の項目を記入します。
- ・ 届出対象期間
・ 特定技能所属機関
・ 雇用状況
・ 労働保険の適用状況
・ 社会保険の加入状況
・ 税の納付状況
・ 安全衛生の状況
・ 特定技能外国人の受入れに要した費用の額
・ 届出の担当者
注意点として、記載する従業員は、フルタイムで就労している方が対象です。
特定技能所属機関が雇用している全ての従業員が対象となる点にも気を付けてください。
例えば、特定技能外国人が働いている事業所以外の事務所に勤務する従業員も含まれます。
詳しい書き方は、お近くの行政書士または行政書士法人Climbまでご相談ください。
特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
特定技能外国人の受入れ状況・鳳珠湯の支払状況では、届出対象期間に受け入れていた特定技能外国人の、以下の情報を記載します。
- ・ 氏名
・ 生年月日
・ 性別
・ 国籍・地域
・ 住居地
・ 在留カード
・ 活動日数
・ 給与
届出対象期間中に受け入れを終了した外国人も、受け入れ終了までの事項を記載してください。
「特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況」のダウンロードはこちら
賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの+比較対象の日本人のもの)
賃金台帳の写しも提出する必要があります。
届出対象期間に勤務していた特定技能外国人全員分の賃金台帳と、比較対象となる日本人従業員の賃金台帳です。
比較対象となる日本人がいなかったり退職していたりする場合は、特定技能外国人と同一の業務に従事する日本人従業員の賃金台帳を提出しましょう。
報酬支払証明書
報酬支払証明書は、給与を現金払いにしている場合にのみ提出が必要な届出です。
現金払いにしていない場合は、提出しなくても問題ありません。
▼ 自社支援を実施している場合の必要書類
特定技能外国人の支援を自社で行う場合、以下の7つの書類が必要です。
- ● 受入れ・活動状況に係る届出書
● 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
● 賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの+比較対象の日本人のもの)
● 支援実施状況に係る届出書
● 相談記録書
● 定期面談報告書(1号特定技能外国人用)
● 定期面談報告書(監督者用)
登録支援機関に委託している場合から、3つ増えています。
どのような書類か、詳しく見ていきましょう。
支援実施状況に係る届出書
支援実施状況に係る届出書は、現在の支援実施状況を報告するための届出書です。
必要項目を記載して、提出しましょう。
相談記録書
相談報告書は、外国人からの相談を受け、実施した対応を報告するための届出書です。
常に発生するものではないため、対象期間に相談や苦情などがなかった場合は、提出する必要がありません。
定期面談報告書(1号特定技能外国人用・監査者用)
定期面談報告書は、面談した1号特定技能外国人に関して記載する書類です。
実施は、1号特定技能外国人支援計画書に記載された、支援責任者または支援担当者が実施しなければいけません。
もし面談をして、法令違反の疑いや不適切な処遇などの問題があった場合は、報告しましょう。
また、出入国または労働に関する法令に関して不正または著しく不当な行為があった場合、特定技能外国人の保護をはかるための措置と関係行政機関に通報をしなければいけません。
「定期面談報告書(1号特定技能外国人用・監督者用)」のダウンロードはこちら
・1号特定技能外国人用
・監督者用
登録支援機関に支援を委託している場合でも全ての届出を委託できない
登録支援機関に支援を委託している場合、定期報告の届出がどうなるのか気になる方もいるでしょう。
結論からいうと、全ての届出を委託はできません。
特定技能所属機関に届出義務のある届出書に関しては、所属機関の役職員が作成する必要があります。
電子届出でも同じなので、気を付けましょう。
一方で、登録支援機関が作成可能な書類もあります。
それが、以下の8つです。
- ● 支援実施状況に係る届出書
● 1号特定技能外国人支援対象者名簿
● 相談記録書
● 定期面談報告書(1号特定技能外国人用)
● 定期面談報告書(監督者用)
● 転職支援実施報告書
● 支援未実施に係る理由書
● 理由書
自社支援を実施している場合に作成する書類なのがわかります。
登録支援機関に支援を委託すると、作成する書類の数が軽減される、と覚えておくと良いでしょう。
所属機関が作らなければいけない書類は、必ず作成してください。
定期報告の提出期間
定期報告は、四半期に1度、必ず届け出なければいけません。
提出の締め切りは翌月15日までと非常に短く設定されています。
届出の対象期間中に必要な書類を提出できるように、事前に把握しておくと良いでしょう。
具体的な日にちは、以下の表を参照してください。
| 届出の対象となる期間 | 提出期間 |
第1四半期 | 1月1日~3月31日 | 4月1日~4月15日 |
第2四半期 | 4月1日~6月30日 | 7月1日~7月15日 |
第3四半期 | 7月1日~9月30日 | 10月1日~10月15日 |
第4四半期 | 10月1日~12月31日 | (翌年)1月1日~1月15日 |
※引用:出入国在留管理庁「特定技能制度 定期届出書の記載方法と留意点」
もし提出期間が過ぎてしまった場合は、その理由を記載した理由書を提出します。
決まったフォーマットはないため、Wordなどで作成しましょう。
まとめ
特定技能外国人を採用した後は、定期報告の届出が必要です。
雇用した機関の義務となっているため、忘れずに提出しましょう。
事前に提出書類を準備しておくとスムーズです。
提出する書類は、登録支援機関に支援を依頼しているかどうかで変わります。
支援状況に合わせて書類を準備してください。
提出期間が短いため、四半期が終わってすぐに書類作成に取りかかると良いでしょう。
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