出入国管理国籍在留資格外国人留学生外国人雇用家族滞在就労ビザ帰化(日本国籍取得)技能実習生永住特定技能特定活動ビザ登録支援機関短期滞在経営・管理ビザ転職配偶者ビザ難民

帰化と結婚どちらが先?日本人の配偶者の帰化条件(国籍法7条)とメリット・デメリット

Click here to select your language

日本人との結婚を考えている方が帰化申請も考えている場合、結婚と帰化のどちらを先にしたほうがよいのか、迷われることもあるかと思います。
日本人と結婚すると、国籍法7条により帰化の条件の一部(住所の条件と能力の条件)が緩和されます。一方で、国際結婚の手続きが必要になるなどの違いもあります。この記事では、国籍法の条文と法務局の案内に沿って、行政書士がわかりやすく解説します。

結論:どちらが先が良いかは一概には言えません

結婚と帰化のどちらを先にするかは、ご自身の在留歴や家族の状況、結婚の時期などによって変わります。どちらが先が良いということは一概には言えません。
日本人の配偶者に認められる緩和(国籍法7条)の内容と、結婚・帰化の順番によるメリット・デメリットを理解したうえで、ご自身の希望に合わせて選ぶのが良いでしょう。

国籍法5条の条件と法務局の案内

一般的な帰化(普通帰化)の条件は、国籍法5条に定められています(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。

  1. 1.引き続き5年以上日本に住所を有すること(5条1項1号:住所の条件)
  2. 2.18歳以上で、本国の法律によっても行為能力を有すること(同2号:能力の条件)
  3. 3.素行が善良であること(同3号:素行の条件)
  4. 4.自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること(同4号:生計の条件)
  5. 5.国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(同5号)
  6. 6.日本国憲法や日本の政府を暴力で破壊することを企てるなどしていないこと(同6号)

国籍法の条文は改正されていません。そのうえで、法務局の案内では、10年以上在留していることなど、日本社会に融和していることが必要とされています(出典:東京法務局「帰化について」)。法務省は、2026年4月1日から帰化の審査でこの点の運用を見直したと公表しています(出典:法務省「法務大臣閣議後記者会見の概要」令和8年3月27日)。

就労の状況など、日常の生活状況も審査で見られます。具体的に求められる内容は申請先の法務局で確認してください。

日本人の配偶者の緩和(国籍法7条)

日本人の配偶者である外国人は、次のどちらかに当たる場合、国籍法5条1項1号(住所の条件)と2号(能力の条件)を備えていなくても、帰化が許可されることがあります(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。

● 型1:日本に引き続き3年以上住んでいる場合
日本国民の配偶者である外国人で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する人(7条前段)
● 型2:婚姻から3年を経過している場合
日本国民の配偶者である外国人で、婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人(7条後段)。たとえば、海外で結婚して夫婦で生活した後、日本に生活の拠点を移した方などが考えられます。

緩和されるのは、住所の条件(5条1項1号)と能力の条件(同2号)だけです。素行の条件(同3号)、生計の条件(同4号)、国籍の条件(同5号)、憲法遵守の条件(同6号)は緩和されません。
なお、生計の条件は、条文上「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能」によって判断されます(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。

日本人の配偶者の場合に、法務局の案内にある「10年以上在留していることなど」がどのように扱われるかは、申請先の法務局で確認してください。

そのほかの簡易帰化(国籍法6条・8条)

日本人の配偶者のほかにも、日本と特別な関係がある人については、国籍法6条・8条で条件が緩和されています(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。

条文主な対象者緩和される条件
6条(いずれも現に日本に住所がある人)
日本国民であった人の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住所又は居所がある人/日本で生まれた人で引き続き3年以上日本に住所又は居所がある人、又は父母(養父母を除く)が日本で生まれた人/引き続き10年以上日本に居所がある人(6条3号)
住所の条件(5条1項1号)
8条日本国民の子(養子を除く)で日本に住所がある人/日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所があり、縁組の時に本国法で未成年だった人/日本の国籍を失った人(日本に帰化した後に日本の国籍を失った人を除く)で日本に住所がある人/日本で生まれ、出生の時から国籍がなく、その時から引き続き3年以上日本に住所がある人住所の条件(5条1項1号)・能力の条件(同2号)・生計の条件(同4号)

6条3号の「引き続き10年以上日本に居所がある」は条文上の要件で、法務局の案内にある「10年以上在留していることなど」とは別のものです。

【関連記事】帰化の条件が緩和されるのはどんなケース?

結婚と帰化、どちらを先にするか

① 結婚を先にしたほうがよい場合

● 住所の条件(国籍法5条1項1号)を満たしていない場合
引き続き5年以上日本に住所がない方でも、日本人と結婚して国籍法7条の型1・型2に当たれば、住所の条件を備えていなくても帰化が許可されることがあります(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。
なお、引き続き10年以上日本に居所がある方は、結婚していなくても国籍法6条3号により、住所の条件を備えていなくても帰化が許可されることがあります。
● 法務局の案内の「10年以上在留していることなど」に当たらない場合
日本人の配偶者の場合にこの案内がどのように扱われるかは、申請先の法務局で確認してください。婚姻の時期にもよりますが、国籍法7条の緩和を受けられるかどうかも含めて検討するとよいでしょう。

② 帰化を先にしたほうがよい場合

● 結婚の手続きを簡単にしたい場合
ご自身で国籍法5条の条件を満たしていて、帰化が許可された後の結婚の手続きを簡単にしたいという方であれば、独身の状態で帰化申請をし、日本国籍を取得した後に結婚をする方法もあります。

▼ 結婚してから帰化申請をする場合

● メリット:住所・能力の条件が緩和される
国籍法7条により、住所の条件(5条1項1号)と能力の条件(同2号)が緩和されます(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。
● メリット:生まれてくる子が日本国籍を取得する
出生の時に父又は母が日本国民であれば、子は日本国民となります(国籍法2条1号)(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。
● デメリット:結婚時の手続きが煩雑になる
この場合の結婚は国際結婚となるため、婚姻要件具備証明書の取得や本国への婚姻の届出などが必要となることがあります。
● デメリット:相手の国籍によっては、日本人の配偶者が相手方の国籍を取得することがある
結婚によって日本人の配偶者が外国の国籍を取得し重国籍になった場合は、国籍法14条により、期限までにいずれかの国籍を選択する必要があります(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。

▼ 帰化申請してから結婚をする場合

● メリット:結婚の手続きが簡易になる
この場合の結婚は日本人同士の結婚となるため、日本の役所への婚姻届の提出で婚姻ができます。
● メリット:帰化申請時の書類が少なくなる
日本人の配偶者として帰化申請をすると、配偶者の日本の戸籍謄本や、配偶者に関する収入・納税などの書類も必要になるためです(出典:東京法務局「帰化許可申請書に添付する書類(その他の国籍・地域の方)」)。
● デメリット:住所・能力の条件の緩和を受けられない
国籍法5条により、引き続き5年以上日本に住所を有することなどが条件です(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。あわせて法務局の案内では、10年以上在留していることなど、日本社会に融和していることが必要とされています(出典:東京法務局「帰化について」)。

メリット・デメリットのまとめ

メリットデメリット
結婚を先にする・住所・能力の条件が緩和される(国籍法7条)
・生まれてくる子が日本国籍を取得する(国籍法2条)
・結婚時の手続きが煩雑になる
・相手の国籍によっては日本人の配偶者が相手方の国籍を取得することがある
帰化申請を先にする・結婚の手続きが簡易になる
・帰化申請時の書類が少なくなる
・住所・能力の条件の緩和(国籍法7条)を受けられない

日本人の配偶者として申請する場合の追加書類

東京法務局の添付書類の案内では、次のような書類が挙げられています(出典:東京法務局「帰化許可申請書に添付する書類(その他の国籍・地域の方)」)。

  • ● 日本の戸籍(除籍)謄本(全部事項証明書):申請者の配偶者(前配偶者、内縁関係を含む)が日本国民であるとき
  • ● 届書の記載事項証明書(届書等情報内容証明書):日本の市区町村役場に婚姻届などを出しているとき(届出事項の記載のある日本の戸籍謄本を添付する場合は、原則として不要)
  • ● 婚姻証明書(申請者に関する書類):婚姻歴のある申請者
  • ● 住民票・除住民票(世帯全員):同居者がいる場合は、同居者全員分の住民票も必要
  • ● 資産・収入・納税に関する書類:申請者だけでなく、配偶者(内縁関係を含む)や生計を同じくする方がいる場合は、その方に関する書類も必要

必要な書類は、国籍や申請先の法務局によって異なります。申請前に、申請先の法務局で確認してください。

注意点

▼ 審査期間

帰化許可申請には、公式に標準処理期間の定めはなく、審査にかかる期間は案件により異なります(出典:法務省「帰化許可申請」)。

▼ 審査中の在留資格

法務省の国籍Q&Aでは、帰化の住所は適法なものでなければならず、正当な在留資格を有していなければならないとされています(出典:法務省「国籍Q&A」)。帰化の審査中に在留期限が来る場合の手続きは、出入国在留管理庁の案内で確認してください。

▼ 素行の条件

素行の条件は、日本人の配偶者でも緩和されません。素行の条件は、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無などを総合的に考慮して判断されます(出典:法務省「国籍Q&A」)。

よくある質問

日本人と結婚すれば、すぐに帰化できますか?
国籍法7条で緩和されるのは、住所の条件(5条1項1号)と能力の条件(同2号)だけです(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。素行の条件や生計の条件など、そのほかの条件は必要です。日本人の配偶者の場合に、法務局の案内にある「10年以上在留していることなど」がどう扱われるかは、申請先の法務局で確認してください。
海外で結婚し、日本に来て1年ほどです。日本人の配偶者として帰化申請できますか?
国籍法7条後段では、婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する日本国民の配偶者について、住所の条件と能力の条件を備えていなくても帰化を許可できると定められています(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。ご自身が当たるかどうかは、婚姻日と日本での住所の期間を確認したうえで、申請先の法務局に相談してください。
日本人の配偶者でも、生計の条件はありますか?
あります。国籍法7条は生計の条件(5条1項4号)を緩和していません。生計の条件は、条文上「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること」とされています(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。
永住者の配偶者も、国籍法7条の対象になりますか?
国籍法7条の対象は「日本国民の配偶者たる外国人」です(出典:国籍法(e-Gov法令検索))。永住者の配偶者は、この条文の対象ではありません。
帰化の審査には、どのくらいの期間がかかりますか?
帰化許可申請には、公式に標準処理期間の定めはなく、審査にかかる期間は案件により異なります(出典:法務省「帰化許可申請」)。

以上、国籍法の条文と法務局の案内をもとに、結婚と帰化の順番によるメリット・デメリットを解説しました。最も大切なのは、帰化申請を目指しているあなたにとっての最善は何かです。
帰化申請と結婚のどちらを先にする方が良いか、お悩みの場合はぜひ行政書士法人Climbにご相談ください。

【関連記事】帰化とは?7つの条件・必要書類・申請の流れ・費用を解説【2026年最新】

【関連記事】配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の要件・必要書類・申請の流れ

 
■この記事を書いた人■
森山敬代表

森山 敬(もりやま たかし)
行政書士法人Climb代表。創業時から国際業務であるビザ申請・帰化申請に特化。外国人のビザ申請件数は年間約1,000件、豊富な経験とノウハウに自信があります。入管業務についての知見をもとに、顧問として企業に対する外国人雇用のアドバイザリー業務も担当。

⇒この先生がいる「行政書士法人Climb」に相談する

お問い合わせフォーム

関連記事

9:00~19:00(土日祝除く)

LINE相談

24時間受付

無料相談・お問い合わせ

quick
PAGE TOP