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永住許可申請の身元保証人の責任と条件

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永住許可申請をする場合の提出書類の中には、「身元保証書」というものがあります。
身元保証書を用意するためには、身元保証人となってくれる人を探し、身元保証書にその方の自筆による署名が必要になります。
この身元保証人は誰でもなれるというわけでもなく、また、身元保証の内容を勘違いされて断られてしまうこともあるかと思います。
そのため、永住許可申請の身元保証人を探すときには、身元保証人になれる人の条件や身元保証の内容・責任等を十分に理解した上で臨む必要があります。

1.永住許可申請の「身元保証」の意味とは?

▼ 身元保証人は法的責任を負わない

よくあるご質問の一つに、「永住申請の身元保証人は何を保証するものですか、責任の範囲を教えてください」というものがあります。
保証という言葉を聞くと、借金等をするときの連帯保証人・保証人が負う責任を想像する方が多いのですが、永住許可申請の身元保証人の保証は、借金等の契約の連帯保証人・保証人とは異なる意味を持ちます

借金等の契約の連帯保証人・保証人は、借主(債務者)がお金を返すことができない場合に、貸主から、借主に代わって借金を返してほしいと請求される立場にあります。
一方、永住許可申請の身元保証人は、永住許可の申請人が日本での生活に困窮している場合や犯罪等をして損害賠償を請求されている場合でも、入管や被害者等からお金を請求される立場にありません。
このように両者の保証の意味合いは大きく異なり、借金等の保証人に見られる民事上の保証人は法的責任を負い、永住許可の身元保証人は道義的責任を負うに留まるものといえます。

▼ 結果的に支払いをしなかったら?

永住許可の身元保証は道義的責任といえども、身元保証書という書面に自筆で署名しているということで、やはり何かしらの責任を負うのではないかと不安になることはあると思います。 この点、後述の2.で説明する身元保証の内容につき、履行されない場合には出入国在留管理局より履行の指導を受けることはあれども、責任を追及されるということはありません。

ただし、保証事項について履行しない身元保証人という認識を出入国在留管理局に持たれてしまった場合には、身元保証人としての適格を疑われ、以降は身元保証人としての保証力が低いと判断されることがあります。

2.永住許可申請の「身元保証」の内容

永住許可申請の身元保証の内容は、申請人外国人の日本在留に関する以下の3点に関するものです。

  • 滞在費
  • 帰国旅費
  • 法令の遵守

滞在費」とは、申請人が日本で滞在するために必要となる経費全般を指します。
帰国旅費」とは、申請人が万が一、帰国しなければならない場合の帰国のための経費全般を指します。
法令の遵守」とは,申請人が日本に滞在するにあたり,法律等の社会的規範に違反しないことを指します。

3.永住許可申請の身元保証人になれる人・なれない人

永住許可申請の身元保証人には条件があるということを冒頭で触れました。
基本的には以下の条件を満たしていることが求められます。

▼ 日本人もしくは永住ビザを取得している外国人

永住許可申請の身元保証人の条件の1つ目として、永住許可申請の身元保証人として適切なのは「日本人」または「永住者」の方という考え方があります。
というのも、永住許可申請の申請人よりも日本に滞在できる期間が短い方は身元保証の内容を果たせない可能性があるため、今後も長く日本に滞在できる日本人や永住者が身元保証人として適切であると判断されるからです。

▼ 安定的な収入がある人

永住許可申請の身元保証人の条件の2つ目は、身元保証人に安定した収入があることです。
ただし、収入が一定以上ないと認められないというわけではなく、実務上は緩やかに解されています。働いていて定期的な収入があれば問題になることはほとんどありません。

▼ 納税義務を果たしている人

永住許可申請の身元保証人の条件の3つ目として、身元保証人が納税義務を果たしていることがあります。
この点、実務上は住民税の納付が問題なくされていれば、納税義務を果たしているものと扱われます。

4.まとめ

永住許可申請の身元保証人について、責任の範囲や条件について説明させていただきました。
永住許可申請をするときに「身元保証人は誰にお願いすればいいか」とお困りになるお客様がいらっしゃいます。
身元保証人の存在は絶対に必要なために、どなたかにご協力いただくことが必要になりますが、誰でもよいというわけではありません。
上述した条件について、ぜひ参考にしてください。

また、「身元保証」の内容を民事上の保証と同じように捉えられてしまう結果、「重い責任を追いたくない」と断られてしまうこともあるでしょう。
そのため、ご説明したポイントである「身元保証人の保証の範囲」、「身元保証人の条件」について正しく把握しておくとよいでしょう。


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■この記事を書いた人■
森山敬代表

森山 敬(もりやま たかし)
行政書士法人Climb代表。創業時から国際業務であるビザ申請・帰化申請に特化。外国人のビザ申請件数は年間約1,000件、豊富な経験とノウハウに自信があります。入管業務についての知見をもとに、顧問として企業に対する外国人雇用のアドバイザリー業務も担当。

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