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永住権の年収はいくら必要?扶養家族別の目安・証明書類と2026年10月の収入要件改定

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【2026年10月1日から収入要件が変わります】

永住許可に関するガイドラインの改定案により、独立生計要件は「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額」に変更され、収入に関する要素は2026年10月1日から先行して適用されます。具体的な基準額は公表されていません。このページで紹介する年収の目安は、改定前の実務上の運用に基づくものです。
詳しくは永住許可のガイドライン改定案|年収要件・配偶者特例の厳格化と経過措置を解説をご覧ください。

なお、2026年9月24日時点で出入国在留管理庁が掲載している永住許可に関するガイドラインは「令和8年2月24日改訂」版で、改定後のガイドラインはまだ公表されていません。

永住権申請に必要な年収の目安(改定前の実務上の目安)

永住権(永住許可)の審査では、「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」(独立生計要件)が求められ、その中心となるのが年収です。
本項目では、よく言われる「年収300万円」の実態と、扶養家族の人数や在留資格によって変わる年収の目安、何年分の収入が審査されるのかを解説します。

▼「年収300万円」は法令上の基準ではない

結論から言えば、年収について法令上の明確な基準額はありません。入管法が定めるのは「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」という要件で、永住許可に関するガイドラインもその意味を「日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること」と説明しているだけです。出入国在留管理庁が一律の最低年収を公表したこともありません。

それでも「年収300万円前後」という数字が広く語られているのは、就労系の在留資格から永住を申請した方の許可・不許可の実例から、行政書士などの実務家が経験則として共有している目安だからです。そのため、300万円を超えていれば必ず許可されるわけではなく、逆に300万円を下回っていても、世帯全体の収入や資産で生活の安定性を示せれば許可されるケースがあります。

参考:出入国在留管理庁|永住許可に関するガイドライン

▼ 扶養家族人数別の年収の目安

実際に永住権に必要な収入は、扶養家族人数別に見ると以下のようになります。

以下は改定前の実務上の運用に基づく目安です。2026年10月以降の申請では、この水準より引き上げられる可能性があります。

扶養家族数 目安年収 扶養家族なし(単身) 約300万円 扶養家族1人 約340万円 扶養家族2人 約380万円 扶養家族3人 約420万円 扶養家族4人 約450万円 ※扶養家族が1人増えるごとに、目安として+40万円

基本的に年収300万円がひとつの目安となり、扶養家族が1人増える度にプラス40万円必要だと考えてください。

※扶養家族の人数に応じた加算額は実務上の目安です。実際には、配偶者の収入を含めた世帯全体の収入、地域の物価水準、資産の状況なども合わせて総合的に判断されます。

ただ、収入に関してはあくまでも目安です。また、年々基準とされている金額は上がっています。
永住ビザ申請においてどれだけの収入が必要かというのは明確にされていないため、申請者がどんな仕事に就いているかによっても変わります。
また収入面の安定性も必要不可欠な要素となっているため、300万円を超えたら要項を満たせるというわけでもないことは注意してくださいね。

▼ 永住ビザで審査されるのは何年分の収入?

先述したように永住ビザ申請時に見られる収入では、安定性もチェックされます。
そのため目安となる収入を超えたからといって、去年の収入が低ければ審査が通る可能性は低いでしょう。

審査される年数は各在留資格によって違いますが、以下のように設けられています。

現在の在留資格提出する課税・納税証明書(審査される収入)
技術・人文知識・国際業務
経営・管理
企業内転勤
教授・研究・教育
医療・法律・技能
家族滞在
直近5年分
高度専門職ポイント80点以上:直近1年分
ポイント70点以上:直近3年分
日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
直近3年分
(日本人・永住者等の実子は直近1年分)
定住者直近5年分

就労系の在留資格や定住者の方は直近5年分、配偶者等の方は直近3年分の課税・納税証明書を提出します。その期間を通じて、目安となる収入を安定して上回っているかを確認しておきましょう。
直近の期間内で収入が目安となる金額を安定して越えているのなら、要件を満たしていると判断される可能性が高くなります。

▼ 転職が多いなど収入が不安定な場合はどうなる?

転職回数が多い方の場合、永住申請の際に収入面でマイナスになる可能性があります。
例えば退職してから再就職までの期間や、転職して間もない場合は安定性がまだないと判断されるでしょう。

他にも、就労ビザの保有期間が5年を過ぎていたとしても、その間に転職活動を行っていた場合は注意が必要です。
一番の理想は転職せずに5年間安定した収入を得続けることですが、何らかの事情があって転職した場合、転職後からなるべく期間を空けずに安定性を証明する必要があります。
他にも転職活動をしてすぐに働ける状態になってから退職し、再就職までの期間を作らないなどの工夫が必要です。

いずれにせよ転職回数が多いと収入面での条件をクリアしづらくなるため注意しましょう。

▼ 自営業者・フリーランスの場合

自営業者やフリーランスの方は、毎月決まった給与がないため、収入の変動が大きいと「安定した生計」を示しにくい点に注意が必要です。確定申告書の内容や過去数年分の所得の推移、事業が続いていることを示す資料をもとに、会社員よりも詳しく審査されます。
開業して間もない場合や赤字の年がある場合は、その理由と今後の見通しを説明する資料を用意しておくとよいでしょう。

2026年10月からの収入要件はどう変わる?

2026年8月、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン」の改定案を公表しました(パブリックコメントは2026年9月4日に終了)。この改定案では、独立生計要件の判断基準が次のように変更されます。

「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達しているか」

▼ 具体的な金額は公表されていない

改定案で示されているのは「日本人世帯の平均収入」という考え方だけで、世帯人数ごとの具体的な基準額や、どの統計を用いるのかは公表されていません。
そのため現時点では、従来の目安を下回らないように備えつつ、正式な基準の公表を待つことになります。

▼ 収入に関する要素だけ2026年10月1日に前倒しで適用

改定内容の多くは2027年4月1日からの適用ですが、収入に関する要素は2026年10月1日から先行して適用されます。
さらに、2026年4月以降に申請し、2026年10月1日の時点でまだ審査中の案件についても新しい基準で判断されるため、すでに申請を終えている方にも影響します。

改定案では、この前倒し適用の対象を「改定日から6か月前の日以降の申請であって、かつ、改定日において申請中である案件」としています。改定日が2026年10月1日となれば、2026年4月1日以降に申請して10月1日時点で審査中の案件が対象です。

▼ 申請時期の考え方

収入要件が引き上げられる方向であること、あわせて2026年10月1日から永住許可の手数料が20万円に改定されることを踏まえると、要件を満たしている方は早めの申請を検討する価値があります。

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永住権申請で年収を証明する書類

永住権の申請では、年収と納税の状況を公的な証明書で示します。就労系の在留資格の方(永住許可申請3)を例に、主な書類をまとめます。

▼ 給与所得者の場合

  • ● 在職証明書
  • ● 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの):就労系・家族滞在・定住者は直近5年分、配偶者等は直近3年分
  • ● 国税の納税証明書(その3):源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税の5税目
  • ● 公的年金・公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料(過去2年間)

転職して間もなく、その年の源泉徴収票がまだない場合は、直近数か月分の給与明細書などで現在の収入を説明することもあります。

▼ 自営業・会社役員の場合

  • ● 確定申告書控えの写し、営業許可書の写し(取得している場合)
  • ● 青色申告決算書または収支内訳書、法人の場合は決算報告書・登記事項証明書など
  • ● 上記と同じ住民税・国税の証明書、公的年金・公的医療保険の納付を証明する資料

e-Taxで確定申告をしている場合も、申告書の控えを印刷して保管しておきましょう。

▼ 住民税の課税証明書・納税証明書の取り方

住民税の証明書は、その年の1月1日に住んでいた市区町村の窓口で取得します。転居を繰り返している方は市区町村ごとに請求が必要なので、早めに準備しましょう。課税額と納税状況が1枚にまとまった証明書であれば、どちらか一方で足ります。国税の納税証明書(その3)は税務署で取得でき、e-Taxでのオンライン請求も可能です。

なお、ガイドラインでは、申請時に納付済みであっても当初の納期限内に納めていなかった場合は原則として消極的に評価されるとしています。領収証書などで遅れがないことを示せるようにしておきましょう。

参考:出入国在留管理庁|永住許可申請3

年収が目安に届かない場合の対処法

▼ 配偶者の収入を合算できるか

審査では世帯全体の収入や資産も含めて評価されます。共働きの場合は、配偶者の源泉徴収票や在職証明書などもあわせて提出することで、世帯として安定した生活を示せる可能性があります。

▼ 申請時期を見直す

転職直後や収入が一時的に落ち込んでいる場合は、無理に申請せず、収入が安定してから数年分の実績を積んで申請するほうが、結果的に許可に近づくケースがあります。ただし、2026年10月からは収入要件の引き上げと手数料の改定(永住許可は20万円)が予定されているため、時期の判断は専門家に相談することをおすすめします。

▼ 貯金などの資産で補う

継続的な収入が目安に届かない場合、預貯金や不動産などの資産が補足的に考慮されることがあります(詳しくは次の見出しで解説します)。

貯金・不動産などの資産はどう評価される?

審査で重視されるのはあくまで年収の安定性で、預貯金・不動産・株などの資産は、収入を補う材料として総合的に判断されます。貯金額に明確な基準はなく、実務上は同居家族全員が半年〜1年暮らせる額が目安です。不動産はローンがなければ家賃負担がない分わずかに考慮されますが、大きく有利になるものではありません。
貯金額のケース別の目安(単身100〜150万円など)や、預金残高証明書・通帳コピーなどの資産関係書類の準備方法は、永住権の貯金はいくら必要?単身100万・家族300万円の目安と証明書類で詳しく解説しています。

 

よくある質問

転職直後でも申請できる?
申請自体は可能ですが、転職直後は収入の継続性を確認しにくいという点で審査上不利になる可能性があります。特に、新しい職場での収入実績がまだ短い場合、雇用の安定性が十分に示せないと判断されることがあるため、可能であれば一定期間(半年~1年程度)勤務を継続し、実績を積んでから申請することをおすすめします。
直近1年の年収と過去数年の年収、どちらが重視される?
直近1年分だけでなく、過去数年分の所得の推移が確認されます。就労系の在留資格では直近5年分の課税・納税証明書を提出するため、その間の推移が見られます。単年度の年収が高くても、それ以前の年収が不安定であったり、大きな変動があったりする場合は、収入の継続性という観点でより慎重に審査される可能性があります。

まとめ

永住権の申請で「年収300万円」とよく言われますが、これは法令上の基準ではなく、審査実務から生まれた目安です。単身でおおよそ300万円、扶養家族が1人増えるごとに40万円ほどを目安に、直近5年分(配偶者等は3年分)の収入が安定しているかが確認されます。

年収の金額だけでなく、収入の継続性、扶養人数、世帯全体の収入や資産、納税・年金・医療保険の納付状況が総合的に評価されます。年収が目安に届かない場合は、配偶者の収入の合算や申請時期の見直しも検討しましょう。

2026年10月1日からは、独立生計要件の判断基準が「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額」に変わり、収入に関する要素が先行して適用されます。具体的な基準額はまだ公表されていませんが、従来より厳しくなる方向です。同日から永住許可の手数料も20万円に改定されるため、要件を満たしている方は早めの申請を検討されることをおすすめします。

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