高度人材からポイントが70点以上あるケースの永住ビザ申請
日本に就労している外国人の方で、高度人材のビザを目指している方も多いでしょう。
高度人材とは、日本の学術研究や経済発展に寄与すると思われる高度の専門的な能力を持つ外国人を指します。
高度人材になるためには、出入国在留管理庁が公表している「ポイント計算表」の要件を70点以上満たしていなければいけません。
高度人材になるといくつかの優遇措置を受けることができます。中でも一番大きいのは、永住申請の条件が大幅に緩和される点です。
詳しく見てみましょう。
- ● 高度外国人材として70点以上で認められた場合
- 永住ビザ申請に必要な在留期間(原則10年)が3年に短縮される
- ● 高度外国人材として80点以上の非常に高度な人材として認められた場合
- 永住ビザ申請に必要な在留期間(原則10年)が1年に短縮される
以上のように、永住申請をするために求められている在留期間の大幅な短縮が期待できます。
そのため、高度専門職以外の就労ビザの方でも、上記のポイントと在留期間を満たしていれば特例の対象になります。
また既に高度人材の方の場合、以下の条件を満たしていれば永住ビザの申請が可能となっています。
- ● 3年前の時点から現在まで、継続してポイントが70点以上ある
- ● 1年前の時点から現在まで、継続してポイントが80点以上ある
どちらかの条件を満たすと永住申請の特例条件に該当し、70点以上の場合は3年、80点以上の場合は1年の在留で申請できます。
この条件は、例えば「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」といった在留資格にも適用されるため、覚えておきましょう。
詳細は、出入国在留管理庁ホームページの永住許可に関するガイドラインを参照ください。
高度人材ポイントが70点あるケースの永住ビザ申請
高度人材ポイントが70点以上ある場合、永住ビザの申請が可能です。
ポイントの計算に関しては、先述したように出入国在留管理庁が公開している「ポイント計算表」に照らし合わせればおおよその数字が算出できます。
ただし、既に高度人材の方や他の在留資格を持っている方の場合、申請時には現在のポイント計算表に加えて、過去(1年前or3年前)の高度人材ポイントが70点以上であると立証できる書類が必要です。
どんな書類が必要なのか、詳しく見てみましょう。
▼ 基本的な申請書類
高度人材から永住ビザへ申請をする際、まずは以下の書類を集めてください。
- ・永住許可申請書
- ・身元保証書(日本語版と英語版)
- ・写真(4cm✕3cm)
- ・パスポート
- ・在留カード
- ・資格外活動許可書(ある場合)
- ・身分を証する文書
これら7つの書類は基本的な書類として必要となるため、忘れずに準備してくださいね。
永住ビザを申請するにはこれらの他にも準備しなければいけない書類が多くあります。
必要な書類が多いためつい時間をかけてしまいそうになりますが、永住ビザはその性質上、法律が改正されると申請条件が厳しくなったり、自分の生活状況が変わると難しくなったりする場合があるため、早め早めに動くことがオススメです。
前述したポイントが70点以上あることを証明する書類も必要になります。
特に過去の分まで集めなければいけない場合もあるため、時間がかかるでしょう。
ではポイントを立証するための書類にはどのようなものがあるのでしょうか?
▼ ポイントが70点以上あることの立証書類
高度人材の方が永住ビザを申請するにあたって必要になるのが、高度専門職ポイント計算表によるポイント計算表です。
ポイントを計算表に関しては出入国在留管理庁のホームページよりダウンロードできるため、それを活用しましょう。
70点の方の場合、更に以下の立証書類を集める必要があります。
- ・理由書(日本語以外で記載する場合は翻訳文が必要)
- ・申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
- ・申請人の職業を証明する資料(在職証明書または営業許可証)
- ・過去3年分の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料
(住民税・国税・預貯金通帳の写しなど) - ・申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
(ねんきん定期便、マイナポータルの健康保険の資格情報画面又は資格確認書の写し など) - ・高度専門職ポイント計算表
- ・ポイント計算の各項目に関する疎明資料(現在の分に加えて過去の分(3年前)が必要)
- ・申請人の方の資産を証明する資料(預貯金通帳の写しや不動産の登記簿証明書)
- ・身元保証書
- ・身元保証人に関する資料
- ・日本への貢献に係る資料(表彰状や感謝状、組織からの推薦状など)
基本的な書類と比べると非常に多くなっているのがわかるかと思います。
特にポイント計算の疎明資料は、現在の分に加えて過去の分(3年前)が必要となるため注意が必要です。
詳しくは出入国在留管理庁のホームページにも記載してあるため、そちらも合わせて確認してください。
高度人材から永住ビザに変更するメリット・デメリットとは?
高度人材から永住ビザに変更した際のメリット・デメリットはどうなのでしょうか。
実際に変更したら、今とどう変わるのかは気になるポイントですよね。
ここからは高度人材の方が永住ビザへ変更した際に得られるメリットとデメリットを解説します。
▼ メリット
高度人材から永住ビザへ変更した際、一般的に以下のようなメリットが得られます。
- ● 在留期間が無制限になる
- ● 活動内容が制限さないため、活動の幅が広がる
- ● 社会的信用度が上がる
- ● 配偶者の就労制限も撤廃される
この中でも特にありがたいのが、永住ビザを取得することで在留期間が5年から無制限に変更されることです。
在留期間の手続きが不要になるため楽になるのは間違いありません。
ただし、在留カードには有効期間があるため、その更新手続きは必要です(2026年6月13日までに交付されたカードは交付日から7年、6月14日以降に交付されるカードは交付日後10回目の誕生日まで。交付時に18歳未満の方は5回目の誕生日まで)。
また、永住ビザを取得することによって活動内容の制限がなくなるため、高度人材よりも更に活動の幅が広がります。
これは配偶者にも適用されるため、家族での活動内容が広がると考えてOKです。
さらに、永住ビザを取得することによって他の在留資格を持っている外国人よりも社会的信用度が高くなり、住宅ローンや事業者向けのローンと行った金融機関の融資を受けやすくなります。
日本で生活するにあたって、より暮らしやすくなるのは間違いありません。
▼ デメリット
高度人材には高度人材なりのメリットがあるため、永住ビザになることで以下の優遇措置が受けられなくなります。
- ● 親の帯同
- ● 家事使用人の帯同
これらは高度人材の際に認められていた優遇措置ですが、永住ビザになると撤廃されます。
親や家事使用人と一緒に住んでいる場合、永住ビザに変更するかどうかはよく考えるようにしましょう。
高度人材に変更しなくても高度人材として永住申請することができる
永住ビザになったことで生じるデメリットがどうしても許容できない場合の方法として、高度人材として永住申請する方法があります。
その方法が、高度人材の2号(高度専門職2号)に変更することです。
一般的に高度人材はまず1号を取得します。そして1号を取得してから3年間活動を行うことで、2号へと資格を変更することが可能です。
とはいえ、2号に変更するためには以下の条件を満たさなければいけません。
- ・素行が善良であること
- ・日本国の利益に合致すること
- ・活動内容が相当でないと認める場合でないこと
- ・高度専門職2号の活動に該当すること
- ・ポイントが70点以上であること
- ・年収300万円以上であること(高度専門・技術分野及び高度経営・管理分野の場合。出典:出入国在留管理庁「ポイント計算表」/確認日:2026年10月13日)
- ※この最低年収の要件については、引上げの方針が報じられています(『【報道】高度専門職の最低年収要件の引上げ方針』)。
- ・高度専門職1号の在留資格を持ち3年以上の活動を行っていたこと
これら全てを満たさなければならないため、永住ビザと同じくらい難しい在留資格でもあります。
ただし、2号を取得することで転職活動まで行えるため、「親の帯同」「家事使用人の帯同」がある場合は、永住ビザではなく高度人材の2号取得がオススメです。
是非検討してみてくださいね。
<関連コラム> 高度人材から永住に変更する場合の条件と手続き
よくある質問
Q.「高度専門職」の在留資格を持っていなくても、ポイントの特例で永住申請できますか?
A.ガイドラインでは、高度専門職として在留している場合に加えて、永住許可申請日から3年前の時点を基準にポイント計算をして70点以上あり、3年以上継続して70点以上で在留している場合も特例の対象としています(80点以上の場合は1年前の時点が基準で、1年以上の継続)。このため、就労系の在留資格の方でも、過去の時点のポイントを資料で示せれば対象になります(出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」、確認日:2026年11月2日)。
Q.2027年4月以降に申請する場合も、高度人材の特例はありますか?
A.2027年4月1日以降の申請に適用される改定後のガイドラインでも、70点以上で3年、80点以上で1年の特例は定められています。ただし、収入などほかの考慮要素の書き方は変わっているため、自分の申請時期に適用されるガイドラインを確認してください(出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」、「永住許可(入管法第22条)」、確認日:2026年11月2日)。
Q.永住申請の審査中に、今の在留期限が来たらどうなりますか?
A.永住許可申請中に在留期間が満了する場合は、満了日までに別途、在留期間更新許可申請をする必要があります。永住許可申請の標準処理期間は4か月~6か月とされているため、在留期限が近い場合は更新の時期もあわせて確認しておきましょう(出典:出入国在留管理庁「永住許可申請」、確認日:2026年11月2日)。
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