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永住権は離婚したら取り消される?結論と取消しになるケース|2027年改正の新しい取消事由も解説

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離婚したら永住権の取り消しはありうる?

永住権を持っている方で気になるのが、離婚した場合に永住権が取り消されるのかどうかということでしょう。
特に配偶者の在留資格から永住者の許可を得ていた場合、離婚となると不安を覚えてしまうのは無理もありません。
本項目では、これまで永住権を持っていた方が離婚した場合、取り消されるのかどうかを解説します。

▼ 基本的に離婚による永住権の取り消しはない

結論から先に言うと、離婚によって永住権が取り消されることはありません。
永住ビザは一度取得すると、離婚や死別をしても取り消されずそのまま永住者として日本で生活が可能です。
もちろん帰化されている方も同様に日本人として居続けられます。

ただ永住権ではなく配偶者等のビザだった場合は、在留期限までに新たなビザを取得するか母国へ帰らなければいけません。

離婚や死別は前もってわかるようなものではないため、結婚後も引き続き日本で生活したい場合は、早めに永住権を取得するようにしましょう。
特に配偶者ビザは家庭の収入要件が審査の対象となるため、婚姻中に申請する方が有利です。

しかしながら、もし永住ビザを申請前に離婚してしまった場合、人道的配慮により定住者ビザの発行となったケースもあります。

例えば、

  • ● 離婚後の生活能力が高い
  • ● 素行が善良である
  • ● 未成年の実子を育てる必要がある

以上のような実例が認められています。
特に良い雰囲気で離婚してない場合は、定住者ビザを経由して永住ビザの取得を考えると良いでしょう。

▼ 離婚後に永住権を取り消されるケース

離婚そのものを理由に永住権が取り消されることはありませんが、次のような場合は在留資格の取消しの対象になります(入管法22条の4第1項)。

  • ● 配偶者として永住許可を受けたが、婚姻の実態がなかった(偽装結婚だった)ことが判明したとき
  • ● 永住許可申請の内容や提出書類に偽りがあったことが判明したとき
  • ● 届け出た住居地から退去した日から90日以内に、新しい住居地の届出をしなかったとき(正当な理由がある場合を除く)
  • ● 虚偽の住居地を届け出たとき

▼ 取消しとは別に「失効」する場合に注意

取消しとは別に、出国のしかたによっては永住権(永住者の在留資格)そのものが失われる(失効する)ことがあります。

  • ● 再入国許可も「みなし再入国許可」も受けずに出国したとき(出国した時点で失効)
  • ● みなし再入国許可で出国し、出国の日から1年以内に再入国しなかったとき
  • ● 再入国許可(有効期間は最長5年)で出国し、有効期間内に再入国しなかったとき

例えば、離婚後に母国へ帰ったまま長期間戻らないと、このルールで永住権を失うことがあります。みなし再入国許可の有効期間は海外で延長できないため、長く日本を離れる可能性がある場合は、出国前に再入国許可を取得しておくと、手続きの準備がしやすくなります(詳しくは永住者が必要となる再入国許可とは?を参照)。

永住者でも退去強制の対象になる場合

永住者であっても、麻薬・覚醒剤などに関する罪で有罪判決を受けた場合や、売春に直接関係する業務に従事した場合など、入管法24条に定める退去強制事由に該当すると退去強制の対象になります。これは在留資格の取消しとは別の手続です。

このほか、2027年4月からは永住者の在留資格の取消事由が新たに追加されます(次の項目で解説します)。

2027年4月から永住許可の取消事由が追加されます

2024年に成立した改正入管法(令和6年法律第60号)により、2027年4月1日から、永住者の在留資格の取消事由が新たに加わります(改正後の入管法22条の4第1項第8号・第9号)。

  • ● 入管法に定める義務(在留カードの有効期間の更新申請など)を守らない場合
  • ● 故意に税金や社会保険料などの公租公課を支払わない場合
  • ● 刑法の一定の罪(傷害・窃盗・詐欺など)により拘禁刑に処せられた場合

離婚そのものは、改正後も永住許可の取消事由には含まれていません。改正の全体像は2027年の永住許可制度の変更点まとめで解説しています。

(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」令和9年4月1日施行版)

配偶者ビザのまま離婚した場合の注意点

永住許可を受ける前、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格で在留している方が離婚した場合は、次の点に注意が必要です。

  • ● 離婚した日から14日以内に、出入国在留管理庁へ「配偶者に関する届出」をする必要があります(入管法19条の16第3号)。
  • ● 配偶者としての活動を、正当な理由なく継続して6か月以上行わないで在留していると、在留資格の取消しの対象になります(入管法22条の4第1項第7号)。
  • ● 引き続き日本で暮らすには、定住者など他の在留資格への変更を検討する必要があります。

配偶者ビザの「6か月ルール」と取消しにならない例

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の方は、離婚後すぐに出国しなければならないわけではなく、在留期限までは在留できます。ただし、正当な理由なく配偶者としての活動を継続して6か月以上行わないで在留していると、在留資格取消しの対象になります(入管法22条の4第1項第7号)。離婚後はできるだけ早く、定住者など他の在留資格への変更を検討しましょう。なお、この理由で在留資格を取り消そうとする場合には、在留資格の変更申請の機会を与えるよう配慮することとされています(同法22条の5)。

出入国在留管理庁は、次のような場合を、取消しを行わない具体例として公表しています。

  • ● 配偶者からの暴力(DV)を理由として、一時的に避難・保護を必要としている場合
  • ● 子どもの養育等やむを得ない事情のため配偶者と別居して生活しているが、生計を一にしている場合
  • ● 本国の親族の傷病等の理由により、再入国許可による長期間の出国をしている場合
  • ● 離婚調停または離婚訴訟中の場合

(出典:出入国在留管理庁「配偶者の身分を有する者としての活動を行わないことに正当な理由がある場合等在留資格の取消しを行わない具体例について」)

また、日本国籍の子どもを日本で養育する場合などは、事情によって定住者への在留資格変更が認められることがあります。お子さんがいる場合は、親子それぞれの在留資格を早めに確認しておきましょう。

在留資格が取り消された際の流れと対処方法

在留資格を取り消す前には、法務大臣が指定する入国審査官が本人の意見を聴く「意見聴取」が行われ、本人や代理人は意見を述べたり証拠を提出したりできます(入管法22条の4第2項〜第4項)。取り消すかどうかは法務大臣が判断します。

意見聴取では日本語での説明が求められることが多いため、日本語に不安がある方は、行政書士や弁護士などの専門家に相談し、必要な資料を準備したうえで臨むとよいでしょう。

取消し後の扱いは、取消しの理由によって異なります。

  • ● 偽りその他不正な手段で許可を受けていた場合(同条第1項第1号・第2号)…退去強制の対象になります
  • ● それ以外の理由の場合…原則として30日を超えない範囲で、出国のための期間が指定されます(同条第7項)。期間を過ぎて日本に残っていると、退去強制の対象になります(入管法24条2号の4)

退去強制された場合は、原則として退去の日から5年間(過去に退去強制や出国命令を受けたことがある場合は10年間)日本に上陸できません。上陸拒否期間が1年となるのは、出国命令制度により出国した場合などです(入管法5条1項9号)。一方、在留資格の取消し後に指定された期間内に出国した場合は、この上陸拒否期間の対象にはなりません。

取消しや退去強制を避けるためにも、離婚後の在留資格の手続は早めに進めましょう。

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