入管手続きのオンライン申請
従来、入管の手続きを行うには、実際に出入国在留管理庁へ出向いて書類を取得したり提出したりする必要がありました。
手続きの際に職員と直接確認できるため、ミスが少なくなるのは嬉しい反面、平日に時間を作って行かなければならないというのは大きなデメリットでした。混雑時には待ち時間が非常に長くなってしまうこともあり、手続きだけでとても手間がかかると感じていた方も多いのではないでしょうか。
しかし2022年5月現在では、オンラインによって従来よりも簡単に申請が可能となっています。
本項ではオンライン申請時に知っておきたい以下の内容について詳しく解説します。
1. オンライン申請とは
オンライン申請とは、出入国在留管理庁の窓口に出向いて行っていたアナログな手法の申請方法が、オンラインでできるようになったことを指します。
わざわざ出向く必要がなくなったため、時間と費用を大きく節約できるのはもちろん、自宅やオフィスのパソコンから直接「申請手続」が可能です。
オンラインのため、システムメンテナンスを行っている時以外は24時間365日いつでも利用が可能となっています。
在留資格のオンライン申請自体は、実は2019年から開始されていていましたが、申請可能な在留資格は一部に限られていました。
2022年3月からシステムが新しくなり、ほとんどの在留資格でオンライン申請が可能となっています。
2. オンライン申請ができる人(個人・士業・企業等)
在留資格をオンライン申請できる人は、以下のように定められています。
- ・申請人から依頼を受けた所属機関(企業 / 学校等の教育機関 / 監理団体等)の職員
- ・取次資格を有する弁護士 / 行政書士
- ・取次資格を有する公益法人の職員 / 登録支援機関の職員
- ・登録支援機関の職員
- ・申請人である外国人本人
- ・法廷代理人
- ・親族(配偶者 / 子 / 父または母)
注意点として、本人かその法定代理人、所属機関以外は、承認もしくは特別な理由が必要です。
特に親族からの申請は、申請人が16歳未満または疾病などの理由によって自分で申請できない場合に限ります。
3.オンライン申請ができる在留資格
オンライン申請が可能な在留資格は2022年3月より一気に増え、「外交」「短期滞在」を除く全ての在留資格が対象となりました。
それまでは申請の対象外であった、下記の在留資格も可能です。
- ・日本人の配偶者等
- ・永住者の配偶者等
- ・定住者
ただし、外交や短期滞在、特定活動の在留資格へ変更を希望する場合は、オンライン申請の対象外となります。
その場合は従来と同じく出入国在留管理庁へ出向いて直接申請しましょう。
4.オンライン申請の手順
外国人の方が個人でオンライン申請を利用する場合には、以下の手順が必要となります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
Step 1.マイナンバーカードを取得する
まず、オンライン申請に必要な「マイナンバーカード」を取得します。
外国人の方が日本で初めて住民票を作成すると、おおよそ2~3週間程度で自宅にマイナンバー交付のための申請書が届きます。
もし紛失している場合は近くの市区町村役所で再発行してもらいましょう。
マイナンバーの交付申請書が手元にあるのなら、スマートフォンを使って以下の手順でマイナンバーカードの申込みを行います。
- 1.スマートフォンで顔写真を撮影する
- 2.交付申請書のQRコードから申請用Webサイトへアクセス
- 3.申請書IDや手続きに必要なメールアドレスを登録する
- 4.登録したメールアドレス宛に登録完了の連絡メールが届くので、そこに記載されたURLへアクセス
- 5.認証番号を入力し、顔写真をアップロード
- 6.画面の指示に従って必要な情報を入力
- 7. 登録したメールアドレス宛に登録完了のメールが届く
以上で申込は完了となります。
申込み後しばらくすると自宅へ交付通知書(ハガキ)が届くので、ハガキを持って市区町村役場へ取りに行きます。
申請から交付までおおよそ2週間程度かかります。
マイナンバーカード申請についての詳細は⇒コチラをご確認下さい。
Step 2.在留資格オンラインシステムに登録する
オンライン申請をする前に、「在留資格オンラインシステム」に登録をします。
申請はこのシステムから行うため、会員登録のようなものと考えて構いません。
在留資格オンラインシステムに登録するためには、パソコンとマイナンバーカードとICカードリーダーが必要となります。
マイナンバーカードに搭載された電子証明書を読み出す機器をパソコンに接続する必要がありますので、詳しくは⇒コチラを参考にして下さい。
2022年3月現在、スマートフォンからは申請できないため注意しましょう。
画面指示に従ってマイナンバーカードを読み取り、利用規約に同意すれば登録完了です。
Step3. 申請を行う
入力は基本的に指示通りに行いましょう。
- 1.申請情報を入力する
- 2.入力が完了したら「入力情報確認」の画面で再度確認する
- 3.問題なければ「申請情報一覧」から「顔写真」と「資料」を添付する
※資料はPDF形式で送ってください。
数が多い場合は「資料添付に関する申告書」を添付すればOKです。 - 4.「在留カードの受領方法を変更する」から在留カードの受領方法を選択する
- 5.「入管庁に申請を行う」をクリック
- 6.メールで「申請受付仮番号」と「申請受付番号」が届くので保存しておく
以上の手順でオンライン申請が完了します。
在留カードの受取方法は申請時に選ぶことができます。
提出資料をPDF化するといった手間はかかりますが、実際に出向くよりも圧倒的に簡単で早く申請することが可能です。
5.オンライン申請を行う際の注意点
在留資格のオンライン申請は非常に便利ですが、注意したい点がいくつかあります
特に以下の3つについては、間違えやすいので意識しておくことをオススメします。
- ① 申請はパソコンからのみ
- ② 在留カードの発行には料金がかかる
- ③ 場合によっては追加資料を求められる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 申請はパソコンからのみ
在留資格のオンライン申請は、原則パソコンからしかできません。
スマートフォンからはできないため、パソコン環境のある場所で申請を行ってください。
また、入力の際にマイナンバーカードを読み込む必要があるため、ICカードリーダーが必須です。
オンライン申請をするにはパソコン+ICカードリーダーの2つを必ず準備しましょう。
② 在留カードの発行には料金がかかる
オンライン申請するにあたって注意したい点として、料金がかかるというものがあります。
申請時に利用料金はかかりませんが、申請が許可された場合はそれぞれ申請手数料を収入印紙で納付しなければなりません。
- ・在留資格の変更の許可:4,000円
- ・在留期間の更新の許可:4,000円
- ・就労失格証明書の交付:1,200円
- ・再入国の許可(1回限り):3,000円
- ・再入国の許可(数次):6,000円
以上は申請手数料がかかるため、注意しましょう。
③ 場合によっては追加資料を求められる
オンライン申請は従来の手続きと違って、在留カードとマイナンバーカードさえあれば基本的に申請を受け付けてもらえます。
求められる必要書類や資料は申請時に添付して提出することができるため、手続きが簡素化されます。
ただし、手続きによっては追加の書類等を求められる場合があります。
特に難易度の高い申請の場合、オンライン申請で入力した項目だけでは審査が困難となることがあります。その場合、判断するための材料として追加で資料を求められることがあります。
その場合は速やかに該当書類を集め、指示された送付先へ郵送しましょう。
依頼された書類等を準備できないと不許可になってしまうことも考えられるため、注意が必要です。
在留資格申請に関するご相談については行政書士法人Climbへ
オンライン申請によって、在留資格の申請は従来よりも簡便になりました。
しかしながら、申請には利用者IDを登録しなければならなかったりパソコンやICカードリーダーが必要であったりと、依然として手間やコストがかかってしまっている面があります。
行政書士法人Climbは、年間約1,000件の実績のあるビザ専門の行政書士事務所です。
長年培ってきたノウハウと入管業務専門に携わってきた経験をもとに、迅速かつ丁寧に申請を行います。
24時間365日いつでも無料相談を受け付けております。
在留資格のオンライン申請でお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
オンライン申請に関するご質問はClimbへ
電話・問合せフォームからお気軽にご連絡ください!