【関連記事】2025年10月16日施行|経営・管理ビザの新要件まとめ【資本金3,000万円・雇用義務など】
飲食店を経営することを目的として「経営・管理」のビザを申請するためには、どのような準備が必要になるでしょうか。行政書士が詳しく解説します。
経営・管理ビザの要件・必要書類・申請の流れは、『経営・管理ビザ(経営管理ビザ)の要件・必要書類・申請の流れ』で詳しく解説しています。
1.会社の設立手続
この手続については、「在留資格「経営・管理」の申請に必要な手続・条件について」の記事の冒頭に記載がありますので、こちらの「経営・管理」のページをご覧ください。
2.店舗物件の確保
会社の設立のときに、会社の本店として登記されている物件とは別に、実際にレストランやバー等になる店舗の物件が必要になる場合があります。事業所の確保については、出入国在留管理庁の案内を確認し、申請先の地方出入国在留管理官署に確認してください。
なお、この物件の確保ですが、賃借の場合には、本店オフィスの物件もレストラン等の店舗も、賃借人は会社の名義で、賃借の目的は事業目的として賃貸借契約書に記載する必要があります。
もしも物件を本人が購入する等して所有している場合には、本人が会社にその物件を事業目的のために使用することを承諾する旨の使用承諾書または賃貸借契約書を作成する必要があります。
3.飲食店の営業に係る各種許認可を取得すること
経営しようとしている飲食店の業態に応じて、許認可(届出を含む)を得ることが必要になります。
下記に例を挙げます。
- ① 中国料理やベトナム料理等のレストランの経営をする業態の場合
- 店舗(営業所)を所管する保健所で、飲食店営業の許可を受ける(東京都保健医療局「食品衛生の窓」)
- ② 深夜(午前0時から午前6時まで)に、酒類を提供して営む飲食店営業(主食を常態として提供する営業を除く)の場合(警視庁「風俗営業等業種一覧」)
- 営業所ごとに、営業所の所在地を管轄する公安委員会に、深夜における酒類提供飲食店営業の届出をする(風営法33条1項、e-Gov法令検索)。提出の窓口は、営業所を管轄する警察署に確認してください。
詳しくは【食品販売会社を設立する場合】をご覧ください。
詳しくは【カラオケ店を開業する場合の許認可】をご覧ください。
4.取引先との基本契約書を準備すること
飲食店を経営する場合には、そのサービスの内容的に、食材の仕入れという業務が発生することが通常であると思われます。
本当に「飲食店の営業をすること」をより明確にするため、この仕入れに関して、設立した会社と仕入先企業を当事者とした食材の仕入れに係る基本契約書を作成し、そのコピーを入管に提出します。
基本契約書とは、個別の仕入れの取引についてではなく、今後、継続的になされる食材の仕入れについての基本的な取り決め内容を記した契約書です。
この作成した基本契約書に、両会社の社名と判子を押します。
この際、取引先の会社の担当者の名刺ももらっておくと、なお良いと思います。
5.料理人、接客担当従業員、事務員等の確保
中華料理やインドカレー等、各国の風土や歴史に基づく専門的な料理を提供するレストランであるならば、料理人はその会社にとって主たる戦力になる存在です。
このような料理人としては、「技能」ビザをもっている外国人の方や、その料理の調理業務経験がある「永住者」や「日本人の配偶者等」ビザ等を有している外国人または日本人であることが望ましいです。
また、飲食店であるならば、通常はお客さんから注文を受けたり、作られた料理を提供したり、清算をする接客担当の従業員がいるかと思います。
この方たちは、例えば「家族滞在」ビザや「留学」ビザで在留している外国人の方や、「永住者」や「日本人の配偶者」等の就労制限のないビザをもっている外国人、または日本人を採用して問題ありません。
ただし、「留学」「家族滞在」の方をアルバイトで雇う場合は、本人が資格外活動許可を受けている必要があり、包括許可で働ける時間は1週について28時間以内です。また、風俗営業・特定遊興飲食店営業などが営まれている営業所での活動は、許可の対象外です(出典:出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」「「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について」「「家族滞在」の在留資格に係る資格外活動許可について」、確認日:2026年10月25日)。手続きは「資格外活動許可申請」で解説しています。
さらに、飲食店であれば、経理やマーケティング、宣伝広告等のある程度専門的な知識や経験が必要となる業務もあります。
この業務を担当する外国人の方としては、業務に対応した学歴を有する「技術・人文知識・国際業務」ビザをもつ方、就労制限のない「永住者」や「日本人の配偶者等」のビザを有する方、または日本人であることが必要となります。
これら会社の従業員について、「経営・管理」ビザの申請の時点で内定通知書や労働条件通知書を会社名義で発行し、そのコピーを入管に提出したいところです。
6.飲食店で経営・管理ビザを申請するときの資本金・常勤職員・日本語の基準
2025年10月16日の改正により、「経営・管理」の基準が変わりました。飲食店の場合も、主に次の点を満たす必要があります(出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」)。
- ・3,000万円以上の資本金等(法人は払込済みの資本金または出資の総額)
- ・1人以上の常勤職員の雇用(日本人・特別永住者・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)
- ・申請者または常勤職員のいずれかが、B2相当以上の日本語能力を有すること
- ・経営管理または事業に必要な分野の学位(博士・修士・専門職)、または事業の経営・管理について3年以上の経験
- ・事業計画書について、経営に関する専門的な知識を有する者(中小企業診断士・公認会計士・税理士)の確認を受けること
改正の内容は「2025年10月16日施行|経営・管理ビザの新要件まとめ」、申請の全体は「経営・管理ビザ(経営管理ビザ)の要件・必要書類・申請の流れ」で解説しています。
よくある質問
- 経営者が自分で調理や接客をしてもよいですか?
- 「経営・管理」の活動は、事業の運営に関する重要事項の決定、事業の執行または監査の業務に従事する活動とされており、役員に就任しているだけでは該当しないとされています(「経営・管理」の在留資格の明確化等について)。事業計画書で、経営者として行う業務の内容を具体的に示してください。
- 留学生や家族滞在のアルバイトは「常勤職員」に数えられますか?
- 数えられません。常勤職員の対象は、日本人、特別永住者と、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者の在留資格の方です。派遣・請負・在籍出向で働く方も、事業所の常勤職員とはみなされません。
- 自宅の一部を店舗や事務所にしてもよいですか?
- 出入国在留管理庁の案内では、自宅を事業所と兼ねることは原則として認められないとされています。改正後の事業規模に応じた事業所の確保が必要です。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」/出入国在留管理庁「「経営・管理」の在留資格の明確化等について」(確認日:2026年10月25日)
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