育成就労制度とは?2027年4月開始・技能実習との違い・受入れの流れ

【2027年4月1日開始】技能実習制度に代わる「育成就労制度」が始まります

外国人を受け入れている企業や、これから受入れを検討している企業にとって、2027年4月1日は大きな節目になります。令和6年の入管法等改正により、技能実習制度に代わって「育成就労制度」が始まり、外国人の受入れが開始されるためです。

この記事では、出入国在留管理庁・厚生労働省が公表している「育成就労制度 運用要領(令和8年8月版)」「育成就労制度Q&A」、2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針をもとに、制度の概要、技能実習との違い、受入れの流れを整理します。


育成就労制度とは

育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の水準の技能を持つ人材を育成することを目的とした制度です。技能実習制度が「技能等の移転による国際貢献」を目的としていたのに対し、育成就労制度は「人材育成」と「人材確保」を正面から目的に掲げています(育成就労制度Q&A)。

新しい在留資格「育成就労」で入国・在留し、3年間で特定技能1号の水準を目指したうえで、特定技能へ移行していくことが想定されています。

  • ・受入れ開始日:2027年(令和9年)4月1日(運用要領 令和8年8月版)
  • ・就労期間:原則3年間(育成就労制度Q&A)
  • ・受入れ形態:外国の支店・子会社の社員等を受け入れる「単独型育成就労」と、監理支援機関が関与する「監理型育成就労」の2つ
  • ・対象分野:17分野(分野別運用方針)

技能実習との違い

主な違いを表にまとめました。

項目技能実習制度育成就労制度
目的技能等の移転による国際貢献人材育成と人材確保
就労期間1号〜3号で最長5年原則3年
受入れ人数制度全体の上限なし(受入れ機関ごとの人数枠あり)受入れ見込数を設定(全体で42万6,200人、2027年4月の制度開始から2029年3月末まで)
本人の意向による転籍原則として認められない一定の要件を満たせば認められる
日本語職種により異なる就労開始前までにA1相当以上の試験合格、または認定日本語教育機関でA1相当の講習を100時間以上受講
受入れを監理する機関監理団体監理支援機関(新たな許可が必要)
送出機関に支払う費用—外国人本人の負担は月給(所定内月額)の2か月分まで

※受入れ見込数は、2026年1月23日の閣議決定によるものです(厚生労働省「育成就労制度・特定技能制度をはじめ最近の外国人政策の動き」)。日本語要件・送出機関の費用の上限は、育成就労制度Q&Aによります。詳しくは「送出手数料の上限と受入れ企業の負担」をご覧ください。

本人の意向による転籍

技能実習では、やむを得ない事情がある場合を除き、本人の希望で受入れ先を変えることは原則としてできませんでした。育成就労制度では、同じ受入れ先で一定期間働いたうえで、一定水準の技能と日本語能力を身につけていれば、本人の意向による転籍が認められます。

転籍が制限される期間は1年以上2年以下の範囲で分野ごとに定められ、求められる技能・日本語の水準も分野ごとに定められます(育成就労制度Q&A)。受入れを予定している分野の運用方針を個別に確認する必要があります。

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育成就労の対象となる17分野

分野別運用方針で、次の17分野が対象とされています。

  • ・農業、漁業、林業、木材産業
  • ・建設、鉄道、造船・舶用工業、自動車整備
  • ・ビルクリーニング、リネンサプライ
  • ・外食業、飲食料品製造業、工業製品製造業
  • ・介護、宿泊、物流倉庫、資源循環

受入れ見込数は分野ごとに設定されています。最新の状況は出入国在留管理庁の公表資料で確認してください。

受入れの流れ(監理型育成就労の場合)

  • ・STEP1 監理支援機関を選ぶ:監理支援機関の許可を受けた機関であることを確認します
  • ・STEP2 候補者を選び、雇用契約を結ぶ
  • ・STEP3 育成就労計画を作成し、認定を申請する:3年間の育成の内容や日本語学習の計画を盛り込みます(申請先・受付時期と主な基準は「育成就労計画の認定申請」で解説しています)
  • ・STEP4 在留資格認定証明書の交付申請
  • ・STEP5 入国・入国後講習
  • ・STEP6 就労開始・計画に沿った育成
  • ・STEP7 特定技能1号への移行:所定の技能・日本語の水準を満たしたうえで移行します

育成就労計画の認定に係る施行日前の申請は、2026年(令和8年)9月1日から受け付けられています(育成就労制度Q&A)。2027年4月に受入れを始めたい場合は、計画の作成と認定申請、在留資格認定証明書の交付申請、入国までの期間を見込んで、余裕をもって準備を進める必要があります。

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今いる技能実習生はどうなる?(経過措置)

育成就労制度が始まっても、すでに技能実習を行っている方がすぐに影響を受けるわけではありません。育成就労制度Q&Aでは、次の方は引き続き技能実習を行うことができるとされています。

  • ・2027年4月1日の時点で、すでに来日している技能実習生
  • ・2027年3月31日までに技能実習計画の認定申請がされ、原則として2027年6月30日までに技能実習を開始する技能実習生

これ以降の新たな受入れは、原則として育成就労制度によることになります。

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受入れ企業が今から準備しておきたいこと

  • ・監理支援機関の確認:現在お付き合いのある監理団体が、監理支援機関の許可を取得する予定かどうかを確認しましょう(監理団体がそのまま監理支援機関になれるわけではなく、新たな許可が必要です)。あわせて「送出機関の確認と違約金・保証金の禁止」も確認しておきましょう
  • ・受入れ分野と人数の確認:自社の業務が17分野のどれに当たるか、受入れ見込数の状況を確認します
  • ・育成・日本語学習の体制づくり:運用要領では、育成就労責任者・指導員・生活相談員の選任など、受入れ機関の体制に関する基準が定められています
  • ・スケジュールの逆算:計画の認定申請、在留資格認定証明書の交付申請、入国までの期間を見込んで準備を始めます

まとめ

育成就労制度は、2027年4月1日から受入れが始まる新しい制度です。技能実習と比べて、人材育成・人材確保という目的が明確になり、転籍の仕組みや日本語要件、受入れ見込数の設定など、受入れ企業が押さえておくべき点が多くあります。

運用要領は改正が続いており、分野ごとの細かな基準は分野別運用方針で定められます。受入れを検討する際は、最新の公表資料を確認するとともに、専門家に相談しながら準備を進めることをおすすめします。行政書士法人Climbでは、育成就労・特定技能に関する在留資格の申請についてご相談を承っています。

【関連記事】監理団体から監理支援機関へ|許可の要件・申請時期・一般/特定監理との違い

【関連記事】育成就労計画の認定申請|申請先・受付時期と認定基準【2027年4月施行】

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参考:出入国在留管理庁「育成就労制度」「育成就労制度Q&A」、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領(令和8年8月版)」、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(2026年1月23日閣議決定)

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■この記事を書いた人■
森山敬代表

森山 敬(もりやま たかし)
行政書士法人Climb代表。創業時から国際業務であるビザ申請・帰化申請に特化。外国人のビザ申請件数は年間約1,000件、豊富な経験とノウハウに自信があります。入管業務についての知見をもとに、顧問として企業に対する外国人雇用のアドバイザリー業務も担当。

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