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「帰化」するなら知っておきたい 帰化の条件と手続き方法

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帰化するとはどういうことか

外国人の方が日本で生活するにあたって必ず耳にするのが、帰化です。
家族や友人の中でも帰化をした方もいるのではないでしょうか。

一方で帰化と同じようなニュアンスで語られるのが永住です。

帰化と永住は、どちらも期間の制限無く日本で過ごせるところもあって、何が違うのかがわかりにくい資格です。
しかし、それらの違いを知っておかないと、実際に申請した後に面倒な手続きに巻き込まれたりしかねません。

帰化と永住、何が違うのかをまず見ていきましょう。

▼ 帰化するとは

帰化とは、外国人が母国の国籍を放棄し、日本の国籍を取得して日本人になることを指します。

日本人になるのですから、当然日本人と同等の権利を取得できます。
選挙権や被選挙権のような参政権も得られますし、日本のパスポートの所持も可能です。
例えばですが、現在の国籍ではビザの取得が難しい国であったとしても、日本のパスポートを持っているだけで査証免除で行けます。
日本で長く住みたいと考えているのなら、帰化は選択肢の1つとして候補となるでしょう。

一方で、帰化をするにあたってデメリットも存在します。
例えば、以下のようなものです。

  • ● 現在の国籍を放棄しなければいけない
  • ● 帰化後に元の国籍へ戻ることが難しい場合がある
  • ● 原則、家族単位で帰化申請を行う必要がある

もし母国へ帰らなければいけない可能性が少しでもある場合、帰化をするかどうかは慎重に考えたほうがよいでしょう。
国によっても異なりますが、一度帰化をすると、母国の国籍を再度取得するのは容易ではありません。
「あなたは母国じゃなくて日本を選んだんでしょ?」という状態だからです。

最近のネパールの様に容易に国籍を戻すことができる国もありますが、簡単には戻せない国の方が多いと思います。
そのため、帰化をするかどうかは将来を見据えて慎重に検討しましょう。

▼ 永住との違い

帰化と永住は何が違うのでしょうか?
期間の制限がなく日本に在留できるなら、帰化を選ばずに永住を選んでも良いはずです。

永住とは、外国人の方が現在の国籍のままで継続して日本に住める資格を指します。
現在は日本に住んで仕事をしているけど、将来的には母国へ帰りたいと考えていたり、仕事などで頻繁に帰国していたりといったケースだと、永住を取得するのがオススメです。

永住は新たに戸籍を作らなければいけない帰化と違い、申請に必要な書類が違ってきます。
申請後の審査時間も帰化の場合は1年以上かかるのに比べ、永住は6〜10ヶ月程度で結果がわかります。
そういうこともあり、心理的には永住の方が楽だと言えます。

一方で、永住は在留資格のため許可の取り消し退去強制を受ける可能性があります。
また、審査自体は帰化の方がより慎重に行われますが、申請する為の要件は永住の方が断然厳しく、永住の要件を満たせないから帰化をする方もいらっしゃいます。

帰化の場合、一度許可されると日本人となっているためその許可が取り消されることは基本的にありません。
一方で、永住はあくまでも在留資格の一種であり外国人であることに変わりがないため、日本政府によって資格の与奪は簡単に行われます。
このように、外国人として日本に永住するため、何かあった際は外国人としての対応をされることになります。

帰化するための要件

帰化するための条件にはどのようなものがあるのでしょうか。

日本の帰化条件は他国と比べても厳しいと言われており、様々な要件をクリアする必要があります。
帰化申請の許可が下りるためにも条件がありますが、大前提として以下のことは必ず意識しておく必要があります。

  • ● 様々な帰化の条件をすべて満たす
  • ● それぞれの事情にあった必要書類を全てそろえる
  • ● 申請書類をミスなく作成する

一見簡単そうに見えますが、実際に申請しようとするとなかなか難しいのが現実です。
まずは、申請する際にどのような部分に注目すればいいのか、詳しく見てみましょう。

▼ 帰化の7つの基本要件

帰化を申請するには、以下の7つの基本条件を満たしている必要があります。

1.住所条件
引き続き5年以上日本に住んでいるか
2.能力条件
日本の法律でも本国の法律でも成人しているか
3.素行条件
ルールを守ってまじめに生活しているか
4.生計条件
財布を同じくする同一世帯で、お金に困らず暮らしていけるか
5.重国籍防止条件
日本国籍を取るために今の国籍を捨てられるか
6.憲法遵守条件
日本国にとって危険な思想を持つ団体に所属していないか
7.日本語能力条件
小学校2年生レベルの語彙力を身につけているか

以上が基本条件になります。
日本に5年以上住み続けていて、ルールを守って真面目に生活していれば、誰でも満たすことができる条件ばかりなのがお分かりいただけるでしょう。

ただし、この中で気をつけておきたいのが「重国籍防止条件」です。
これは日本国籍を取るために今の国籍を捨てられるかどうかという条件なのですが、各国の国籍法によって明確に違ってきます。
国によっては、兵役を終えていなかったり租税責務があったりする、と国籍を喪失できない可能性があります。
そのため、現在の国籍を捨てるにあたって、自分がその条件を満たしているのかを確認した上で申請するようにしましょう。
日本での条件はクリアしていても、母国では申請ができなかったということにもなりかねませんよ。

▼ 帰化の条件が緩和されるケース

帰化をするには先述した7つの条件を全て満たしている必要がありますが、ケースによっては緩和される場合があります。
特に以下のパターンは良くありますので、自分が当てはまっているかどうかは確認してみてください。

  • ● 日本生まれである
  • ● 日本人の配偶者である
  • ● 日本人の実子である
  • ● 日本人の養子である

これらに該当する場合、条件の一部が緩和されます。

ご自身が日本生まれの場合、「日本に継続して3年以上在留している」「実父か実母が日本生まれ(在留0年)」のどちらかを満たしていると、在留期間が5年未満でも帰化申請が許可される可能性があります。

日本人の配偶者である場合、すなわち日本人と結婚している方の場合、住所条件が緩和されて3年以上で要件を満たすことになります。
それ以外にも、厚生年金に加入している方と結婚した場合は、自身が「3号被保険者」に該当するため、申請時に関わってくる年金の問題がなくなります。

日本人の実子・養子の場合、能力条件が緩和されて、現在日本に住んでいれば未成年であっても帰化申請が許可される可能性があります。
ただし、養子の場合は実子とは違い後天的に創設可能なため、多少緩和されるものの厳しいことには変わりません。

当てはまる条件があれば、帰化申請の参考にしてください。

帰化申請の流れ

帰化申請はどのような流れで行えばいいのでしょうか。

大前提として、帰化申請はすぐにできるものではありません。
申請しても1年以上かかることが往々にしてあります。
それを加味した上で、以下の流れで行いましょう。

1.法務局または地方事前相談
個々によって必要な書類が異なってくるため、法務局で確認します。この際、必ず予約が必要です。
2.帰化申請に必要な書類を集める
法務局で相談した際に聞いた書類を全て集めます。
人によっては膨大な量の書類が必要となるため注意が必要です。
母国の書類が必要になる場合もあります。
3.帰化申請書類の作成
申込先の法務局で書類を入手し、必要事項を記入します。
おおよそ10枚ほどの書類を作成しなければなりません。
他の証明書類と整合性がとれていないと許可が下りない可能性が高くなるため慎重に作成してください。
4.帰化申請書類の点検と受理
書類の作成と必要書類全てが集まったら、法務局へ提出します。
この際も予約が必要です。不備がなければ受理されます。
5.審査
法務局で審査されます。
この間は待つしかありません。
6.法務局で面接
書類を受理してからしばらくすると、法務局から面接を受けます。
事実を話せば特に問題ありません。
なお、日本に住む配偶者等の家族がいる場合は、一緒に面接されます。
面接時間は人により異なり、30分以内で終わることもあれば2時間以上かかるケースもあります。
場合によっては、日本語のテストが行われることもあります。
7.近隣調査・家庭訪問・職場訪問・職場調査
法務局の職員から申請者の勤務先や学校に在籍確認の電話が入ったり、自宅に訪問したりといった場合があります。
8.法務省へ書類が送付される
法務局の担当社が確認し問題ないと判断すれば、書類が法務省へと送られます。
最終的には法務大臣によって許可不許可の決定がなされます。
9.許可または不許可の決定
許可の場合は官報に名前が掲載され、後日法務局の担当者から電話があります。
不許可の場合、不許可の通知が届くので確認しましょう。
10.電話他で指定された日時に法務局へ出頭する
法務局へ身分証明書を受け取り、市町村戸籍課へ行きましょう。
そこで新しい名前で戸籍・住民票が作成されます。

以上が帰化の大まかな流れです。
大変なのは申請するまでの準備で、それが終われば後はほとんど待つだけとなります。
全ての申請者に対してこれだけの処理をしているため、帰化申請には時間がかかってしまうのですね。

まとめ

帰化と永住は似ていますが、その本質が大きく違ってきます。
日本に帰化をする場合、母国の国籍を捨てて日本人にならなければならず、頻繁に母国に帰る用事がある方にはオススメできる方法ではありません。
とは言え、日本はノービザで入国できる国が2022年現在で世界一多いので、その点もほとんど不便ではないかもしれません。
一方の永住では、日本に住むための在留期間は設けられていませんが日本人と同等の扱いは受けられず、場合によっては退去強制の可能性すらあります。
ですが、現在の国籍のまま日本で暮らすことができ、帰化と比較すると審査時間も短い傾向にあります。
現在の自分にとって帰化と永住のどちらが良いのかはしっかり考えた上で申請するようにしましょう。

また、帰化申請の際には上記の7つの条件を満たすほかに必要な書類も多くあります。
申請をしてから書類を準備し、法務局が受理してからも1年以上かかることが普通です。
書類に不備があるとその分申請に時間がかかってしまうため、万全の準備をして臨みましょう。

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