この記事は、2026年10月19日時点の報道をもとにしています。報じられているのは政府の方針で、正式に決まったものではありません。出入国在留管理庁から正式な発表があった場合は、この記事を更新します。
在留資格「高度専門職」について、最低年収の要件を引き上げる方針が報じられています。この記事では、報じられている内容と、法務省令に基づく現在の要件、正式に決まった場合に影響を受ける可能性がある方、まだ決まっていないことを整理します。
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報じられている内容
2026年10月18日、時事通信は、出入国在留管理庁が「高度専門職」の最低年収の要件を、現在の年収300万円以上から引き上げる方針であると報じました。近年の賃金の上昇を受けたもので、2026年度内の省令改正をめざしているとされています。情報の出どころは、入管庁の関係者とされています。
これに先立ち、日本経済新聞も2026年8月14日に、高度人材の認定の年収の条件を引き上げ、2026年度にも省令を改正する方針を報じていました。同紙は、ポイントの一部の評価項目の廃止や、審査の迅速化にも触れています。
2つの報道は、「現在の300万円以上から引き上げる」「2026年度内の省令改正をめざす」という点で一致しています。
| 報じられていること | まだ明らかになっていないこと |
|---|---|
| 最低年収の要件を、現在の300万円以上から引き上げる方針 | 引上げ後の金額 |
| 2026年度内の省令改正をめざしている | 施行日(いつの申請から適用されるか) |
| 背景は近年の賃金の上昇 | 対象となる区分(1号ロ・ハのみか、2号への移行の基準も含むか) |
| ポイントの一部の評価項目の廃止、審査の迅速化も検討(日本経済新聞) | すでに高度専門職で在留している方の扱い(経過措置の有無) |
2026年10月19日時点で、入管庁の更新情報、e-Govの意見募集(パブリックコメント)、法務大臣の記者会見には、この件に関する発表は見当たりません。
現在の最低年収の要件
高度専門職1号は、活動の内容によって3つに分かれています(出入国在留管理庁「高度人材ポイント制とは?」)。
| 区分 | 活動 | 最低年収の要件(現在) |
|---|---|---|
| 1号イ(高度学術研究活動) | 研究、研究の指導、教育 | なし |
| 1号ロ(高度専門・技術活動) | 自然科学・人文科学の分野の知識・技術を要する業務 | 年収300万円以上 |
| 1号ハ(高度経営・管理活動) | 事業の経営・管理 | 年収300万円以上 |
1号ロ・ハでは、ポイントの合計が70点以上であることに加えて、受ける報酬の年額の合計が300万円以上であることが必要です(高度専門職省令第1条第1項第2号・第3号)。入管庁のポイント計算表では、年収には賞与(ボーナス)も含まれると説明されています。
高度専門職2号に移る場合も、1号ロ・ハからの移行では、70点以上であることに加えて、年収300万円以上であることが基準に含まれています(同省令第2条第1項)。2号は、高度専門職1号として3年以上在留して活動していたことなどが要件です。
最低年収とポイントの年収の配点の関係
最低年収の300万円は、ポイントの計算とは別の要件です。ポイントの計算では、年収と年齢によって点数が付きます。1号イ・ロでは、年収の点数が付きはじめる金額は、年齢によって次のように異なります(同省令第1条第1項の表)。
| 年齢 | 年収の点数が付きはじめる金額 |
|---|---|
| 30歳未満 | 400万円以上(10点) |
| 30歳以上35歳未満 | 500万円以上(15点) |
| 35歳以上40歳未満 | 600万円以上(20点) |
| 40歳以上 | 800万円以上(30点) |
このため、年収が300万円台の方は、年収の点数がないまま、学歴・職歴・日本語能力などの項目で70点以上を満たしていることになります。最低年収の要件が引き上げられた場合、主に影響を受けるのは、こうした方だと考えられます。
正式に決まった場合に影響を受ける可能性がある方
報道のとおり最低年収の要件が引き上げられた場合、影響を受ける可能性があるのは、次のような方です。実際の影響は、引上げ後の金額、施行日、経過措置の有無によって変わります。
- ・これから高度専門職1号ロ・ハで申請する予定で、年収(賞与を含む)が引上げ後の金額に届かない可能性がある方
- ・高度専門職1号ロ・ハから、2号への変更を予定している方
- ・高度専門職1号ロ・ハで在留していて、在留期間の更新や、所属機関の変更に伴う変更の申請を予定している方
1号イ(高度学術研究活動)には、現在、最低年収の要件はありません。報道では、イの扱いについては触れられていません。
なお、高度人材として永住許可を申請する場合の特例(ポイント70点以上で3年以上、80点以上で1年以上の在留など)は、永住許可に関するガイドラインで定められています。報道では、この特例の扱いには触れられていません。詳しくは「高度人材で70点以上の場合、永住申請できるか?」をご覧ください。
今のうちに確認しておけること
正式な内容が分からない段階で、申請の時期などを急いで変える必要があるかどうかは、個別の状況によって異なります。まずは、次の点を確認しておくとよいでしょう。
- ・現在の年収(賞与を含む)と、ポイントの合計点数
- ・雇用契約書などに書かれた報酬の額
- ・在留期間の満了日、2号への変更や永住許可の申請を予定している時期
正式な発表は、入管庁の更新情報や、e-Govの意見募集(パブリックコメント)で確認できます。省令を改正する場合は、原則として案を公表して意見を募集する手続きがとられます(行政手続法第39条)。
まとめ
高度専門職の最低年収の要件(現在は1号ロ・ハで年収300万円以上)を引き上げる方針が報じられていますが、2026年10月19日時点では正式な発表はなく、引上げ後の金額や施行日、すでに在留している方の扱いは明らかになっていません。
高度専門職の要件の全体は、「在留資格「高度専門職」の一覧と各取得要件や提出書類」で解説しています。ご自身の状況への影響が気になる方は、初回無料の相談をご利用ください。お電話(平日9:00〜19:00)またはお問い合わせフォーム(24時間受付)で承ります。
出典
- ・e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令」(平成26年法務省令第37号)
- ・出入国在留管理庁「高度人材ポイント制とは?」
- ・出入国在留管理庁「ポイント計算表」(PDF)
- ・e-Gov法令検索「行政手続法」
- ・(報道)時事通信「『高度外国人材』年収要件上げ 入管庁、賃金上昇受け」(2026年10月18日)
- ・(報道)日本経済新聞「外国人の高度人材、認定の年収条件引き上げ 26年度にも省令改正」(2026年8月14日、会員限定)
- ・確認日:2026年10月19日
更新履歴
- ・2026年10月19日:公開(報道段階)
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