「帰化申請を行政書士に頼むと、いくらかかるのか」「自分で申請した場合と比べて、どのくらい差があるのか」というご相談を多くいただきます。
行政書士の報酬は事務所ごとに自由に決められるため、同じ帰化申請でも料金に大きな幅があります。また、料金に書類の取得代行・翻訳・法務局への同行が含まれるかどうかによって、最終的な支払総額も変わります。
この記事では、日本行政書士会連合会の「令和7年度報酬額統計調査」と事務所の料金例をもとに、帰化申請を行政書士に依頼する費用の相場、職業や家族構成による費用の違い、報酬以外にかかる実費、自分で申請した場合との総額比較、事務所選びのポイントを行政書士が解説します。
この記事のポイント
・行政書士報酬の平均は会社員(被雇用者)で約18.8万円、自営業・会社役員で約25.9万円、簡易帰化で約17.8万円(令和7年度報酬額統計調査。消費税込み・実費を除く)
・事務所の料金例では、会社員で約13万〜30万円と幅があり、料金に含まれるサービスの範囲が異なる
・家族で同時に申請する場合は、1人追加ごとに約3万〜8万円が加算されるのが一般的
・法務局への帰化申請の手数料は無料。ただし書類の取得費用や翻訳費用などの実費がかかる
・自分で申請した場合の実費は2万〜8万円程度が目安。行政書士に依頼すると総額はおおむね20万円以上になる
帰化申請を行政書士に依頼する費用の相場
▼ 日本行政書士会連合会の報酬額統計(令和7年度)
日本行政書士会連合会は、全国の行政書士を対象に、業務ごとの報酬額を調べる「報酬額統計調査」を5年に1度実施しています。最新の令和7年度調査(令和8年1月実施)では、帰化許可申請の報酬額は次のとおりでした。
| 区分 | 平均 | 最頻値 | 最も多い価格帯 | 最小値〜最大値 |
|---|---|---|---|---|
| 被雇用者(会社員など) | 187,587円 | 15万円・20万円 | 10万〜20万円未満(58.7%) | 60,000円〜550,000円 |
| 個人事業主及び法人役員 | 259,096円 | 30万円 | 20万〜30万円未満(38.5%) | 110,000円〜880,000円 |
| 簡易帰化 | 178,364円 | 15万円 | 15万〜20万円未満(45.5%) | 50,000円〜275,000円 |
※回答者数は、被雇用者63人、個人事業主及び法人役員52人、簡易帰化22人です。金額は消費税込みで、書類の取得費用などの立替金(実費)は含みません。
※簡易帰化は、日本人の配偶者や日本生まれの方など、住所要件などが緩和される帰化です。
出典:日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」
統計からは、会社員の場合は20万円前後、自営業や会社経営者の場合は25万〜30万円程度が一般的な水準といえます。ただし、回答者数が多くないうえ、最小値と最大値の差が大きいため、あくまで目安として参考にしてください。
▼ 行政書士事務所の料金例
実際の事務所の料金は、サービスの範囲によって大きく変わります。インターネット上で料金を公開している行政書士事務所の例を、税込金額にそろえてまとめました。
| 事務所(プラン) | 会社員 | 自営業・会社役員 | 家族1名追加 | 法務局同行 |
|---|---|---|---|---|
| A事務所(書類作成中心) | 132,000円 | 154,000円 | 38,500円 | なし |
| B事務所(書類作成中心) | 148,500円 | 159,500円 | 55,000円 | なし |
| A事務所(フルサポート) | 165,000円 | 220,000円 | 49,500円 | あり |
| C事務所(フルサポート) | 175,500円 | 225,000円 | 49,800円 | あり |
| B事務所(フルサポート) | 203,500円 | 231,000円 | 77,000円 | あり |
| D事務所 | 275,000円 | 385,000円 | 55,000円 | 別料金(22,000円) |
| E事務所(翻訳・書類取得込み) | 297,000円〜 | 396,000円〜 | 個別設定 | 記載なし |
※2026年9月時点で各事務所が公開している料金表をもとに当法人で作成(税抜表示の事務所は消費税10%を加算)。翻訳料・書類取得費用などの実費は、事務所によって料金に含まれる場合と別途請求の場合があります。
このように、同じ会社員の帰化申請でも約13万円から30万円程度まで幅があります。料金が安いプランは「書類の作成・点検が中心で、書類の収集や法務局での相談はご自身で行う」内容であることが多く、料金が高いプランは「書類の取得代行・翻訳・法務局への同行まで含む」内容であることが多くなっています。
職業・家族構成による費用の違い
帰化申請の費用は、申請する方の職業や、一緒に申請する家族の人数によって変わります。必要な書類の量と、確認すべき内容が異なるためです。
| 申請者の状況 | 費用の目安(報酬) | 費用が変わる主な理由 |
|---|---|---|
| 会社員 | 約15万〜25万円 | 勤務先が発行する在勤証明書・源泉徴収票など、比較的書類がそろえやすい |
| 自営業(個人事業主) | 会社員の料金に 約1万〜11万円を加算 | 確定申告書の控え、所得税・消費税などの納税証明書、許認可の書類などが加わる |
| 会社経営者・役員 | 会社員の料金に 約1万〜11万円を加算 | 法人の登記事項証明書、決算書、法人税・消費税・法人住民税などの納税証明書が加わる。経営する会社が複数あると、さらに加算されることがある |
| 家族同時申請 | 1人追加ごとに 約3万〜8万円 | 住民票など共通で使える書類がある一方、申請書・履歴書・本国書類などは1人ずつ必要 |
※上記は、報酬額統計と事務所の料金例から当法人がまとめた目安です。
▼ 会社員の場合
会社員の方は、給与収入と住民税・年金の納付状況を示す書類が中心になります。統計の平均は約18.8万円で、帰化申請の料金の中では最も基本的な区分です。
▼ 自営業・会社経営者の場合
自営業の方や会社を経営している方は、ご本人の書類に加えて事業や法人に関する書類が必要になり、納税の状況も個人・法人の両方で確認されます。統計でも、個人事業主・法人役員の平均(約25.9万円)は、会社員の平均より約7万円高くなっています。
2026年4月の運用変更により、住民税の課税・納税証明書は直近5年分、公的年金保険料の納付証明書は直近2年分が必要になっており、確認する書類が増えています。
【関連記事】2026年4月から帰化の要件が変わった!居住10年・納税5年の新基準を徹底解説
▼ 家族で同時に申請する場合
夫婦や親子で同時に帰化申請をする場合、多くの事務所では「1人目の基本料金+家族1人ごとの追加料金」という料金体系になっています。追加料金は1人あたり3万〜8万円程度が一般的で、15歳未満の子どもは安く設定している事務所や、同居していない家族・管轄の法務局が異なる家族は高く設定している事務所もあります。
なお、15歳未満の子どもの帰化申請は、親権者などの法定代理人が行います。
行政書士の報酬以外にかかる実費
法務局に帰化許可申請をする際の手数料はかかりません(法務省「帰化許可申請」)。一方で、申請に必要な書類をそろえるための実費がかかります。これは自分で申請する場合も、行政書士に依頼する場合も同じです(料金に含めている事務所もあります)。
| 主な書類・費用 | 費用の目安 |
|---|---|
| 住民票(世帯全員・除票など) | 1通300円程度(自治体により異なる) |
| 住民税の課税証明書・納税証明書(直近5年分) | 1通300円程度×年数分。合計で数千円 |
| 運転記録証明書・運転経歴証明書(運転免許をお持ちの方) | 1通800円+払込手数料 |
| 国税の納税証明書(自営業・経営者など) | 1税目1年度400円(e-Taxで請求すると370円) |
| 法人の登記事項証明書(会社経営者など) | 書面請求で1通600円 |
| 本国の書類(出生証明書・親族関係の証明書・国籍証明書など) | 国籍や取得方法により、数千円〜数万円 |
| 本国書類の翻訳 | 自分で翻訳すれば0円。依頼すると1枚1,000〜3,000円程度 |
| 交通費・郵送費・コピー代 | 数千円〜1万円程度 |
※手数料額は2026年9月時点のものです。必要な書類は、国籍や家族構成、職業によって異なります。
実費の中で特に差が出やすいのが本国書類の取得と翻訳です。本国から書類を取り寄せる場合は国際郵便の費用がかかるほか、翻訳する書類が多いと、翻訳を依頼した場合の費用が数万円になることもあります。
【関連記事】日本国籍を取得するために必要な書類一覧と準備のポイントを徹底解説
自分で申請した場合との総額比較
会社員の方が1人で帰化申請をする場合を例に、総額の目安を比較します。
| 項目 | 自分で申請する場合 | 行政書士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 行政書士の報酬 | 0円 | 約15万〜25万円(統計の平均は約18.8万円) |
| 書類の取得費用(日本・本国) | 約1万〜3万円 | 約1万〜3万円(料金に含む事務所もある) |
| 翻訳費用 | 0円(自分で翻訳)〜数万円 | 数万円程度(料金に含む事務所もある) |
| 交通費・郵送費など | 数千円〜1万円 | 数千円〜1万円 |
| 総額の目安 | 約2万〜8万円 | 約20万〜30万円 |
| 法務局に行く回数 | 相談・書類確認・申請で複数回(平日) | 申請時など最小限(事務所による) |
※金額はいずれも目安です。本国書類の量や翻訳の要否によって変わります。
費用だけを比べると、自分で申請する方が15万〜20万円程度安くなります。一方で、自分で申請する場合は、法務局での相談を何度も重ねる必要があり、平日に仕事を休んで法務局や役所に行く負担がかかります。また、書類の不足や不備の修正を繰り返すうちに、発行から3か月以内などの有効期限がある書類を取り直すことになり、追加の費用と時間がかかることもあります。
「費用を抑えたい」「平日に時間を取れる」「日本語の書類作成に慣れている」という方は自分で申請する、「仕事が忙しい」「自営業・経営者で書類が多い」「家族で同時に申請したい」という方は行政書士に依頼する、というように、ご自身の状況に合わせて選ぶのがおすすめです。
【関連記事】帰化申請を安く自分でやる方法!帰化手続きの手順、費用、難易度を行政書士が教えます
帰化申請を依頼する行政書士事務所の選び方
料金の安さだけで選ぶと、「必要なサービスが含まれておらず、結果的に追加費用がかかった」ということにもなりかねません。次のポイントを確認して、総額とサービス内容で比較しましょう。
▼ 1.料金に含まれるサービスの範囲
申請書類の作成だけなのか、書類の取得代行、本国書類の翻訳、動機書の作成支援、面接前のアドバイス、許可後の手続きのサポートまで含むのかを確認します。料金に含まれない場合は、別途いくらかかるのかも確認しておきましょう。
▼ 2.税込・税抜の表示と追加料金の条件
料金表が税抜表示の場合、支払額は10%高くなります。また、自営業・会社経営者、家族の追加、別居の家族、管轄外の法務局、過去の在留状況などによって追加料金がかかるかどうかも確認が必要です。
▼ 3.不許可になった場合の返金保証の内容
返金保証がある事務所でも、全額返金・半額返金・成功報酬部分のみ返金・無料での再申請など、内容はさまざまです。また、「申告していない事実があった場合」「申請中に交通違反をした場合」などは対象外となるのが一般的です。保証の範囲と対象外になる条件を事前に確認しましょう。
【関連記事】帰化申請が認められない理由とは?不許可事例と対策を徹底解説
▼ 4.法務局への同行の有無
帰化許可申請は、15歳以上の方は本人が法務局に出向いて申請する必要があり、行政書士が本人の代わりに申請することはできません。そのため、行政書士が法務局での相談や申請時に同行するかどうかは、事務所選びの大切なポイントです。同行が料金に含まれるのか、日当などが別途かかるのかも確認しておきましょう。
▼ 5.帰化申請の取扱実績と対応言語
帰化申請は、国籍によって本国書類の種類や取り寄せ方法が異なります。ご自身の国籍の帰化申請を多く扱っているか、母国語で相談できるか、どこの法務局まで対応しているかも確認すると安心です。
行政書士法人Climbの帰化申請の料金
行政書士法人Climbの帰化申請の料金は次のとおりです(消費税込み)。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 基本料金 (法務局への同行・申請書類の作成・提出書類の代理取得代(郵送費用含む)) | 258,600円 |
| 東京23区内の法務局で手続きをする場合 | 230,000円(基本料金から28,600円割引) |
| 東京23区外・神奈川・千葉・埼玉の法務局で手続きをする場合 | 252,000円(基本料金から6,600円割引) |
| 栃木・群馬・茨城・宮城・愛知の法務局で手続きをする場合 | 258,600円 |
| 家族の追加(1名につき) | +55,000円 |
| 自営業の場合 | +55,000円 |
| 経営管理ビザをお持ちの場合 | +55,000円 |
| 交通費 | 実費 |
| 翻訳料金(当法人の対応言語以外) | 実費 |
※提出書類代理取得代の対象は、主に日本国内で発行される書類です。本国で発行される書類は、国や書類の種類によって当法人で取得を代行できる場合とできない場合があるため、取得方法や費用はご相談時に個別にご案内します。
※ネパール国籍の方は専用料金(220,000円。提出書類の代理取得代・翻訳料金は実費)となります。
東京23区内の法務局で手続きをする場合の費用例は、次のとおりです(交通費などの実費を除く)。
- 会社員の方が1人で申請する場合:230,000円
- 自営業の方が1人で申請する場合:285,000円(230,000円+55,000円)
- 会社員の方が配偶者・子ども2人と4人で申請する場合:395,000円(230,000円+55,000円×3名)
当法人の料金には、主に日本国内で発行される提出書類の代理取得代(郵送費用含む)と法務局への同行が含まれています。報酬額統計の金額は立替金(実費)を含まない金額のため、比較する際は、本国書類の取得方法も含めて、総額でご検討ください。
▼ 不許可だった場合の返金・無料再申請の規定
当法人では、帰化申請が不許可だった場合、基本料金の半額(税込)の返金、または無料での再申請(事情説明書作成代55,000円(税込)+23区外の場合は交通費が別途必要)のいずれかを選んでいただけます。返金額の基準となる基本料金は、手続きを行う法務局の地域別料金(割引後の金額)です。ネパール国籍の方の専用料金でご依頼の場合は、その料金の半額となります。
ただし、当法人に不利益な事実を隠していた場合、申請内容に虚偽があった場合、過去や申請中に犯罪・交通違反があった場合、申請中に収入が大幅に減った場合、ご自身の都合で申請を取り下げた場合などは、対象外となります。
料金の詳細はサービス料金についてをご覧ください。
まとめ
帰化申請を行政書士に依頼する費用は、令和7年度の報酬額統計で会社員が平均約18.8万円、自営業・会社役員が平均約25.9万円です。実際の料金は事務所によって約13万円から30万円程度まで幅があり、書類の取得代行・翻訳・法務局への同行が含まれるかどうかで総額が変わります。
自分で申請すれば費用は2万〜8万円程度に抑えられますが、書類集めや法務局での相談に多くの時間がかかります。料金表の金額だけでなく、サービスの範囲・追加料金・返金保証・法務局への同行を確認し、総額で比較して選びましょう。
「自分の場合はいくらかかるのか知りたい」「帰化の条件を満たしているか確認したい」という方は、ぜひ一度、行政書士法人Climbにご相談ください。