帰化とは、外国籍の方が法務大臣の許可を受けて日本国籍を取得する手続きです(国籍法第4条)。帰化が許可されると日本人として戸籍がつくられ、在留期間の更新や在留カードの携帯は不要になり、選挙権も得られます。
一方で、帰化には国籍法で定められた条件があり、2026年4月からは審査の運用も大きく変わりました。居住年数は実務上おおむね10年以上が目安となり、住民税の課税・納税証明は5年分、年金などの納付証明は2年分が確認されるようになっています。
この記事では、帰化の7つの条件、2026年4月の運用変更、必要書類、申請の流れ、期間と費用、帰化の許可者数・不許可者数の統計まで、帰化申請に必要な情報をまとめて解説します。
- ● 帰化とは?永住との違い
- ● 帰化の7つの条件
- ● 2026年4月の運用変更(居住10年・納税5年)
- ● 帰化申請の必要書類
- ● 帰化申請の流れ
- ● 帰化申請にかかる期間と費用
- ● 帰化の許可者数・不許可者数(統計)
- ● 帰化でよくある質問
この記事の監修者
森山 敬(もりやま たかし)
行政書士(東京都行政書士会 新宿支部所属)
行政書士法人Climb 代表社員
2011年に行政書士登録・事務所開業。2016年に行政書士法人Climbを設立し、ビザ申請・帰化申請などの入管業務を専門に取り扱う。
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帰化とは?日本国籍を取得する手続き
帰化は、法務局(地方法務局)に申請し、法務大臣の許可を受けることで日本国籍を取得する手続きです。許可されると官報に告示され、その日から日本国籍を取得します。
帰化には、申請する人の状況によって次の3つの種類があります。
| 種類 | 対象となる人 | 根拠 |
|---|---|---|
| 普通帰化 | 日本と特別な身分関係がない一般の外国人(会社員・経営者・留学から就職した方など) | 国籍法第5条 |
| 簡易帰化 | 日本人の配偶者、日本人の子、日本で生まれた人など、日本と特別な結びつきがある人。住所条件などが緩和されます | 国籍法第6条〜第8条 |
| 大帰化 | 日本に特別の功労がある外国人。国会の承認を得て許可されます | 国籍法第9条 |
帰化と永住の違い
帰化と永住はどちらも「日本にずっと住み続けるため」の手続きですが、国籍が変わるかどうかが大きな違いです。
| 項目 | 帰化 | 永住 |
|---|---|---|
| 国籍 | 日本国籍になる(原則として母国の国籍を失う) | 外国籍のまま |
| 在留カード・在留期間の更新 | 不要 | 在留期間の更新は不要だが、在留カードの有効期間の更新が必要 |
| 選挙権 | あり | なし |
| 退去強制 | 対象外 | 対象になりうる |
| 申請先 | 法務局 | 出入国在留管理局 |
| 申請手数料 | 無料 | 200,000円(2026年10月1日以降の受付分) |
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帰化の7つの条件
普通帰化の条件は国籍法第5条第1項に定められています。条文上の6つの条件に、実務で確認される日本語能力を加えた7つが、一般に「帰化の7条件」と呼ばれます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 1. 住所条件 | 引き続き5年以上日本に住所を有すること(国籍法第5条第1項第1号)。2026年4月からは、審査の運用上おおむね10年以上の在留が目安とされています |
| 2. 能力条件 | 18歳以上で、本国の法律でも成人(行為能力がある)であること(同第2号) |
| 3. 素行条件 | 素行が善良であること(同第3号)。税金・年金・健康保険料の納付状況、前科や交通違反の有無などが確認されます |
| 4. 生計条件 | 本人または生計を同じくする配偶者・親族の資産や技能によって、安定して生活できること(同第4号) |
| 5. 重国籍防止条件 | 無国籍であるか、日本国籍の取得によって元の国籍を失うこと(同第5号) |
| 6. 憲法遵守条件 | 日本国憲法や日本政府を暴力で破壊することを企てたり、そうした団体に加入したりしたことがないこと(同第6号) |
| 7. 日本語能力 | 条文にはありませんが、日常生活に支障のない程度の日本語の読み書き・会話ができることが実務上求められます(目安は小学校3年生程度) |
このうち、2026年4月の運用変更で特に影響が大きいのが「住所条件」と「素行条件(納税・社会保険料の確認期間)」です。詳しくは次の章で解説します。
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簡易帰化で条件が緩和されるケース
日本と特別な結びつきがある方は、国籍法第6条〜第8条により、住所条件などが緩和されます(簡易帰化)。主なケースは次のとおりです。
| 主な対象者 | 緩和される条件 |
|---|---|
| 日本人の配偶者で、引き続き3年以上日本に住所または居所があり、現に日本に住所がある人 日本人の配偶者で、婚姻から3年が経過し、引き続き1年以上日本に住所がある人 | 住所条件・能力条件(第7条) |
| 日本で生まれた人で、引き続き3年以上日本に住所または居所がある人(父母が日本生まれの場合も含む) 日本国民であった人の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所または居所がある人 引き続き10年以上日本に居所がある人 | 住所条件(第6条) |
| 日本国民の子(養子を除く)で、日本に住所がある人 日本国民の養子で、引き続き1年以上日本に住所があり、縁組の時に本国法で未成年だった人など | 住所条件・能力条件・生計条件(第8条) |
簡易帰化であっても、素行条件(納税・社会保険料の納付状況など)や日本語能力の確認は行われます。
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2026年4月の運用変更:居住10年・納税5年の新基準
2026年4月1日から、帰化審査の運用が見直されました。国籍法の条文は変わっていませんが、実際の審査で求められる基準は大きく引き上げられています。変更点と影響を以下で詳しく解説します。
2026年4月、帰化審査の運用が大きく変わった
2026年4月1日より、帰化要件が新基準となりました。これまでの要件とは大きく異なる部分もあるため、まずは以下にわけてその背景を詳しく見ていきましょう。
- ● 変更を発表したのはいつ?
- ● なぜ変更されたのか?背景にある外国人政策
変更を発表したのはいつ?
法務省は2026年3月27日、帰化申請の審査運用を見直すと発表しました。発表からわずか5日後の4月1日から新しい運用基準が適用されるという、非常にスピード感のある告知です。
今回の見直しは国籍法の条文そのものを変えるものではなく、審査実務上の運用基準の変更として実施されています。
法律上の条文(国籍法第5条)は「引き続き5年以上日本に住所を有すること」のままですが、実際の審査で重視される基準が大きく引き上げられた点に注意が必要です。
なぜ変更されたのか?背景にある外国人政策
今回の運用見直しの背景には、2026年1月に政府が決定した「外国人との秩序ある共生のための総合的対応策」があります。
これまで、永住許可の居住要件は原則10年以上であるのに対し、帰化の居住要件が5年以上と短く設定されていたことへの整合性の問題が指摘されていました。
帰化は日本国籍そのものを取得するという、永住よりもはるかに重い意味を持つ手続きであるにもかかわらず、要件が緩い状況だったのです。
政府は、こうした状況を是正する目的で、2025年11月4日に開催された第1回「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」において、高市早苗首相から関係閣僚に対し「在留資格の在り方・帰化の厳格化の検討」を含む指示を出しました。これが2026年1月の総合的対応策、そして今回の運用変更につながっています。
変更点1.居住要件が「5年以上」から「運用上10年以上」に
2026年4月の帰化申請の変更における変更点で、最も注視すべきなのが「居住要件」です。これまでの「5年以上」から、実務運用上「10年以上」へと引き上げられました。具体的にどのような点が変わるのか、以下の3つのポイントに絞って解説します。
- ● これまでの基準と新しい基準の違い
- ● 「運用上10年以上」とはどういう意味か
- ● 4月1日以前に申請した人への影響
これまでの基準と新しい基準の違い
居住要件についての変更前と後では、以下のような違いがあります。
| 項目 | 変更前 | 変更後(2026年4月以降) |
|---|---|---|
| 実務上の居住年数の目安 | 5年以上 | 運用上10年以上 |
| 永住許可との比較 | 要件が緩い | ほぼ同水準 |
| 法律上の条文 | 5年以上(国籍法第五条) | 変更なし(5年以上のまま) |
なお、条文上は「5年以上」が維持されているため、個別事情によっては10年未満での許可の余地は法律上残されています。あくまでも審査運用の見直しです。
ただし実務上は、10年以上の在留実績が求められる傾向が強まっていると考えた方が良いでしょう。
「運用上10年以上」とはどういう意味か
「運用上10年以上」からもわかるように、今回の変更は国籍法の改正ではなく審査運用の見直しです。そのため、日本人の配偶者など一定の条件を持つ方に適用される「簡易帰化」のように、10年未満でも審査される余地が法律上残されています。
また、日本への特別な貢献がある場合なども個別に判断される可能性があります。
ただし、一般的な帰化申請においては運用上10年以上の在留実績が重視される傾向が強まっているため、以前より審査が厳しくなっている点は意識しておいた方が良いでしょう。
【関連記事】帰化申請の条件「住所要件」とは?日本に何年住めば帰化できる?
4月1日以前に申請した人への影響
今回の変更において最も気になるのは、4月1日以前に申請していた方はどうなるのかです。結論から言えば、すでに申請済みの方にも、4月1日以降に許可判断が行われる案件には新しい運用基準が適用される可能性があります。
こうした点から、在留年数が5年以上10年未満で申請済みの方にとって、今回の変更は特に影響が大きいと言わざるを得ません。不安な場合は、個々の案件への適用について法務局へ確認したり、専門家へ相談したりして、自身の状況を確認するところから始めましょう。
変更点2.納税状況の確認期間が「1年分」から「5年分」に
2026年4月の帰化の要件変更で変わった部分に、納税状況の確認期間もあります。これまで1年分だったものが、5年分と大幅に延長されました。以下にわけて、さらに詳しく見ていきましょう。
- ● 何の書類が何年分必要になったか
- ● 過去に未納・滞納があった場合はどうなるか
何の書類が何年分必要になったか
2026年4月以降の帰化審査では、過去5年分の納税状況が確認される傾向が高まっています。これまで直近1年分の納税証明書の提出が必要だったのと比べると、期間が大幅に延びた形になります。
なお、確認の対象となりうる主な税目は以下のとおりです。
- ● 所得税(確定申告の有無・申告内容を含む)
- ● 住民税(市区町村民税・都道府県民税)
必要書類の具体的な種類や年数については申請する法務局によって異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。
過去に未納・滞納があった場合はどうなるか
過去に税金の未納や滞納があった場合、審査上のマイナス要素になる可能性があります。
ただし、未納・滞納があれば一律に不許可になるわけではありません。未納・滞納に至った背景や、現在の対応状況・完納後にどのくらいの期間が経過しているかなど、個別の事情を踏まえた判断がされています。
また、実務上は「未納があった理由」よりも「現在きちんと対応できているか」が重視される傾向にあります。そのため、心当たりがある方は早めに状況を整理し、必要であれば行政書士などの専門家に相談しましょう。
変更点3.社会保険料の確認期間も拡大
2026年4月の帰化の要件変更では、社会保険料の確認期間も拡大されました。どのような変更点なのか、以下にわけて詳しく見ていきましょう。
- ● 健康保険・年金の確認が「2年分」に
- ● 会社員と自営業者で注意点は異なる
健康保険・年金の確認が「2年分」に
社会保険料の納付状況についても、確認される期間が拡大されました。これまでの審査では直近1年分程度の確認が中心でしたが、2026年4月以降は健康保険料・年金保険料など直近2年分の納付状況が審査の対象になります。
確認の対象となりうる主な項目は次のとおりです。
- ● 社会保険
- ● 国民健康保険
- ● 厚生年金
- ● 国民年金
健康保険・年金も税金と同様に、過去に未加入期間や未納期間があった場合は、帰化審査に影響が生じる可能性があります。注意しましょう。
なお、具体的な確認範囲や必要書類は法務局ごとに異なる場合があるため、申請する際は事前に確認しておくことをおすすめします。
会社員と自営業者で注意点は異なる
社会保険料の管理方法は、会社員と自営業者で異なります。それぞれの注意点は、以下のとおりです。
| 区分 | 保険の種類 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 会社員 | 協会けんぽ・組合健康、厚生年金 | 会社が代行納付しているが、転職・離職期間中の国民健康保険・国民年金の未納に注意 |
| 自営業者・フリーランス | 国民健康保険、国民年金 | すべて自分で管理・納付するため、未納期間がないか早めに確認が必要 |
特に転職や独立の経験がある方は、手続きの隙間で未納期間が生じている可能性があります。申請前に確認しておきましょう。
簡易帰化制度(日本人の配偶者など)への影響はあるのか
2026年4月の帰化要件の変更は、日本人の配偶者が対象の簡易帰化制度へどのような影響があるのか、以下にわけて詳しく解説します。
- ● 簡易帰化の対象者は変更の影響を受けにくい
- ● ただし素行・納税要件の審査は引き続き厳しい
簡易帰化の対象者は変更の影響を受けにくい
国籍法第6条~第8条に基づく簡易帰化は、日本人の配偶者・日本で生まれた方・日本人の子どもなど、日本と特別な結びつきを持つ方に対して、居住要件の一部が緩和される制度です。
この簡易帰化の居住要件は法律の条文で定められているため、今回の運用変更では引き上げられていません。そのため、簡易帰化の対象者は今回の居住要件の変更による影響は受けにくいと考えられます。
【関連記事】帰化と結婚どちらが先?居住要件が10年→3年に短縮される理由
ただし、今後変更される可能性もあるため、引き続き法務局の運用を注視していく方が良いでしょう。
ただし素行・納税要件の審査は引き続き厳しい
簡易帰化の対象者であっても、納税状況・社会保険料の納付状況・素行要件の審査は引き続き行われます。
そのため、今回の運用見直しで納税確認期間が5年分、社会保険料確認期間が2年分への拡大は、簡易帰化の申請にも影響する可能性があります。
こうした点を加味して、日本人と結婚している方やその家族の方は、税金・社会保険料の納付状況についてはあらかじめ整理しておいた方が良いでしょう。申請人本人だけでなく、配偶者を含めた世帯全体の納付状況も確認された場合も、落ち着いて対応できます。
今から帰化を目指す人がすべき準備
今から帰化をしようと考えている外国人の方は、基本的には今までと変わらず準備を進めていく形で問題ありません。ただし、前述したとおり今回の要件変更によって変わった部分もあるため、以下のように準備を進めていきましょう、
- 1. まず自分の在留年数を確認する
- 2. 過去5年分の納税・社会保険の記録を整理する
- 3. 帰化と永住のどちらが自分に合うかを検討する
Step1.まず自分の在留年数を確認する
帰化申請を考えている方がまず取り組みたいのが、自分が日本に継続して住んでいる年数を正確に把握することです。在留カードや過去のパスポートの出入国スタンプ・在留資格の変更履歴などを確認し、継続して日本に住所を有している期間を整理しましょう。
今回の要件変更では、居住要件が10年以上へと審査運用が見直されたため、在留年数は重要項目の1つです。
長期間の海外出張や帰省で日本を長く離れていた時期がある場合、継続居住とみなされない可能性もあります。仕事やプライベートで出国することが多い方は、早めに行政書士などの専門家に確認してみてください。
Step2.過去5年分の納税・社会保険の記録を整理する
2026年4月以降の審査では、過去5年分の納税状況と2年分の社会保険料の納付状況が確認される傾向にあります。市区町村の窓口で納税証明書を取得し、未納・滞納がないかを確認しましょう。なお、年金の納付状況は「ねんきんネット」や年金事務所で確認できます。
5年という長い期間なため、もし未納期間があった場合は、放置せずに早めに対応してください。現時点での対応状況が審査に影響するため、専門家に相談しながら整理を進めるようにしましょう。
Step3.帰化と永住のどちらが自分に合うかを検討する
今回の運用変更により、帰化の居住要件における実務上の目安が、永住許可の原則要件(10年以上)と近い水準になりました。そのため、帰化と永住のどちらを先に目指すかを改めて検討する必要が出てきました。
帰化は日本国籍を取得して日本人になる手続きであるため、母国の国籍を失います。一方の永住は、外国籍のまま日本に在留し続ける権利を得る手続きです。
アイデンティティの問題もあります。どちらが自分の生活・将来設計に合っているかを、在留年数・納税状況・家族の状況なども含めて総合的に判断しましょう。
【関連記事】帰化と永住の違い-メリット・デメリットはある?どっちが難しい?-
帰化申請の必要書類
帰化申請の必要書類は、国籍・家族構成・職業(会社員か自営業・経営者か)によって大きく異なります。最終的には法務局での事前相談で指示されますが、主な書類は次のとおりです。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 法務局の様式で作成する書類 | 帰化許可申請書(写真貼付)、親族の概要、履歴書、生計の概要、事業の概要(自営業・会社経営の方)、帰化の動機書(必要とされる場合)、宣誓書(申請時に署名) |
| 日本の役所などで取得する書類 | 住民票の写し、住民税の課税(所得)証明書・納税証明書(2026年4月以降は5年分が目安)、年金・健康保険料の納付を証明する書類(2年分が目安)、在勤及び給与証明書・源泉徴収票、運転記録証明書(運転免許がある方) |
| 自営業・会社経営の方の追加書類 | 法人の登記事項証明書、決算書、法人税・消費税・事業税などの納税証明書、営業許可証など |
| 本国の書類 | 国籍証明書、出生証明書、婚姻証明書、親族関係を証明する書類など(国によって種類や取得先が異なり、日本語訳が必要) |
| その他 | 在留カード・パスポートの写し、卒業証明書、資格を証明する書類など |
本国の書類は取り寄せに時間がかかることが多く、国によっては在日大使館で発行されるものもあります。国籍ごとの注意点は、国籍別のページもあわせてご覧ください。
【関連記事】日本国籍を取得するために必要な書類一覧と準備のポイントを徹底解説
帰化申請の流れ
帰化申請は、法務局への事前相談から許可後の手続きまで、おおむね次の流れで進みます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 法務局への事前相談 | 住所地を管轄する法務局(地方法務局)で相談します。多くの法務局で予約制です。状況に応じて必要書類が案内されます |
| 2. 書類の収集・作成 | 日本の役所・本国の書類を集め、申請書類を作成します。目安は2〜3か月ですが、本国書類の取り寄せでさらにかかることもあります |
| 3. 申請(書類の提出) | 申請者本人が法務局に出向いて提出します。15歳以上の方は、担当官の前で宣誓書に署名します |
| 4. 面接 | 申請後、数か月ほどで面接が行われます。生活状況や申請内容について確認され、配偶者など家族が呼ばれることもあります |
| 5. 審査 | 法務局・法務省で審査が行われます。追加書類の提出を求められたり、自宅や勤務先の確認が行われたりすることもあります |
| 6. 許可・官報告示 | 法務大臣が許可すると官報に告示され、その日から日本国籍を取得します。法務局から連絡があり、身分証明書が交付されます |
| 7. 帰化後の手続き | 告示の日から1か月以内に市区町村へ帰化届を提出します。在留カードは14日以内に返納し、必要に応じて日本のパスポートを取得します |
【関連記事】帰化申請の面接時に聞かれる内容は?知っておきたいポイントについて
帰化申請にかかる期間と費用
期間:準備から許可まで1年前後が目安
帰化申請は、書類の準備に2〜3か月、申請が受理されてから結果が出るまでに6か月〜1年程度かかるのが一般的です。準備期間を含めると、全体で1年前後を見込んでおくとよいでしょう。追加書類の提出や審査の状況によっては、さらに長くかかることもあります。
【関連記事】帰化申請にかかる期間はどのくらい?最短で許可を得るためのポイントを徹底解説
費用:申請手数料は無料、かかるのは実費と依頼費用
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 法務局への申請手数料 | 無料 |
| 実費(証明書の取得費・翻訳費・郵送費など) | 自分で申請する場合は2万〜8万円程度が目安(国籍・家族構成によって変わります) |
| 行政書士に依頼する場合(行政書士法人Climb) | 258,600円(税込・日本国内の書類の取得代を含む) ネパール人の方:220,000円(税込) |
自営業の方や家族と一緒に申請する場合などは、追加料金がかかることがあります。詳しくはサービス料金のページをご覧ください。
【関連記事】帰化申請の行政書士費用はいくら?相場・実費・自分で申請した場合との総額比較
帰化の許可者数・不許可者数(統計)
法務省の統計によると、直近5年間の帰化許可申請者数・許可者数・不許可者数は次のとおりです。
| 年 | 申請者数 | 許可者数 | 不許可者数 |
|---|---|---|---|
| 2021年(令和3年) | 9,562人 | 8,162人 | 863人 |
| 2022年(令和4年) | 9,023人 | 7,059人 | 686人 |
| 2023年(令和5年) | 9,836人 | 8,800人 | 813人 |
| 2024年(令和6年) | 12,248人 | 8,863人 | 639人 |
| 2025年(令和7年) | 14,103人 | 9,258人 | 666人 |
2025年は申請者数が14,000人を超え、増加が続いています。許可・不許可が決まった人のうち不許可の割合は1割未満ですが、審査の途中で申請を取り下げた人はこの表に含まれないため、数字だけで難しさを判断することはできません。2026年4月の運用変更後は、在留年数や納税状況の確認がより厳しくなっている点にも注意が必要です。
【関連記事】帰化申請が認められない理由とは?不許可事例と対策を徹底解説
帰化でよくある質問
帰化の条件や手続き、2026年4月の運用変更について、よくある質問をまとめました。
- 2026年4月より前に申請した場合も10年の居住が必要になりますか?
- 4月1日以前に申請済みの案件にも、新しい運用基準が適用される可能性があります。ただし、法務省・法務局から全国一律の正式な通達として明文化されているわけではありません。あくまでも可能性があるというだけです。
すでに申請済みで在留年数が10年未満の方は、申請先の法務局または専門家に個別に確認し、今後の対応方針を検討すると良いでしょう。 - 過去に税金や保険料を未納した時期がある場合、帰化は難しいですか?
- 過去の未納・滞納があると審査上のマイナス要素になる可能性はありますが、一律に帰化が認められないというわけではありません。
未納の期間・金額・現在の完納状況・完納からどのくらい時間が経過しているかなど、個別の事情を総合的に判断されます。
心当たりがある方は早めに状況を整理し、現在の納付状況を整えたうえで、行政書士などの専門家に相談しましょう。 - 日本人と結婚している場合、今回の変更は関係ありますか?
- 日本人の配偶者などに適用される簡易帰化の居住要件は、法律の条文で定められているため、今回の運用変更による直接的な影響は受けにくいとされています。
ただし、納税状況や社会保険料の確認期間が拡大される傾向は、簡易帰化の申請にも影響する可能性があります。
「変更の影響は自分には関係ない」と判断するのではなく、帰化に向けて税金・社会保険料の納付状況を早めに確認しておきましょう。 - 帰化と永住、どちらを先に目指すべきですか?
- 帰化と永住、どちらが適しているかは、個々の状況やライフプランによって異なります。帰化は日本国籍を取得するため、原則として母国の国籍を喪失しますが、日本人として参政権を含むすべての権利を享受できます。一方、永住は外国籍を維持したまま期限なく日本に在留できる権利です。
今回の運用変更により、帰化に求められる居住年数が永住の基準に近づきました。在留年数や納税状況、将来の生活設計を総合的に判断するためにも、一度専門家へ相談することをおすすめします。 - 帰化すると、母国の国籍はどうなりますか?
- 日本は二重国籍を認めていないため、帰化すると原則として母国の国籍を失います(重国籍防止条件)。国によっては、帰化の前後に本国で国籍離脱の手続きが必要な場合があります。手続きの方法は国ごとに異なるため、申請前に確認しておきましょう。
- 日本語はどのくらいできれば帰化できますか?
- 法律に具体的な基準はありませんが、実務では日常生活に支障のない程度の読み書き・会話ができることが求められます。目安は小学校3年生程度で、面接や申請時の確認のほか、日本語のテストが行われることもあります。
- 帰化申請は自分でできますか?
- できます。ただし、必要書類は数十種類に及ぶことが多く、本国書類の取り寄せや翻訳、法務局での複数回の相談も必要です。仕事をしながら準備するのが難しい方や、納税・在留歴に不安がある方は、行政書士への依頼も検討しましょう。
【関連記事】帰化申請を安く自分でやる方法!帰化手続きの手順、費用、難易度を行政書士が教えます - 在留年数が5年以上10年未満でも帰化申請できますか?
- 国籍法の条文は「引き続き5年以上」のままなので、申請自体は可能です。ただし2026年4月以降は、審査の運用上おおむね10年以上の在留が目安とされているため、10年未満の方は個別の事情を踏まえた慎重な判断が必要です。日本人の配偶者など簡易帰化の対象になる方は、居住要件が緩和されます。
帰化の条件と手続きを確認して、早めに準備を始めよう
帰化とは、法務大臣の許可を受けて日本国籍を取得する手続きです。普通帰化では、住所・能力・素行・生計・重国籍防止・憲法遵守の6条件に日本語能力を加えた7つの条件が求められ、日本人の配偶者などは簡易帰化として条件が緩和されます。
2026年4月からは、居住年数は実務上おおむね10年以上、住民税の課税・納税証明は5年分、年金などの納付証明は2年分が確認されるようになり、以前より準備に時間がかかるようになりました。まずはご自身の在留年数と、過去5年分の税金・社会保険料の納付状況を確認するところから始めましょう。
行政書士法人Climbは、ビザ申請・入管業務を専門に年間約1,000件の申請実績があり、帰化申請ではネパール人の方だけでも150人以上(申請人数、2026年9月時点)をサポートしてきました。
行政書士法人Climbでは、帰化申請の書類作成から法務局への同行までサポートしています。条件を満たしているか分からない方、本国書類の準備に不安がある方は、お気軽にご相談ください。