永住権の申請を検討しているが、手数料が近々大幅に値上げされるという話を聞き、結局総額でいくら準備しておけばいいのかがわからず不安になっているという方も多いのではないでしょうか。
2025年4月にも手数料が引き上げられたばかりなのに、2026年10月にはさらに大きな改定が控えており、情報を追いかけるだけでも一苦労です。
しかし、正しい最新情報を把握しないまま準備を進めると、想定していた予算で申請できないという事態にもなりかねません。
そこで本記事では、「永住権申請の費用」を解説します。「2026年10月改定後の最新手数料」から「必要書類の取得費用」、「行政書士に依頼した場合の費用相場」にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
永住権申請にかかる費用の種類
永住権申請では、様々な書類を用意する必要があります。その過程で、申請費用以外の面でコストが発生するため、注意が必要です。まずはどのような費用感なのか、以下にわけて詳しく見ていきましょう。
- ● 申請手数料(収入印紙)
- ● 必要書類の取得費用
- ● 行政書士に依頼した場合の費用
① 申請手数料(収入印紙)
申請手数料は、永住権を申請する際に出入国在留管理庁へ納める手数料です。永住許可が下りたときに、収入印紙を購入して納付します。
ただし、以下のように金額が推移しているため注意が必要です。
| 申請のタイミング | 手数料 |
|---|---|
| 2025年3月31日まで | 8,000円 |
| 2025年4月1日から | 10,000円 |
| 2026年10月1日以降 | 200,000円 |
上の表を見るとわかるように、2026年の10月から手数料が大きく上がります。申請の際は必ず確認してください。
② 必要書類の取得費用
永住権の申請では、住民票や戸籍謄本(※)など、市区町村役場や税務署で取得する証明書が必要になります。その際の発行手数料も、念頭に置いておきたい費用の1つです。
1通あたりは数百円程度ですが、必要書類が多いため合計すると数千円~1万円を超えるケースもあります。マイナンバーカードを使ってコンビニで発行すると多少安くなることもあるため、有効活用するのがおすすめです。
(※)戸籍謄本や保険関係の書類は全員に必要なものではありません。在留資格、家族構成、社会保険の加入状況などによって必要書類は異なります。
③ 行政書士に依頼した場合の費用
永住権申請を自分で申請せず、専門家である行政書士に書類作成や申請手続きを依頼した場合、報酬額が発生します。依頼するかどうかは任意ですが、依頼すれば数万円~十数万円の追加費用が必要です。
報酬は行政書士によって異なるため、2~3つほどに見積もりを依頼し、比較検討してみると良いでしょう。
申請手数料(収入印紙)の最新額
- ● 2025年の値上げで10,000円に変更
- ● 2026年10月から200,000円に変更
- ● 許可後に支払う手数料(在留カード発行手数料は無料)
- ● 不許可の場合は返金されるか
2025年の値上げで10,000円に変更
永住許可申請の手数料は、長年8,000円という金額でしたが、2025年4月以降は10,000円へと引き上げられています。そのため、2026年9月現在において申請する場合は、10,000円が必要になると認識しておきましょう。
なお、2026年10月には手数料が200,000円へと引き上げられるので、申請を考えている方は早めに行動するようにしましょう。
参考:出入国在留管理庁 | 令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について
2026年10月から200,000円に変更
永住権の申請手数料は、2026年10月1日より現在の10,000円から200,000円へと変更されます。ただし、大きく手数料が引き上げられたこともあり、要保護者に準ずる程度に困窮し、人道上の配慮が必要と認められる等、一定の要件を満たした場合には減額・免除の制度も設けられる予定です。
もし、該当する可能性がある場合は、事前に出入国在留管理庁へ確認するようにしましょう。
参考:出入国在留管理庁 | 令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について
許可後に支払う手数料(在留カード発行手数料は無料)
永住許可申請の手数料は、申請時ではなく許可が下りた後に支払います。郵便局などで収入印紙を購入し、手数料納付書に貼付して提出することで、永住者用の新しい在留カードが交付される仕組みです。
こうした点から、許可後に支払う手数料は申請手数料である、と認識しておくと良いでしょう。在留カードの発行自体に別途費用はかからず、上記の申請手数料の中に含まれていますので安心してください。
不許可の場合は返金されるか
申請手数料は、許可が確定した段階で初めて納付する仕組みのため、審査の結果が不許可だった場合は手数料を支払う必要自体がありません。そのため、不許可の場合に「払った手数料が返金されない」という心配は不要です。
ただし、書類取得費用や行政書士へ支払った報酬は、不許可の結果にかかわらず基本的に返金されない点には注意してください。行政書士事務所によっては独自の返金保証を設けている場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
必要書類の取得にかかる費用目安
永住権の取得に必要な書類は、様々なものがあります。どの程度の費用がかかるのか、以下にわけて詳しく見ていきましょう。
- ● 住民票・戸籍謄本などの役所書類
- ● 納税証明書・在職証明書など
- ● 書類取得の合計目安額
※戸籍謄本や保険関係の書類は全員に必要なものではありません。在留資格、家族構成、社会保険の加入状況などによって必要書類は異なります。
住民票・戸籍謄本などの役所書類
永住許可申請では、多数の役所発行書類が必要になります。主な書類の発行手数料の目安は、以下のとおりです。
| 書類名 | 発行手数料の目安 |
|---|---|
| 住民票の写し | 300円 |
| 戸籍謄本 | 450円 |
| 婚姻届受理証明書 | 350円 |
なお、マイナンバーカードがあれば、コンビニの端末からも取得できます。24時間いつでも対応してくれるのに加え、窓口で取得するよりもやや安くなる自治体が多いので、積極的に活用しましょう。
また、手数料は自治体によって異なります。上記の表から大幅な違いはないとは思いますが、正確な金額は居住地の役所のホームページで確認することをおすすめします。
納税証明書・在職証明書など
永住権の申請で必要になる、税務署・市区町村役場で取得する納税関係の証明書は、以下のとおりです。
| 書類名 | 発行手数料の目安 |
|---|---|
| 直近5年分の住民税の納税証明書 | 1,500円程度(300円 / 1通) |
| 直近5年分の住民税の課税証明書 | 1,500円程度(300円 / 1通) |
| 各種税に係る納税証明書(その3) | 400円 |
| 直近2年分の国民健康保険料納付証明書 | 600円(300円 / 1通) |
配偶者がいる場合は、配偶者分の証明書も同様に必要になるため、単身者よりも取得費用が高くなります。
また、会社に勤めている場合の在職証明書は、会社が無料で発行してくれるケースが一般的です。
書類取得の合計目安額
実際のケース別に、書類取得費用の合計額を見てみましょう。
| 申請者の状況 | 書類取得費用の合計目安 |
|---|---|
| 単身の就労ビザ保持者 | 13,000円~15,000円程度 |
| 配偶者がいる場合(2人分) | 20,000円~25,000円程度 |
| 就労資格から永住許可を申請する場合 (書類部数が多いケース) | 数千円~1万円以上の変動あり |
例えば単身の定住者の場合、各種証明書の合計は13,000円~15,000円程度です。一方、配偶者がいる場合は取得書類が増えるため、20,000円~25,000円程度を見ておくと良いでしょう。
一般的に、家族の人数や必要書類の部数が増えるほど金額は上振れするため、単身が最も安いと認識しておけば問題ありません。
行政書士に依頼した場合の費用相場
永住権申請を個人ではなく行政書士に依頼しようと考えている方もいるでしょう。そのような場合の費用相場を、以下にわけて解説します。
- ● 相場の幅(12万~20万円程度)と内訳
- ● 自分で申請 vs 行政書士依頼の費用比較表
相場の幅(12万~20万円程度)と内訳
永住許可申請を行政書士に依頼した場合の相場は、1人あたり12万円~20万円程度が相場です。相場に含まれる主な内容は以下のとおりです。
- ● 必要書類の収集代行(役所・税務署への取得代行)
- ● 申請書類・理由書等の作成
- ● 申請の取次(本人の代わりに窓口へ提出)
- ● 追加書類の要求があった場合の対応
※事務所によって金額に幅があります。
なお、過去に不許可歴がある場合や事情が複雑なケース(転職を伴う場合・扶養家族が多い場合等)は、通常より加算料金が発生することもあるため、依頼前に見積もりの内訳を確認することをおすすめします。
自分で申請 vs 行政書士依頼の費用比較表
永住権の申請をする中で、自分で申請するか行政書士に依頼するかで迷っている方もいるでしょう。その場合の費用総額を比較すると、以下のようになります。
| 項目 | 自分で申請する場合 | 行政書士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 200,000円 | 200,000円 |
| 書類取得費用 | 一般的には数千円程度 (ただし、家族構成や転居歴などにより変動する) | 一般的には数千円程度 (ただし、家族構成や転居歴などにより変動する) 行政書士が代行する場合も実費は発生(※) |
| 行政書士報酬 | 0円 | 120,000円~200,000円程度 |
| 合計目安 | 205,000円~ | 205,000円~ |
(※)外国語の証明書などがある場合は、別途、翻訳費用がかかる可能性があります。
上の表を見るとわかるように、2026年10月の手数料改定により、申請手数料自体が総額の大部分を占めるようになります。
その上で、行政書士に依頼するかどうかの判断は、費用差だけでなく「自分で正確に書類を揃えられる自信があるか」「(依頼をすれば)必要書類の正確な整理や、複雑な事情に関する説明資料の作成も依頼できる」等の観点も含めて検討するようにしましょう。
費用を抑えるポイント
永住権申請の費用を抑えるためのポイントは、以下のとおりです。
- ● マイナンバーカードを活用し、コンビニ交付サービスで証明書を取得する
- ● 必要書類の一覧を事前に正確に把握し、二度手間による再取得を防ぐ
- ● 複数の行政書士事務所から見積もりを取り、報酬体系を比較する
- ● 家族で同時に申請する場合は、まとめて行政書士へ依頼することで割引が適用されるケースもある
- ● 2026年10月1日以降は手数料自体が大幅に上がるため、要件を満たしているなら早めの申請を検討する
手数料そのものは固定額のため下げることはできませんが、書類取得の工夫や依頼先の比較検討によって、総額を数千円~数万円単位で抑えられる余地があります。
書類取得には手数料だけでなく労力もかかるため、効率的に動けるよう早めの計画と準備を忘れないようにしましょう。
よくある質問
- 手数料はいつ支払う?
- 永住許可申請の手数料は、申請時ではなく許可が下りた後に支払います。入管から許可の通知を受けたら、窓口で収入印紙を購入し、手数料納付書に貼付して提出する形です。支払い後、新しい在留カードが交付されます。
- 不許可になった場合の手数料は?
- 不許可の場合、そもそも手数料の納付自体が発生しません。手数料は許可が確定した段階で初めて必要になる仕組みのため、「不許可だったのに手数料を払わされた」という心配は不要です。ただし、書類取得費用や行政書士報酬は、結果にかかわらず基本的に返金対象外なため注意しましょう。
- 2026年10月より前に申請すれば、旧料金(10,000円)が適用されますか?
- 2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降になっても旧料金の1万円が適用されます。
まとめ
永住権申請にかかる費用は、2026年10月1日の手数料改定により大きく変わります。これまで10,000円だった申請手数料が200,000円へと20倍に引き上げられ、さらに書類取得費用がかかります。加えて、行政書士に依頼する場合は、報酬として12万円~20万円程度も必要です。
手数料改定前と比べて総額が大きく変動するため、申請をする際は最新の手数料や経過措置の有無について、必ず出入国在留管理庁の公式サイトで確認するようにしましょう。